湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

哀惜の相席食堂

2010-06-18 18:00:07 | B食の道


先日ここを通った時に見た看板である。
横浜駅西口五番街にある中華料理『龍王』の「しょうが焼きの卵とじ丼」(600円)だ。

あのときはこれでお腹がいっぱいだったためスルーしたが、この日は横浜で午後から用事があったので早めに出てきた。すっかり食べる気満々である。
このお店、学生時代によく利用している。カウンターに座ると、横の窓の外を疾走する横須賀線や東海道線の電車の腹が見える店だ。よく具がいっぱいの中華丼を食べたなぁ。



ちょっと行きづらい場所なので、前の通路は閑散としている。ところが、暖簾をくぐって驚いた。11時過ぎだというのに、すでにお客がかなりいるのだ。しかも、ほぼ全員がお一人様。すべて相席が前提のようだ。みんな黙って目の前の料理だけに向き合っている。あのころは、こんなに活気があったかなぁ。

テーブルに置かれているメニューを眺めると、目指す「しょうが焼きの卵とじ丼」が見あたらない。オーダーをとりにきた店員さんに尋ねると、期間限定メニューだったという。
「今日はだめ~?」と甘える口調でお願いしたが「ないです」と軽くあしらわれてしまった(笑)。
すでにお冷やも目の前に置かれ「じゃあ、またにします」と出てていくわけにもいかず、反射的に「チャーハン、いや五目チャーハンで」と言ってしまう。


それから2分も経たずに、うずらの卵、チャーシュー、かに、エビ、なるとがトッピングされている「五目チャーハン」(600円)登場。ご飯粒が小さいような気がするのと、ちょっと味が濃いが、おいしい。調理時間が短いチャーハンは、まずハズレがないのだ。強い火力で一気に炒めるので、油分が飛んでパラパラなんだよね。例によって、これを口いっぱいに頬張っていると、何のためにわざわざこの店に来たのかも忘れてしまっていた(笑)。
電車の音と振動(上が相鉄線のホーム)が懐かしいお店で過ごせた時間は格別だったから、まあいいか。

厨房では男性5名がわっさわっさと中華鍋をふるっている。すごい活気だ。お客のほとんどは中年から上の男性。きっと昔から通っているに違いない。こんなにわかりづらい場所なのに、普通においしくて安い店はちゃんと続いているのである。

チャーハンの写真の右上、光っている窓の外を電車が走る。