湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

昭和のドライブイン

2010-06-12 15:32:50 | B食の道


秦野、渋沢あたりの246沿いは、外食産業の博覧会場だ。あらゆる業態の店舗がしのぎを削り、ペコペコの胃袋を待ちかまえている。
その通りをさらに西へ進むと一気に賑わいが途切れ、あたりは深い緑に包まれる。そして、つぶれたパチンコ店を過ぎ左手に現れるのが『みやこ食堂』だ。神奈川県内の国道沿いに残る最後のドライブインらしい。

大型のトラックが並んでいる駐車場から一段低くなった場所にレトロな佇まいが見えてくる。背景は山と空だけ。こんなお店が営業している事実に感動する。
店内は駅前にあるような食堂とは異なるものの、昭和の臭いがプンプン。まさに片田舎のドライブインという感じ。壁という壁にカラフルなお品書きが貼られている。テレビが薄い液晶タイプなのが少々興ざめだけど(笑)。ところが、そのテレビの画面に映し出されているのは「暴れん坊将軍」。やっぱり昭和が全開だ。
その声に紛れて、さっきから鳥の声が聞こえている。ふと窓の方に目をやると、外は緑一色だった。





数あるメニューの中から「開店以来の人気メニュー」とある「肉野菜炒め定食」(750円)をオーダー。
甘めの味付けで、もやしと肉のバランスもよくおいしい。大皿なので初めは油断していたが、ボリュームもかなりあるぞ。ふつうの中華屋さんの楕円のお皿だったら、ぜったいに載りきっていない量だ。ご飯も丼に大盛りなので、おなかいっぱいになった。「人気」と自称するだけのことはあるな。



そして、またまた頼んでしまった卵焼き(380円)。当然、甘いのをお願いした。価格にふさわしいボリュームで、おいしい。焦げ目もいいでしょ。田舎のドライブインは、こうでなくちゃ!いかにもお母さん作。


こんな所に、こんなお店が元気よく営業しているなんて、ホント驚きでした。昼飯にわざわざ1時間もかけて行くなんて…。いや1時間かけて行く価値のある昭和遺産的大衆食堂である。

それにしても、ビールをジョッキでやっていた先客の男女。男性3杯、女性1杯を飲み干して出ていったけど、まさかクルマじゃないよね。こんな山奥から、どこへ歩いて帰っていったのだろう(笑)。