湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

さすが五段の腕前

2008-11-14 23:16:34 | あんな人こんな人


「痛くなかったでしょ」
白衣をまとった小柄なおじさんが、僕の二の腕から注射針を抜きながら言う。
そういえば、おととし痛かったんだよな。あぁ、同じお医者さんだったよ。
おぉ、でも今回は確かに痛くなかったぞ。
うまくなったじゃん!

インフルエンザの予防接種のため、今年も講道館クリニックにやってきた。
ほんとに、同じ方とは思えない射しっぷりに驚いたのだ。
でも、普通は針の後を脱脂綿で押さえるとか、シールのようなものを貼ってくれたりするじゃないですか。
なんにもしてくれないんですよ(笑)。しかたないので、
「あっ、あの~、何かここに…」
と腕を先生の顔に近づけてみる。
すると、急に思い出したようにシールを手にした。あ~よかった。そして、僕の腕をつかむ。

「あれ?」

思わず「まさか」と返してしまったよ。
「なくなっちゃったねぇ(笑)」
え~っ、注射の跡が見つからなくなっちゃったというのである。
彼はもう一度、脱脂綿で肌の表面をなぞり始めた。
そして、ようやく痕跡を発見すると、満足そうな顔をしてシールを貼ってくれるのであった。
注射一本で毎年ネタを提供してくれるよなあ、などと思いながら帰社。ネットで改めて調べてみて驚いた。
魔法のような無痛注射をしてくださったおじさん…、いえ、先生さま。実はクリニックの理事長さまであり、全日本柔道連盟医科学委員、日本オリンピック委員会強化スタッフ、日本体育協会公認スポーツドクター、日本ドーピングコントロールオフィサー、という日本のスポーツ界の重鎮でもあらせられるたいへんな医学博士さまだったのだ。
いやいやいや、数々のご無礼をお許しください。
ちなみに、柔道は五段だそう。へたなこと言ったら、ぶん投げられちゃうところだったよ。
写真は、その先生さま…ではなく、講道館創始者嘉納治五郎氏の銅像。


こちらは今朝6時過ぎの富士山と満月