湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

輪切りの音を聞きました

2008-02-07 23:16:30 | あんな話こんな話


カーンカーンカーンカーン、ガッガッガッガッ
カーンカーンカーンカーン、ガッガッガッガッ
カーンカーンカーンカーン、ダダダダダダダダダダ、ズンズンズンズンズンズン、ビビビビビビビビビビビ…
カーンカーンカーンカーン、ガッガッガッガッ…
ジーーーーー、ババババババ、ブーーー
カーンカーンカーンカーン、ガッガッガッガッ…

ひたすらこんな濁音主体の激しい音が響きわたり、時折あたま全体にその振動が伝わってきた。
先週、あれよあれよという間に受けることになったMRIの筒の中での記憶だ。
「今から大きな磁石の中に入ると思ってください。工事現場のような大きな音がしまーす」
「どのくらい時間がかかるんですか?」
「15分くらいですかね。さあ頑張ってください」
と言われた時には、頭部はもう筒の中に送り込まれていた。
そして、カーンカーンカーン…である。
ただ、工事現場のような叩いたり打ったりする音ではない。電子的に作り出されたような激しくも、ちょっぴりおかしな音。単音しか出なかった初期のシンセサイザーで誰かが遊んでいるような。
とはいっても、決して耐え難いレベルではない。危険なイメージもない。確かにうるさいけれど、次はどんなリズムで、どんな音色がくるのかなんて考える余裕さえあったほどだ。
それより、いま顔が痒くなったらどうしようとか、くしゃみが出ちゃったりしたら…なんて、子供じみた心配事ばかりが次から次へと頭をよぎって困った(笑)。
カーンカーンカーンカーンカーン、コツ、コツ、コツ、コツ、コツ…
「はーい、お疲れ様でしたー」
あれ?もう?
時間があんがい早く終わってビックリした。
こうして人生初の自分の頭の輪切りの画面に対面することになったのである。
記念に持ち帰ろうと思って尋ねたら、有料でデータをプリントアウトしてくれるということだった。
でも「デジカメならダダよ」という看護婦さんと、「ご自分のだからいいですよ」というドクターの言葉に甘えて、撮らせてもらった次第だ。
結局、何でもなかったのが明らかになって、あの音と共にモヤモヤがすっ飛んでいっちゃったカンジ。全体的にはまだ雲がかかっているような気がするんだけど、頭の中だけはスッキリ晴れている、そう心から思えるのである。