湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

メリーさんとあの頃へ

2006-05-02 22:21:39 | 湘南ライナーで見る


繁華街の通りを一歩入った路地で、視界に何か白っぽいものが飛び込んできた。
よく見ると、白いドレスに身を包んだ小さな女性だ。顔も真っ白。目の周りは真っ黒、口の周りは真っ赤なおばあさん。
『ハマのメリーさん』だった。
僕が彼女の姿を伊勢佐木町で最後に見たのはもう14~5年も前のこと。
さらに遡ること10年位前には横浜スタジアムでアルバイトをしていたので、その頃も伊勢佐木町あたりで何度か見かけていた。
最近は“都市伝説”になっていたそうだが、僕にとっては事実以外の何ものでもない。
そんな彼女を追ったドキュメンタリー映画『ヨコハマメリー』が先日封切られた。
今日はそれを観に、一人で伊勢佐木町の横浜ニューテアトルに。
ニューテアトルといえば、妻と付き合っていたころに観たジョディー・フォスター主演の『君といた夏』を思い出す。118席のキャパで観客はたった5人だったから。
ところが、今日は伊勢佐木町の通りに傘の列が伸びるほどの盛況ぶり(僕は早く行って16番の整理券をゲット)。
客層は、女性7:男性3。平均年齢は60近いのではないだろうか。そんな高齢の女性たちは、何を求めて来場するのか。なぜヨン様ではなく、メリ様なのか。そのあたりをぜひインタビューしてドキュメンタリーにしたいものだ(笑)。
さて、「涙が抑えられなかった」とか「感動した」というレビューも事前に読んていたが、僕にとっては彼女への特別な思い入れがなかったからか、「涙」も「感動」もなかった。
ただ、故郷へ帰ったメリーさんの姿をキャッチしたのに驚き、しかも、あえて本人の口から何も語らせなかったところも見事だと感じた。普通のいいおばあちゃんになっていたのを確認できただけで、何だかとっても幸せな気分になれた。重~くならず清々しい気持ちで映画館を後にすることができたのだ。
それよりも、観ながらよみがえってくるのは自分のアルバイト時代のことばかり。
そこで、ちょっと関内を歩き回ってみた。お昼は横浜市役所地下の第3食堂で決まりだ。
実によく通った所。ここは『レストランかをり』が運営しているのだが、市役所価格でいただける(もちろんベーシックな食堂メニューばかりだけど)。



頼んだのは、あのころ一番好きだった『オムライス』の“大”。仲間内では『恐竜の卵で作ったオムライス』が通称。卵の向こう側にはキャベツとポテトサラダが隠れている。カップの味噌汁も付いて580円!(通常盛り530円)
さすがにオバチャンたち(ウエイトレス)の顔ぶれは変わっていたけれど、テーブルや結婚式場にあるような椅子も当時のまま。味も一緒で嬉しくなった。
その後、浜スタをぐるっと回って帰宅。
メリーさんのおかげで、あの頃を思い出しながらステキな散歩を楽しむ。なぜか歩いている間は雨が強くなることはなかった。
※一番上の写真はメリーさんがよく現れたアート宝飾ビル前。今でもいそうな雰囲気


伊勢佐木町から馬車道を海へ向かうと現れる県立歴史博物館


浜スタのある横浜公園はチューリップを中心に花々が満開


お土産は泉平のいなりとかんぴょう巻。当時“もらって”よく食べた。相変わらず美味!