独立行政法人国民生活センター発行 国民生活2022.10月号暮らしの法律Q&Aより
第124回
野良猫に餌やりする近所の人に餌やりをやめさせ、
損害賠償等を請求したい場合は?
相談
近所の人が野良猫に餌をあげるため、地域に野良猫が増え、自宅の庭にふん尿をされたり、車に傷をつけられたりして困っています。
餌やりをやめさせ、損害賠償等を請求することはできますか?
萩谷雅和弁護士
回答
法律的な結論だけを言えば、差し止め請求や損害賠償請求はできます。
細かい説明は省きますが、単純に言えば、
不必要に他人に迷惑をかける行為は、民法上の不法行為というものに該当し、損害賠償できる場合が多いのです。(民法709条)
実際に金銭賠償を認めた裁判例もあります。
(東京地裁立川支部平成22年5月13日判決、福岡地裁平成27年9月17日判決など)
その前提としては、相手方(近所の人)がエサを与えていること、増えてしまった野良猫のために自宅の庭が汚されたこと等の証拠が必要になります。
ただ、近所同士の関係であれば、綿と向かって餌やりを注意することも心理的には厳しい場合もあるでしょう。
また、注意しても「私は猫好きで、空腹の猫が可哀想」とか「あなたは動物愛護の精神がないのか」などと返答されてしまう場合もあり、
注意が有効でない場合も多いはずです。逆恨みされただけに終わる場合も多いでしょうし、
これがこじれて刃傷事件にでもなったら大変です。まして訴訟を起こすことまではためらわれることでしょう。
そこで、実際的には、個人が個人に対して注意するというよりも、
まずは自治体や自治会・町内会等に相談してみることを考えてはいかがでしょう。
自治体や自治会・町内会等が餌やりをしている人にどういう根拠で注意できるかは法的に考え出すと難しい面があるのですが、
それでも「動物の愛護及び管理に関する法律」や条令等に基づいて、
自治体が餌やりをしている人の確認を行い、買主のいない猫との適正なかかわり方について助言や指導をしてくれる場合などがあります。
町の美化は自治体の義務であるからです。
条例で無用の餌やりに罰則を定めている自治体もあるようです。
また、自治体によっては、猫の譲渡活動や地域猫活動の支援、
超音波式猫回避装置・猫の捕獲器(不妊去勢手術の実施を目的とした猫の捕獲に限る)等の貸出を行っているところもあります。
これは全国一律の定めがあるわけではなく、各自治体の定めるところによります。
したがって、自治体によって対応は異なります。
しかし、行ってみる価値はありますので、まずはご自分の住んでいる自治体等に相談してみてください。
**********************************************
野良猫だけでなく野性の動物にエサをやる行為はときとして地域に迷惑をかけることになります。
相談者の方はそうとう困っている感じです。
しかし、近所の人に損害賠償まで請求となると
できたとしてやりすぎではと思ってしまいます。(私だけ?)
自治体によって対応は異なるというものの、
まずは自分の住んでいる自治体等に相談するのがよいのですね!
同じような経験が自分にもありますが、
ひたすら我慢してやり過ごしていました。
誰かに相談していたら違った結果になったかもしれません。
日頃から近所の人とコミュニケーションをとっておくことが
地域で安心して暮らすために大切ですね👆
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第124回
野良猫に餌やりする近所の人に餌やりをやめさせ、
損害賠償等を請求したい場合は?
相談
近所の人が野良猫に餌をあげるため、地域に野良猫が増え、自宅の庭にふん尿をされたり、車に傷をつけられたりして困っています。
餌やりをやめさせ、損害賠償等を請求することはできますか?
萩谷雅和弁護士
回答
法律的な結論だけを言えば、差し止め請求や損害賠償請求はできます。
細かい説明は省きますが、単純に言えば、
不必要に他人に迷惑をかける行為は、民法上の不法行為というものに該当し、損害賠償できる場合が多いのです。(民法709条)
実際に金銭賠償を認めた裁判例もあります。
(東京地裁立川支部平成22年5月13日判決、福岡地裁平成27年9月17日判決など)
その前提としては、相手方(近所の人)がエサを与えていること、増えてしまった野良猫のために自宅の庭が汚されたこと等の証拠が必要になります。
ただ、近所同士の関係であれば、綿と向かって餌やりを注意することも心理的には厳しい場合もあるでしょう。
また、注意しても「私は猫好きで、空腹の猫が可哀想」とか「あなたは動物愛護の精神がないのか」などと返答されてしまう場合もあり、
注意が有効でない場合も多いはずです。逆恨みされただけに終わる場合も多いでしょうし、
これがこじれて刃傷事件にでもなったら大変です。まして訴訟を起こすことまではためらわれることでしょう。
そこで、実際的には、個人が個人に対して注意するというよりも、
まずは自治体や自治会・町内会等に相談してみることを考えてはいかがでしょう。
自治体や自治会・町内会等が餌やりをしている人にどういう根拠で注意できるかは法的に考え出すと難しい面があるのですが、
それでも「動物の愛護及び管理に関する法律」や条令等に基づいて、
自治体が餌やりをしている人の確認を行い、買主のいない猫との適正なかかわり方について助言や指導をしてくれる場合などがあります。
町の美化は自治体の義務であるからです。
条例で無用の餌やりに罰則を定めている自治体もあるようです。
また、自治体によっては、猫の譲渡活動や地域猫活動の支援、
超音波式猫回避装置・猫の捕獲器(不妊去勢手術の実施を目的とした猫の捕獲に限る)等の貸出を行っているところもあります。
これは全国一律の定めがあるわけではなく、各自治体の定めるところによります。
したがって、自治体によって対応は異なります。
しかし、行ってみる価値はありますので、まずはご自分の住んでいる自治体等に相談してみてください。
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野良猫だけでなく野性の動物にエサをやる行為はときとして地域に迷惑をかけることになります。
相談者の方はそうとう困っている感じです。
しかし、近所の人に損害賠償まで請求となると
できたとしてやりすぎではと思ってしまいます。(私だけ?)
自治体によって対応は異なるというものの、
まずは自分の住んでいる自治体等に相談するのがよいのですね!
同じような経験が自分にもありますが、
ひたすら我慢してやり過ごしていました。
誰かに相談していたら違った結果になったかもしれません。
日頃から近所の人とコミュニケーションをとっておくことが
地域で安心して暮らすために大切ですね👆
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