NITE(ナイト)独立行政法人製品評価技術基盤機構製品安全センター
2024.7.23 VOL. 457
PSマガジン(製品安全情報メールマガジン)
今回は夏に気を付けていただきたい製品事故3選として、
・高温の自動車内に放置したモバイルバッテリーから出火した事故
・落として破損した携帯用扇風機(※1)のバッテリーショートによる破裂事故
・BBQで着火剤を火元に継ぎ足してやけどを負った事故
をご紹介します。
これから夏本番を迎える前に、製品事故による思わぬ被害を未然に防ぐため、事故防止のポイントを確認しましょう。
夏に気を付けていただきたい製品事故3選
【モバイルバッテリーの事故】
自動車内に置いていたモバイルバッテリー付近から出火し、周辺を焼損しました。
→焼損が著しく、詳細な使用状況等が不明であり、原因の特定はできなかったが、
長期使用(約8年)でリチウムイオン電池が劣化していたことに加え、
高温の車内にモバイルバッテリーが置かれていたことから電池セルが異常発熱して発火した可能性が考えられます。
【モバイルバッテリーで気を付けるポイント】
○夏場、特に高温となる自動車内や、直射日光の当たる窓際などに放置しない。
日本自動車連盟(JAF)の試験によりますと、真夏の車内はかなり高温になります。
車を離れるときは、モバイルバッテリーなど、
リチウムイオン電池を使用している製品を車内に放置しないようにしてください。
特に直射日光が当たっているとダッシュボードの上の温度は70℃を超えることがあります。
なお、事故は真夏以外でも、天気の良い暑い日に発生しています。
真夏が過ぎた後であっても、車内放置は避けてください。
https://jaf.or.jp/common/safety-drive/car-/user-test/temperature/summer
表訂正
【注目!新作動画】
○モバイルバッテリー「7.高温下に放置して発火2」
高温下に放置したモバイルバッテリーが発火した再現映像
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/20240712.html
【携帯用扇風機の事故】
充電中の扇風機付近から異音がして出火し、焼損しました。
→リチウムイオン電池が内部ショートして異常発熱し、焼損したものと考えられます。
【携帯用扇風機で気を付けるポイント】
○落とすなど、強い衝撃を与えない。
外部からの衝撃で、リチウムイオン電池内部の正極(+極)、負極(-極)を隔てる絶縁フィルム(セパレーター)が破れ、
ショートすることにより異常発熱が起こり、内圧が上昇して電池が破裂・発火する場合があります。
落とすなど、強い衝撃を与えないようにしてください。
〇強い衝撃を与えてしまった後に異常を感じた場合には、直ちに使用を中止する。
以下のような異常が見られたときは、直ちに使用を中止して、購入店又は製造・輸入事業者の修理窓口に相談してください。
・充電が行われない。
・充電中にこれまでよりも熱くなった。
・外装が膨張し、変形した。バッテリーパックが膨張した。
・不意に電源が切れた。
また、上記のような異常が発生した場合は、発火、破裂などの事故に備え、
携帯用扇風機を金属製の缶などの保管容器に入れて保管することが望まれます。
事業者による必要な措置が取られるまでは、決してごみとして携帯用扇風機を廃棄しないでください。
なお、事業者による適切な措置が取られた結果、ごみとして廃棄する場合には、
お住まいの自治体の指示に従った分別等を行ってください。
●万が一、発煙・発火したときは。
消火器での消火や大量の水を掛けるなど被害の拡大を防いでください。
大きな火炎により対処が困難と判断した場合は、直ちに避難するとともに119 番通報してください。
【着火剤の事故】
公園でバーベキューをしていて、一旦中断した後、
再開しようと残り火があるところにゼリー状の着火剤を使用したところ、
「ボン」という音がし、直後に2〜3メートル離れた場所にいた女性の衣服が燃え、
他の2名も軽いやけどを負いました。
→着火剤はメチルアルコールを主成分としたもので、揮発性があり引火しやすいことから、
わずかな炎であっても、着火剤に火がつく前に揮発成分に引火し、
続いて着火剤が急激に燃焼されることによって飛び散る等の可能性があるため、
製品本体に燃焼中の継ぎ足しを禁止する旨が表示されているが、
残り火がある状態で継ぎ足したため、着火剤が急激に燃焼し、飛散した炎が衣服に着火したものと考えられます。
【着火剤で気を付けるポイント】
○一度火を点けたら、着火剤の継ぎ足しをしない。
既に火が点いている炭に着火剤を継ぎ足した場合、
大きな炎が上がり、やけどや火災に至る場合があります。
絶対に着火剤の継ぎ足しはしないでください。
特に炎天下では着火剤の炎が見えにくいため、気づいたときには重傷になることがあります。
危険な着火剤の継ぎ足しをしたことのある人は、
炭・薪でのバーベキュー経験者では3割を超えるとの調査結果(※2)もあります。
(※2)消費者庁 News Release H27年7月29日 「バーベキューにおける食中毒・火傷に注意!」
バーベキューにおける食品衛生に関する消費者意識の実態調査 設問Q14
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/150729kouhyou_1.pdf
チューブ式やパウチ式の容器で販売される着火剤には、
継ぎ足しを禁止する警告文が付けられているものが多いので、
お使いになる前によく読んで注意して使いましょう。
○消毒用アルコールを着火剤として使用しない。
新聞紙などに消毒用のアルコールを染み込ませ着火剤として投入した場合や直接火元にアルコールをかけた場合、
急激かつ爆発的に燃え上がり大変危険です。昨年5月には死亡事故も起きています。
■NITEでは2024年7月12日に注意喚起として
『真夏の製品事故アラート~モバイルバッテリー・携帯用扇風機・着火剤の取扱いに注意~』をプレスリリースしました。
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2024fy/prs24071201.html
***************************************
いつもにもまして暑い暑い夏です!
車内の温度は思っている以上に早く上がります。
機器だけでなく、子どもや大人も車内においていかれると大変です!
涼をとるための機器もこのような危険があります。
十分注意して使用しましょう!
バーベキューの季節です!
「バーベキューにおける食中毒・火傷に注意!」を
ぜひご覧いただき守るようにしましょう!!
川や海での事故のニュースが続いています。
事故を防ぎ安全に暮らすために、
情報を他人事とせず、自分事としてとらえ注意しましょう🖕
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2024.7.23 VOL. 457
PSマガジン(製品安全情報メールマガジン)
今回は夏に気を付けていただきたい製品事故3選として、
・高温の自動車内に放置したモバイルバッテリーから出火した事故
・落として破損した携帯用扇風機(※1)のバッテリーショートによる破裂事故
・BBQで着火剤を火元に継ぎ足してやけどを負った事故
をご紹介します。
これから夏本番を迎える前に、製品事故による思わぬ被害を未然に防ぐため、事故防止のポイントを確認しましょう。
夏に気を付けていただきたい製品事故3選
【モバイルバッテリーの事故】
自動車内に置いていたモバイルバッテリー付近から出火し、周辺を焼損しました。
→焼損が著しく、詳細な使用状況等が不明であり、原因の特定はできなかったが、
長期使用(約8年)でリチウムイオン電池が劣化していたことに加え、
高温の車内にモバイルバッテリーが置かれていたことから電池セルが異常発熱して発火した可能性が考えられます。
【モバイルバッテリーで気を付けるポイント】
○夏場、特に高温となる自動車内や、直射日光の当たる窓際などに放置しない。
日本自動車連盟(JAF)の試験によりますと、真夏の車内はかなり高温になります。
車を離れるときは、モバイルバッテリーなど、
リチウムイオン電池を使用している製品を車内に放置しないようにしてください。
特に直射日光が当たっているとダッシュボードの上の温度は70℃を超えることがあります。
なお、事故は真夏以外でも、天気の良い暑い日に発生しています。
真夏が過ぎた後であっても、車内放置は避けてください。
https://jaf.or.jp/common/safety-drive/car-/user-test/temperature/summer
表訂正
【注目!新作動画】
○モバイルバッテリー「7.高温下に放置して発火2」
高温下に放置したモバイルバッテリーが発火した再現映像
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/20240712.html
【携帯用扇風機の事故】
充電中の扇風機付近から異音がして出火し、焼損しました。
→リチウムイオン電池が内部ショートして異常発熱し、焼損したものと考えられます。
【携帯用扇風機で気を付けるポイント】
○落とすなど、強い衝撃を与えない。
外部からの衝撃で、リチウムイオン電池内部の正極(+極)、負極(-極)を隔てる絶縁フィルム(セパレーター)が破れ、
ショートすることにより異常発熱が起こり、内圧が上昇して電池が破裂・発火する場合があります。
落とすなど、強い衝撃を与えないようにしてください。
〇強い衝撃を与えてしまった後に異常を感じた場合には、直ちに使用を中止する。
以下のような異常が見られたときは、直ちに使用を中止して、購入店又は製造・輸入事業者の修理窓口に相談してください。
・充電が行われない。
・充電中にこれまでよりも熱くなった。
・外装が膨張し、変形した。バッテリーパックが膨張した。
・不意に電源が切れた。
また、上記のような異常が発生した場合は、発火、破裂などの事故に備え、
携帯用扇風機を金属製の缶などの保管容器に入れて保管することが望まれます。
事業者による必要な措置が取られるまでは、決してごみとして携帯用扇風機を廃棄しないでください。
なお、事業者による適切な措置が取られた結果、ごみとして廃棄する場合には、
お住まいの自治体の指示に従った分別等を行ってください。
●万が一、発煙・発火したときは。
消火器での消火や大量の水を掛けるなど被害の拡大を防いでください。
大きな火炎により対処が困難と判断した場合は、直ちに避難するとともに119 番通報してください。
【着火剤の事故】
公園でバーベキューをしていて、一旦中断した後、
再開しようと残り火があるところにゼリー状の着火剤を使用したところ、
「ボン」という音がし、直後に2〜3メートル離れた場所にいた女性の衣服が燃え、
他の2名も軽いやけどを負いました。
→着火剤はメチルアルコールを主成分としたもので、揮発性があり引火しやすいことから、
わずかな炎であっても、着火剤に火がつく前に揮発成分に引火し、
続いて着火剤が急激に燃焼されることによって飛び散る等の可能性があるため、
製品本体に燃焼中の継ぎ足しを禁止する旨が表示されているが、
残り火がある状態で継ぎ足したため、着火剤が急激に燃焼し、飛散した炎が衣服に着火したものと考えられます。
【着火剤で気を付けるポイント】
○一度火を点けたら、着火剤の継ぎ足しをしない。
既に火が点いている炭に着火剤を継ぎ足した場合、
大きな炎が上がり、やけどや火災に至る場合があります。
絶対に着火剤の継ぎ足しはしないでください。
特に炎天下では着火剤の炎が見えにくいため、気づいたときには重傷になることがあります。
危険な着火剤の継ぎ足しをしたことのある人は、
炭・薪でのバーベキュー経験者では3割を超えるとの調査結果(※2)もあります。
(※2)消費者庁 News Release H27年7月29日 「バーベキューにおける食中毒・火傷に注意!」
バーベキューにおける食品衛生に関する消費者意識の実態調査 設問Q14
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/150729kouhyou_1.pdf
チューブ式やパウチ式の容器で販売される着火剤には、
継ぎ足しを禁止する警告文が付けられているものが多いので、
お使いになる前によく読んで注意して使いましょう。
○消毒用アルコールを着火剤として使用しない。
新聞紙などに消毒用のアルコールを染み込ませ着火剤として投入した場合や直接火元にアルコールをかけた場合、
急激かつ爆発的に燃え上がり大変危険です。昨年5月には死亡事故も起きています。
■NITEでは2024年7月12日に注意喚起として
『真夏の製品事故アラート~モバイルバッテリー・携帯用扇風機・着火剤の取扱いに注意~』をプレスリリースしました。
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2024fy/prs24071201.html
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いつもにもまして暑い暑い夏です!
車内の温度は思っている以上に早く上がります。
機器だけでなく、子どもや大人も車内においていかれると大変です!
涼をとるための機器もこのような危険があります。
十分注意して使用しましょう!
バーベキューの季節です!
「バーベキューにおける食中毒・火傷に注意!」を
ぜひご覧いただき守るようにしましょう!!
川や海での事故のニュースが続いています。
事故を防ぎ安全に暮らすために、
情報を他人事とせず、自分事としてとらえ注意しましょう🖕
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