この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

恐竜がなぜ滅んだか?その二。

2005-04-28 23:58:33 | 蘊蓄・雑学
ある日の朝、起きてみると十年間使い続けていた冷蔵庫が動かなくなっていました。
あなたはその理由はなぜだと思いますか?

『恐竜がなぜ滅んだか?その一』で自分は恐竜が滅んだのは劇的な環境の変化によってではない、と述べました。
これは何も巨大隕石の衝突による環境の変化だけでなく、例えば地球規模の火山の噴火や地殻の大変動も含みます。
理由のいかんはともかく、劇的な環境の変化によって恐竜が滅んだのであれば、それは同時に哺乳類を含むその他すべての生物もまた絶滅を免れないであろうからです。
また恐竜は六千五百万年前に突然滅んだ、といわれていますが、しかしながらこの場合の“突然”が一昼夜であるとは到底考えられません。
(一昼夜にして滅んだのであれば劇的な環境の変化があったとしか考えられないからです。)
一週間や一ヶ月といった短期間も同様です。
恐竜は六千五百万年前の前後一万年、いや、十万年といった長い時間をかけて緩慢に滅んでいったと考えるのがごく自然です。

さてそろそろ本題の“なぜ”滅んだのか?について言及しましょう。
しかしその前に冒頭の質問について答えてみてください。
冷蔵庫が動かなくなった理由、ほとんどの方はそれが冷蔵庫の寿命だったから、と考えたのではありませんか?
ではこの質問に一つ条件を加えることにします。
冷蔵庫が動かなくなった日の朝、他にも洗濯機とテレビとビデオも動かなくなっていたとしたら?
この場合、冷蔵庫が寿命だったと考える人は少なく、夜中に誰かがこっそりとそれらの電化製品に細工をした、そんなふうなことを考えた人も多いのではないでしょうか。
しかしながら冷蔵庫と洗濯機とテレビとビデオが同時に寿命を迎える可能性は決してゼロではない、ということも忘れてはいけません。
つまり、それらが同じ日の朝に動かなくなったのは然したる理由はなく、偶然だった、ということも考えられるのです。
同じことが恐竜の絶滅についてもいえないでしょうか?
いうまでもなく、すべての恐竜が六千五百年万年前に滅んだ、というわけではありません。
恐竜は約二億一千年年前にこの地球上に誕生して以来、常に“滅び”続けてきたのです。
例を挙げればアロサウルスの生息時期はジュラ紀後期ですし(ジュラ紀とはおよそ二億一千万年から一億四千年前)、ブラキオサウルスはジュラ紀後期から白亜紀前期です。
いずれにしてもそれらは六千五百万年前、つまり白亜紀の終わりに滅んだのではありません。
おそらくアロサウルス単独であれば、滅んだ理由は種としての限界、寿命であったのだろうと多くの人は考えるのだと思います。
しかし六千五百年前、最後の恐竜が滅んだ理由に関しては、人はなぜかしら特別な理由があったものと思いたがるようです。

話に聞いたところによると恐竜が滅んだ理由は現在百通り以上の説が唱えられているそうです。
しかしそれらの説はことごとく何かしら欠陥があり、恐竜がなぜ絶滅したかを説明するには不完全とのことです。
百以上もの説が適当でないというのであれば、恐竜が絶滅した理由は実は特別なものなど何もないのではないか、自分はそう考えます。
強いていうならば恐竜に限らずすべての生物は、形あるものがやがて滅び、命あるものにやがて寿命が訪れるように、種としての限界を迎えるのであるが、それが恐竜の場合たまたま六千五百万年前に集中しただけのことではないか、と思うのです。

そういえば最近ある哺乳類の出生率が極端に低下していることが問題となっているようですね。
自分にはそれがその哺乳類に種としての限界が訪れようとしている前兆に思えて仕方ありません。
コメント (7)
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