ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

読書ノート 徳田雄洋著 「震災と情報」 岩波新書

2012年10月06日 | 書評
震災で情報はどう伝えられたか、情報空白から身を守るために 第8回

4)最初の1ヶ月ーどんな説明がなされたか (1)
 4月7日午後11時宮城県沖で震度6強の大きな余震が襲った。原子力発電所の外部電源が失われる事態が発生した。青森県東通原発、六ヵ所村再処理工場、宮城県女川原発で電源が遮断された。4月11日にも福島県浜通りで震度6弱の余震が起き、福島第1原発の注水作業が中断した。3月11日から4月14日までの間で、余震発生回数は福島県沖で113回、茨城県沖で111回、長野県で91回、新潟県で88回、福島県浜通りで86回、宮城県沖で54回、岩手県沖で46回であった。3月14日アメリカのエネルギー省は33名のチームを日本に派遣し航空機による放射線測定を行い3月23日に結果を発表した。日本では3月23日に放射性物質拡散シュミレーション結果(遅いSPEEDIではあるが)をたった一枚公表した。福島第1原発事故から放水・注水による冷却が行なわれ、敷地内に大量の高濃度放射性汚染水がたまっていた。一部は海に漏れた模様であるが、低濃度汚染水タンクに高濃度汚染水を貯留するため、4月4日から10日にかけて低濃度汚染水を海に放流した。4月4日フランスの原子力安全研究所IRSNは福島原発周辺の汚染シュミレーションを行なって公表した。
(つづく)

文芸散歩 マルクス・アウレーリウス著 「自省録」 岩波文庫

2012年10月06日 | 書評
ローマの哲人皇帝 ストア哲学の教えに導かれる思索と実践の日々 第16回 最終回

第12章
*君の願いとは、全過去を打ち捨て未来を摂理にゆだね、ただ現在のみを敬虔と正義の方向へ向けることである。
*君の知性は運命に左右されものから解放されて純粋となり、何物にも縛られることなく独立独行し、正義を行い、身に起る事柄をすべて受け入れ真理を語ることが出来る。
*事柄とはそれ自体いかなるものか。その素材、原因、目的に分析してみるべきである。人生に起る事柄に驚き怪しむ者は愚かである。宿命的必然か、動かすべからざる秩序か、慈悲深き摂理か、それとも混沌か。自分の中に指導理性を持っている事を喜ぶべきである。何事もでたらめにやってはいけない、公益以外を行動の目的としてはいけない。
*我々のあらゆる行為の総計である人生は、それがしかるべき時期に終るならば、終ったことで何の害も蒙らない。それは自然であるから、我々に自由意志の外にある。
*各人に与えられた時はなんと小さな部分にすぎないことか。世界を眺めている時間が長かろうが短かろうがどちらでもかまわないと思う人、こういう人にとって死も恐るべきものではない。(壇ノ浦の合戦で平氏滅亡の様を見届け、海へ身を投げ自害した平知盛の最後の言葉「見るべきほどのものは見つ
(完)
 

筑波子 月次絶句集 「下長流」

2012年10月06日 | 漢詩・自由詩
不堪漂泊更舟行     堪えず漂泊 更に舟行

赤壁山猿一両聲     赤壁の山猿 一両の聲

黄葉蕭條秋骨痩     黄葉蕭條 秋骨痩せ
 
大江皎皎月光明     大江皎皎と 月光明なり


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(韻:八庚 七言絶句平起式  平音は○、仄音は●、韻は◎)
(平仄規則は2・4不同、2・6対、1・3・5不論、4字目孤平不許、下三連不許、同字相侵)