柴田よしき「回転木馬」読み終わりました☆
いやぁ~
なんというか。。
主人公の「下澤唯」という人は・・
本当に
スゴイ
ハンパじゃない忍耐力。
そして
精神力
だなぁって思った。
唯をそこまでさせる
夫「貴之」も
また「スゴイ人」だな
この「回転木馬」は
「観覧車」からの続き物のようなんだけど・・
それを知らなくて
先にこっちを読んでしまった。。
だけど
著者の柴田さんいわく
「観覧車」を読んでいなくても
この「回転木馬」だけでも充分伝わります。
・・ってことで
全く問題なく読めた
順番は逆になってしまったけど
これから「観覧車」を読むつもりです。
もとい!
下澤貴之が失踪して11年。
妻「唯」は夫の探偵社を引き継ぎ私立探偵になった。
夫が帰るまでちゃんと守っていようと。
冒頭のシーンは
病室の笙子と明子の会話から始まる。
笙子は癌を患い入院していた。
同室の明子とは2週間程度の短い付き合い。
身寄りのない明子。
笙子も同じような境遇だった。
明子は肝臓を患い
もう長くはない。
笙子は初期癌で手術していた。
ある日
笙子と明子の病室に
「私立探偵」の「下澤」という女がきた。
明子はその時不在で
笙子はこの探偵から写真を見せられる。
「この人を知らないか?」と。
笙子は知らい男だったのでそう答える。
探偵名刺をおいてそのまま帰っていく。
明子が戻りその旨を伝える。
明子は「知っていても教えない」といった。
そのわけは・・
明子に遺言を残した「渋川さわ子」のためだった。
渋川さわ子が明子に託したさわ子と娘の彼氏と撮った写真。
自分に万が一のことがあっても
娘と彼氏のことは黙っていてほしいと。
その彼氏は探偵の探していた男だった。
明子いわく
その彼氏の妻が探偵を使って探しているらしいと。
その後
笙子は先に退院する。
そして
明子が亡くなったことを病院から知らされる。
明子の葬儀に出席した笙子は
弁護士から笙子当てに明子から
バッグを形見分けとして渡される。
そのバッグの中には
あの時の明子から見せられた
渋川さわ子から渡されたという写真と
「探偵に知らせるかどうかを笙子に託す」
そんなことが書かれた手紙が入っていた。
実は
あの私立探偵があの男「夫」を探していた妻なのだと
その手紙で知らされる。
笙子は悩む。。
笙子自身
人の夫と不倫関係にあった過去。
そんなことも重ね合わせ。。
そして
探偵で妻「下澤唯」に
そのことを知らせることに。
笙子は探偵に訪ねる。
どうしてそこまでして夫を探すのかと。
探偵の答えは
「逢いたいんです。もう一度夫に逢いたいんです。」
その言葉が笙子の胸を打つ。
「逢いたい!」
私もあの人に。
けど
逢いたい人はもうこの世にいない。
「とことん探しなさい」と笙子はいう。
もう一度逢いたい気持ち。
ただそれだけが
唯を突き動かしていた。
夫を探して11年。
佐渡に向かうフェリー乗り場で見かけた
夫に似た後ろ姿・・
それを頼りに友人の探偵「多恵子」にも捜索を依頼していた。
笙子からの連絡で
それは「夫」だと確信する。
手がかりをつかんだ唯と多恵子が向かった先には・・
「夫」によく似た少女の存在が
夫が消えて11年!
その年齢と重なる少女☆
夫の子供・・?
そして
夫が撮った写真を展示していた
小松崎鶸矢という写真家の個展。
なぜ小松崎鶸矢は夫の写真を?
一歩一歩
夫に近づいていく唯。
ただ「逢いたい」
その思いだけが。。
そして
唯のそんな気持ちが
心に傷を持った
言美も救う。
人は傷ついた分
人の気持ちが解るようになる。
唯の
夫を信じ続け待ち続けた日々
それは無駄なんかじゃない!
そして・・
唯の
逢いたい思いは
報われるのか
ハラハラ・・ドキドキしながらページをめくる後半!!
人を思う人の気持ち
そんなことを考えさせられた作品でした
これから読む「観覧車」も楽しみです