夢うつつ♪つれづれ草子

書いて残しておきたい事が、たくさん出来ました(*^^*)
自分自身のための備忘録なんだけれど…いろいろ書きたいな♪

『Rudolf』 (2)

2012-07-24 12:29:26 | 宝塚歌劇以外の観劇つれづれ

『Rudolf』は、つまりは『うたかたの恋』な訳ですが、1888年のハプスブルク家を取り巻く政治的・社会的状況が色濃く表れた舞台になっています。
ルドルフの政治色が強くなっていて、と同時に、彼の苦悩も深いです。
最悪の事態に陥ってしまったんだ」に到るまでの過程が、『エリザベート』では15分ですが、こちらでは2時間30分かけて描かれているわけです。

彼は偽名でツェップスの新聞に自由主義についての記事を発表し、大衆の支持を得ます。
マリーがその記事に感銘を受けて、書いたのがルドルフとは知らないまま、その感動をルドルフに話すのが、ふたりが親しくなるきっかけになります。
マリーは17歳ながら、社会をきちんと見ることができる聡明な、意志のしっかりした女性として描かれています。


井上芳雄くんは、7月6日にルドルフが亡くなったのと同じ33歳になったそうです。
2000年の6月6日にデビューして12年…月日の何と早足なことか

33歳らしい、骨太さと繊細さをあわせ持つ人間味あふれるルドルフでした。

タバコ片手に苛々と動き回っている様子、あやしげな酒場で酔いつぶれている様子など、さまになっていました。
でも、相変わらず、歌は熱唱スタイルが多かったと思います。
ワイルドホーン氏の楽曲だしね


マリー役の和音美桜ちゃんとの声の相性がいいのか、ふたりのハーモニーは気持ちよく聴けました。
ふたりが、歌いながらシンクロして腕を動かすのも、ちょっと変わった動作で、マリーとルドルフとの一体感がより明確な気がしました。


和音美桜ちゃんは、『三銃士』の舞台よりも、余裕が出ていると思いました。
歌は相変わらず、耳福です。
10代のヒロインを演じるのに、ふさわしい歌い方だと思いました。


ルドルフは、マリーを愛するがゆえに、自分の危険な人生にマリーを捲き込まないためにも、かろうじて理性ぎりぎりのところで、マリーのマイヤーリンクへの同行を拒みます。

マリーはすべてを悟った上で、マイヤーリンクへ同行します。

そして、悲劇が起こるわけですが…『ルドルフ』では自殺とも他殺ともとれる描かれ方になっていて…ルドルフは暗殺を常に恐れていたという史実もあるようで…

“自分の将来に悲観したルドルフがマリーを道連れに自殺した”と一般に流布されているように解釈する事も可能ですが…

歴史的には、まだ何もなし得なかったルドルフですが、“ルドルフが生きていたら第一次世界大戦は起こらなかったかもしれない”と言われた存在の彼だったからこそ…
私はルドルフは暗殺されたのかな~と舞台を観ながら感じたのでした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする