観てきました
初日には、劇場ロビーで柴田先生と理事長サンをお見かけしました。
柴田先生はお元気そうで、何よりです
セールで復刻DVDを購入したのですが、まだ未見のまま
人間関係の予習に、さいとうちほさんの漫画『子爵ヴァルモン』を読みました
以下、ネタバレしていますのでご注意くださいませ。
心理劇として有名ですし、もちろん舞台もちゃんと心理劇だったのですが、“別れと滅びの美学”の様相が色濃く仕上がっていました。
特に、ヴァルモンとメルトゥイユ夫人は、享楽に身を任せながらも、貴族の時代の終焉を感じて、自分自身を覚めた眼でみながら、行動している気がしました。
ゆうひさん@ヴァルモン子爵
“たらし”のゆうひさんはなかなか素敵です
ただの“女たらし”ではなく、“人たらし”なのだろうな、という魅力的な人物でした。
公演チラシのあのビジュアルが動き出すと、ただの色悪?ではなく、敢えて閉じ込めてある人間味も動き出すのです。
髪の毛のウェーブの具合など、ヴァルモンの表情に合わせて、とても細かく吟味された鬘だと思いました。
それに、衣装の数がすごくたくさん
軍服系もよろしいのですがステッキ片手の散歩のシーンのグレーのお衣装が新鮮でかなり好きです
すみ花ちゃん@メルトゥイユ侯爵夫人
すみ花ちゃんの代表作が生まれたと思いました。
豪華なドレスに負けない華やかさや品格があり、すみ花ちゃん独特のセリフ廻しが、役にとても合っていたと思います。
最後にヴァルモンに向かって言った「楽しかったわ」が、このお芝居の締めくくりとして、ものすごく自然に胸にストンと落ちてきました。
すみ花ちゃんのドレスの数もすごかったです。
みっちゃん@ダンスニー男爵
純朴な22歳の青年。
初日にして、迷いのない役作りをしているように感じました。
とても芝居巧者な印象です。
ゆうひさんとの掛け合いのお芝居になると、良い意味で肩の力が抜けている気がしました
えりちゃん@トゥールベル法院長夫人
大役です。
雰囲気もよく頑張っていました。
初日よりも次の回の方が、役の振り幅(貞淑な貴婦人~恋に破れるまでの感情の温度差みたいなもの)がより伝わってきたので、きっと回を重ねるにつれて、もっともっと嵌まり役になっていくのだと思います。
その他、なかなか書ききれませんが、下級生に至るまでちゃんとお芝居の本筋に絡む役があって、さすがに柴田先生の脚本だと思いました
それと『仮面のロマネスク』というタイトルが言い得て妙だと感心するばかりです。
初演は阪神淡路大震災後の97年、再演は東日本大震災後の今年。
メルトゥイユ夫人の「楽しかったわ」は過去への懐古だけではなく、新しい一歩を踏み出そうとする、登場人物たち、さらには私たちへのエールとも受け取れたのでした‥‥