『Oedipe-Roi(オイディプス王)』と 『Romeo et Juliette(ロミオとジュリエット)』のコクトー翻案による本。
「オイディプス王」は、ギリシャの三大悲劇詩人・ソポクレスによって書かれた悲劇。
そしてあまりにも有名な「ロミオとジュリエット」はシェイクスピアが1595年頃に書いた恋愛悲劇である。
1928年 フランス プロン社発行 限定4400部の1400番台
「オイディプス王」
オイディプスはテーバイに向かう途中スフィンクスに謎をかけられ、
それを見事に解いて市民から喝采を受け、テーバイ王となるが
市は飢饉や疫病が蔓延していた。
この災いの原因を予言者にたずねると、先王(父)を殺したのは自分であり、
母を娶って王になった事実を知る。
母イオカステーは明るみになった真実に耐えられず自害。
オイディプスも罪の深さに苦しみ両目をつぶしてテーバイから放浪の旅に出る。
「ロミオとジュリエット」
14世紀のイタリア・ヴェローナ。モンタギュー家とキャピュレット家は
永年にわたって反目しあっている名家であった。
両家のふたりは運命的な出会いをし、たちまち恋に落ちる。
神父のはからいで密かに結婚式を挙げるが、その直後、抗争で親友マキューシオを殺される事件が起こり、
ロミオは復讐のためティボルトを殺してしまう。
ジュリエットは神父に救いを求め、仮死の薬を使った策を用いるがこの計画がロミオにうまく伝わらず、
ジュリエットが死んだと聞いたロミオは修道院に横たわる彼女のそばで毒を仰いで死んでしまう。
目覚めたジュリエットは真実を知り短剣でロミオの後を追う。
ジャン・コクトーによって「ロミオとジュリエット」は1924年シガール座で、
「オイディプス王」は1937年にアントワーヌ座で舞台化されている。
又、映画「オルフェの遺言」にはオイディプスが放浪の旅に出る場面があり、王の役をジャン・マレーが演じた。