日々遊行

天と地の間のどこかで美と感じたもの、記憶に残したいものを書いています

欲望という名の電車

2008-11-17 | アート・文化

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        “欲望”という名の電車に乗って、

          “墓場”と書いたのに乗り換えて、

  六つ目の角で降りるように教わってきたんですけど。

         “極楽”というところで。           

            
                                      
テネシー・ウィリアムズ「欲望という名の電車



白人、黒人、メキシコ人などが入り混じる場末の一角に住む妹を、
主人公ブランチが場違いな装いで訪ねてくる。
妹を訪ねたのは癒えることのない傷を埋めるためだった。

上品な物腰ながらも、繊細すぎるブランチの行動はつかみどころがなく、
妹の夫、粗野なスタンリーは苛立ち、ふたりは激しく対立するようになる。
彼女の真実の声を聞くことができない周囲の誤解。

スタンリーが暴き出したブランチの暗い過去と、屈辱的な暴力行為に追い詰められ
傷ついたブランチは、やっと見い出せたかすかな愛さえも偏見のために失ってしまう。
精神病院に送られたブランチが医師に言うことばは、痛切であり、象徴的でもある。

             どなたかは存じませんが

         あたしはいつも見ず知らずのかたのご親切を

             頼りに生きてまいりましたの