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日々遊行

天と地の間のどこかで美と感じたもの、記憶に残したいものを書いています

ローズメリアのコサージュ

2011-09-19 | Flower

Rosemeria 
何本かの薔薇が開ききってしまったので、そのまま枯れてしまうのが惜しく、
ローズメリアのコサージュを作った。
ローズメリアとはコサージュやブーケを作る際、はなびらを足して大きな一輪にする手法のこと。

   「はじめよりバラは、その名とともにあり、されど残るはその名のみ」

                ウンベルト・フーコ 「薔薇の名前」 より

使用した花材◆薔薇5種、アイビー


ブルーベリーとブラックベリー

2011-08-30 | Flower

Berry
ブルーベリーの枝とブラックベリーの実。
花を入れずにグリーンと組み合わせてみる。

緑はいつでも目と心に優しく不動のもの。

ブルーベリーの実は人間だけに限らず鳥も食す。
ベランダで育てた我が家の実を鳥がいつの間にか全部食べてしまった。
まだ熟す前の硬い実だったが、味はベリーグッドだったろうか。
鳥が飛んで来たうれしさ。
鳥が食べてくれたうれしさ。

使用した花材
ブルーベリー、ブラックベリー、ユーカリ2種、ギボウシの葉、レモンリーフ


カサブランカのブーケ

2011-07-22 | Flower

Bouqet 
写真のブーケは、花嫁さんがカサブランカを希望だったので
開いている10輪にかすみ草を間に入れ、
すそに黄色のグロリオーサを配したキャスケード型のブーケ。

このブーケは15年くらい前のものだが
この頃は縦に流れのある形が流行っていた。
何人もの新婦さんにブーケ作りを頼まれて
この頃はよくブーケを作っていた。

自分の経験では結婚式に出席をして
なおブーケも作らなければならない時が
時間に追われて大変で、
挙式のあいだ花が気になってしかたがなかった記憶がある。



ハニーサックル(オレンジ)

2011-06-06 | Flower



初夏になると小さいながら鮮やかな色で咲くハニーサックルは甘い香りがただよい、
この名前も花の蜜を蜂が好むことから由来する。
つる性なので自在に枝分かれしながら伸びるのでイギリスなどでは生垣によく見られるという。
光と水をたっぷり吸い込んで多くの花をたわわに咲かせるハニーサックルは
女性を飾るアクセサリーのようだ。


薔薇 シャルル・ドゴール

2011-05-28 | Flower

Sharururose 
柔らかい紫のしとねに眠るのは誰ですか

それは青の胎児・青空の色にひらく夢を見ながら

静かなほほえみを浮かべている


眠れ神秘な青の子供・充分な眠りの後に

もし誰かが優しく扉を叩き声をかけたら

そうその時にだけ開きなさい青の翼を              中井英夫「薔薇幻視」より



「シャルル・ドゴール」は1955年(昭和30年)フランスのメイアンによって発表された。
紫の濃淡があでやかな薔薇だが、その当時は「青いバラ」として登場した。

薔薇生育家が憧れた青という色彩の薔薇の実現は、失敗を繰り返し、
それでもなお青に近づこうと果てのない色素研究の積み重ねであった。
現在は某企業が青い薔薇をついに作りだしたが、薔薇が地面からどんな色でもたやすく咲くとしたら
それはとてもさびしいことである。

シャルル・ドゴールの誕生は、絶賛されながらも青になり得なかった宿命を持った薔薇だったが、
このかぐわしい香りと豊かさ、気品ある姿は一級品であり、見る者を夢想へと誘う。
幻を求めてやまなかった人々の憧れを秘めて。


サラセニアの魔力

2011-05-13 | Flower

1sarasenia 

サラセニアを手にしたら赤い花びらが散ってしまった。
だが花びらを失ったサラセニアは、まるでひとでかパラソルのような奇怪な形を現した。
(写真の右中央)

すでに生ける気持ちはサラセニアに合わせて。
バラバラと落ちた雄しべからは粘着液が石につく。
かまわず花と葉を足していった。
メキシコに咲く食虫植物は時に人を狼狽させる。





このサラセニアの正式名称は
「サラセニア プルプレア ベノサ バーキー 」
右の写真が本来の花のすがた。生徒さんから借りて撮影した。
明るくなると「きれいな花」になってしまう気がするが、
大胆な形にやはり野性的な魔の魅力で迫ってくる。
熱くて暗い花、太古の化石のような。


他に使用した花◆クレマチス、クリスマスローズ、ギボウシ、利久草


ビロードのようなダスティミラー

2011-05-05 | Flower



茎も白く葉が銀白色のダスティミラー。
葉はその形と陰影の美しさにあり、ビロードのような手触りは
グリーンの葉とは別のあたたかさを感じる。 

それなのにどこかクール。
色彩を忘れたように生けてみる。

花言葉◆薄れゆく愛、あなたを支える
他に使用した花◆シルバーレース、クレマチス、アンスリューム、ぜんまい


さくら

2011-04-14 | Flower

Sakura2011
去年と同じように今年も桜が咲いた。

でも日本は去年とまるで違ってしまった。

青空の下、桜は優しげに色をなし、風景を変える。

花が咲けばうれしい。

どんな時にもこうして咲く桜。だまってそこに在るだけでいい。

「桜の花よ、やすらかに鎮まって、木にとどまっていてくれ」
古くから神社や寺で行われる鎮花祭(はなしずめまつり)ではこう祈るのだという。
ゆっくり桜を見ることが出来ない私に友人が送ってくれた画像。


4月8日は花祭り

2011-04-08 | Flower

4月8日の今日はお釈迦様が生まれた日として、お寺では花御堂に誕生仏を安置し、甘茶をかけてこの日を祝う。

Kagurazakahanamaturi
花で飾られた御堂。

釈迦が誕生した時、飛来した竜が甘茶を注ぎ
体を清めると釈迦は立ち上がり、七歩進んで右手で天を指し、左手で地を指して
 「天上天下唯我独尊」
と言った姿がこの誕生仏である。

甘茶は無病息災の効果があるとされている。この日は参拝者にも甘茶が振舞われる。

「天上天下唯我独尊」
(てんじょうてんげゆいがどくそん)は、この世に自分ほど尊い者はない。
ひとつの命をいただいた人間ひとりひとりの命は尊い、という意味を持つ。
そして誰もが息災であること。
この年、痛感するように味わった釈迦の言葉、甘茶の味、2011年の花祭り。


土から生けるもの

2011-03-19 | Flower

Nioizuisen 

小さな花だが部屋を香りで満たしてくれる水仙。
庭から切ったのだけれど、と一束届いた。
土の中で球根からこのような花に成長し香りを放つ不思議を思う。
こうして季節に従って確かなものを生んでくれる大地。
雪に深く覆われていても溶けていけばその下には必ず大地があり
次の成長に備えている。


三色すみれ(パンジー)

2011-03-04 | Flower

Pansy

胡蝶花。三色すみれを別名でこう呼ぶ。
ひらひらと飛ぶ蝶に見えることからイメージされた
呼び名である。
だれがこの名をつけたのか‥。
花と対話をして生まれた音楽のような名称である。

寒い冬のさなか、時には雪が降り、北風は吹くけれど春が来れば確実に土は暖まる。
冬の試練を忘れたように、虫が羽音をたてる下で
三色すみれも明るく咲き乱れる。

長く見てきたせいか懐かしい花なのに永遠の少女のような可憐さで魅了する。


ラナンキュラスな時間

2011-02-11 | Flower

3ranan

春を満たして咲くラナンキュラス。
可憐な表情は
成長をねがう熱い手に守られて育った。
たっぷりのはなびら
たっぷりの重み
言いたいことがある、とばかりに
可憐な顔がせまってくる
生け手にとって、てごわい花ラナンキュラス

 

 
 

   今日は久しぶりに雪が降った。
   音を吸い込んで静けさを残して降る雪。
   追いかけて降る小雨に
   シャリシャリと頼りなげに雪が消えていく。

使用した花
三色のラナンキュラス、ダイヤモンドリリー、白妙草、カーネーション、チューリップの葉

 

 

 


集めた落ち葉

2010-12-13 | Flower

Otibadearrenge
よく晴れた日に落ち葉を集めに公園へ行った。

楓と銀杏が風に舞って散ってくる。

このように葉が風に舞う状態を「色葉散る」とも

「色ながら散る」ともいうのだそうだ。

季節が変われば葉裏の昆虫たちも葉と同じ色に

なっていく。

自然界は季節に忠実だ。

公園で集めた葉はプラタナスや楓、桜の葉など。


イタリアンベリー

2010-12-07 | Flower

Italianberry


実物が豊富な時期になった。イタリアンベリーは前と両サイドに下がった赤い実。

「Smilaxberry スマイラックスベリー」が正式名で、名のとおりイタリアからの輸入花材。
葉は小さなハート型で肉厚。軽いので扱いやすく、持ちも良くきれいな変化をつけられる人気者。

 


他に使用した花材
シンビジューム、ビバーナム、ユーカリ、アイビー、孔雀ヒバ