チューベローズの香りと
ネックレスのようなシンフォリカルポスの連なり
左の写真のピンクのチューべローズは香りがあたりに満ちて部屋をめぐる。
白が原種だが薄いピンクはブローチのようだ。「月下香」「夜の恋人」などの別名がある。
香水の原料には欠かせず、南フランスのグラース近郊は8月から9月にかけて、この花の香りにむせかえるという。
そして右写真の濃いピンクのシンフォリカルポスは粒がひとかたまりで連なった枝物。
実の付きかたが紫式部の実と似ているが実は確かにシンフォリカルポス。
新品種は未知へのイメージに導いてくれる。
使用した花材
チューベローズ、シンフォリカルポス、鶏頭、カーネーション、木イチゴの葉、フロリバンダ、ミモザの茎
良い香りが漂う白のジャーマンアイリス。
縁がうねる華麗な花びらは、まるでレースか羽根のようだ。
このジャーマンアイリスは別名ドイツアヤメ(独逸菖蒲)ともいうが
アイリスを数種類交配させて誕生した品種である。
アイリスはギリシャ神話の「虹の精」で
ゼウスとその妻へーラーの使者であり、
七色の衣をまとい天空に弓形の橋をかけて渡ったといわれる。
アイリスには様々な色があるが、
その色彩をイギリスの園芸史家P・コーツは次のように詩的な表現を残している。
「晴朗な空色、雷の来そうな紫、日の出前の淡黄色、暮れなずむ桃色など
空の色はほとんど現代アイリスの花びらに映されている。真紅がないだけである」
球根から咲かせたので、と2本頂いたこのジャーマンアイリスの白さと香りは
気高くもあり、また複雑な形状が花の美しさを際立たせている。
1本から5~6輪咲くが、いっぺんに咲かず1輪ずつ開花していく。