白とグリーンのまだら模様のシレンテはラナンキュラスの仲間だが
小さな花びらが沢山重なり合った大輪咲き。(右側の花)
グリーンを組み合わせて。
使用した花材
シレンテ、チューリップ(スーパーパロット)、スイートピー、コルダータ、
フェイジョア、スキミア、青文字。
カトレアは中心にリップと呼ばれる部分があり
外側のはなびらと違う色が多いが、全体が同じ色のカトレアも
数多く出回っている。
目が覚めるようなオレンジが鮮やかな小ぶりのカトレア。
グリーンや臙脂色をわきに添えて。
使用した花材
カトレア、パフィオ、オンシジューム、スイートピー、レモンリーフ、岩南天、ケール
晴れた日のピンクと、曇りの日の白いサルスベリ。
夏になると梢を揺らして咲くサルスベリ。
色もきれいで、ちぢれた花びらが気に入っていた幼い頃、
庭にあったこのサルスベリに登りたい衝動にかられ
いつも木を見上げていた。
しかしツルツルした木肌は子供の足を拒否するように滑らかだった。
そして私が登れるようになる前に
我が家は引っ越し、私の目標は達しないままに終わった。
夏になるといつも感じる懐かしく、ほろ苦いサルスベリ。
曇り空の下、今を盛りに咲いていた紫陽花。
付近の家々が手入れをしているのか、
遊歩道の両側に多くの種類がたわわに咲いていた。
シーボルトが紫陽花に彼の妻「お滝さん」の名前をつけたことは有名だが
数ある花の中でも、シーボルトはとりわけこの紫陽花に魅せられた。
梅雨空の下で咲く菖蒲の涼しげな風景を見に
葛飾区の「堀切菖蒲園」へ出かけた。
初夏が花の姿に変わったような菖蒲は
雨に濡れても風にゆれても錦のような風景を見せてくれる。
八重咲きの「宇宙(あおぞら)」
たおやかな女性を思わせる「深窓佳人」
「万里の響」
「鳴海絞」
「北斎」
「五湖の遊」
はなびらの縁がフリルのような「黒雲」
安達吟光が描いた明治22年の堀切菖蒲園。
中央に大きく描かれた菖蒲「雲竜」は実在していた品種だという。
横浜の「アメリカ山 (公園)」と
「港の見える丘公園」へ5月の薔薇を見にでかけた。
丹念に手入れされた薔薇が初夏の陽ざしと風を受けて咲いていた。
寺山修司は15歳の時、真紅のバラを見てその赤さに惹かれ、夜になってそのバラを切って
夜が明けるまで鍋で煮詰めた。
出来上がったそのあまりにも鮮やかな赤い汁を小さな瓶に注ぎ母のところへ持って行った。
「とてもいい口紅だよ。聖グレゴワールの香水入りなんだって」
「バラ殺し」より
薔薇の赤が鮮明に浮かぶ寺山の文。
真紅の薔薇にひそむ魔のイメージと重なる色。
研ぎ澄まされた寺山が15歳の時に体験したバラの話は美しくもあり
残酷な少年の胸のうちをかいま見る文でもある。
はなびらが赤と白の品種「ラブ」
風になびく草のそばにあった薔薇
ゴールデンウイークの5月4日。
藤が最もうつくしい時期に1度は見たかったあしかがフラワーパーク。
富田駅から徒歩13分ほどでフラワーパークに到着。
紫の藤。
高貴な色にして香り高い藤の花は平安貴族に好まれ
藤見の宴がさかんに行われていた。
風に揺れる房は幽妖な姿を見せる。
むらさきの雲とぞ見ゆる藤の花
いかなる宿のしるしなるらん 藤原公任「拾遺和歌集」
白藤を見上げれば青空が。天国への入り口のような夢幻郷。
白藤の下に咲く黄色の花はハナビシソウ。
うす紅色の藤。淡い色が春にとけるように訪れる人を包んでいた。
フラワーパークは起伏に富んだ造園で池にスイレンが浮かび
ツツジや石楠花、ルピナス、クレマチス、バラなど多くの花を咲かせている。
八重藤。
量感ある房はぶどう棚のようにも見え良い香りを放つ。
栃木県の天然記念物に指定されている藤で、
この木は見事によみがえり
いま私たちが目にすることが出来るドラマを秘めている藤でもある。
1996年に移動されたこの八重の藤は幹にギブスを巻いて移植したという。
園長である塚本こなみさんの
藤のいのちを大切に思う懸命な努力によってあしかがフラワーパークは
CNNにも選出される屈指の庭園となった。
根津神社は今から1900年前、日本武尊(やまとたけるのみこと)よって
創建された由緒ある神社。
想像も出来ないほどの大昔のことである。
そして長い時を経たのち、宝永2年(1705)徳川5代将軍綱吉が
「天下普請」とよばれる大造営を行った。
下の写真「拝殿」を見上げると「卍」のマークが。
明治維新によって神仏分離政策が布かれが、
それまで根津神社は仏教と深い関わりがあったため、それまでの習合の名残りといえるだろう。
現在は卍が神紋となっている。
そして都内でも有数を誇る根津神社のつつじ園。
100種におよぶつつじが約3000株植えられている。
つつじ園はここに甲府の宰相・徳川綱重の下屋敷があり
綱重がつつじを植えたことに始まる。
350年の歴史を持つ美しき春の彩り。
一本の木から白とピンクが混じる「常夏」
小ぶりでかわいい朝焼けの色「ヒノデノクモ」
くるめつつじの仲間で鮮やかな「朱雀」
名前を調べたがどうしてもわからなかった淡いサーモンピンクのつつじ。
八重咲きの姿が薔薇のような「千恵オオムラサキ」
青紫の細いはなびらは「ハナグルマ」
どの株も丸く刈り込まれ手毬のような愛らしさ。
感動せずにはいられない黄色が新鮮な「キレンゲ」
そして優雅なオレンジ色の「カバレンゲ」
つつじと思えない洋風の白い品種「ギンノザイ」
桜が終ればいっせいに咲き出すつつじ。
枝には香りがあり種類の豊富さは私たちの目を楽しませてくれる。
尽きぬ魅力を秘めている花でもある。
爛漫と咲く桜が今年も日本をピンクに染める。
つかの間のこの風景を胸にとどめようと私も桜の下へと誘われた。
港区のお寺にて。枝垂れ桜を下から見上げて。
花は小さく白に近い。まるで雪が花になったような。
立ち去り難い場所だった。
目黒区のサレジオ教会付近。
このあたりは桜が多く、付近の人が通るだけの静かなエリア。
見事に咲く桜の木々が私を呑み込むようだった。
東横線・都立大学の桜並木でライトアップされた桜がガラスに映り込んでいた。
偶然が絵のように幻想的な風景を生み出す。
新しい花、5日前の葉、そして3週間前の葉に、2か月前からあったベージュのゲットーの実。
時間は違えど一緒に合わせて器で対話。
使用した花材
カラー、ダイヤモンドリリー、レッドブルー、スキミア、ゲットーの実、タニワタリ、
ヒペリカムの葉(紅葉)、ゲーラックス、ロータスブリムストン
葉がフリルのようにうねり、まわりにピコットを思わせる白い縁があるアカリファ・ホフマニー。
ひと塊になった葉はねじれたように見える不思議な形。
成長は早く光が必要。水が足らないと葉がすぐにしおれるので土が乾いたら水はたっぷりと。
葉がうねるのは葉脈の中心が外側にそれるためで、白い小さな花を咲かせる。
優しくうねる葉。まるで帽子の飾りのようにエレガントだ。