Silver linings

カリフォルニアで子育てとか仕事とか。

レッジョエミリアに触れる

2010-03-15 16:30:59 | エクスプロラトリアム
エクスプロラトリアムでレッジョエミリアの幼児教育実践に出会うとは思っていなかった。でもカレンが研修で紹介していたので思わず「わー!」と反応。これも、それも、ぜんぶ日本で読んだよ!いくつかは日本語で、いくつかは英語で。

レッジョエミリア研究はハーバード大学のプロジェクトゼロチームが長年行っていることは知っていたものの、西海岸の、しかもこんな身近に興味を持っている仲間がいたということは驚きでした。日本にいた頃に教えてもらったいろいろな本やエピソードは、今では遠い記憶の彼方に消えそうだったけれど、ここで鮮やかにフラッシュバック。


こども達の創造性に限りがないこと。それを「本当に」信じているかどうか、がとても大切だということ。モノとの対話、場所や空間との対話、仲間との対話。5歳以下のこども達がひとつのプロジェクト(やトピック)について、飽きがくるまで何ヶ月も持続して取り組めること。はたしてこども達にとって「理解」とはなにか、どこに成立するのか。それから、ドキュメンテーションが果たす役割について。カレンが話していた内容は私にとってどれもなじみのあるものでした。日本からアメリカに来たとき、ほとんどの書籍を日本に置いてきた自分を少し後悔しつつ。こうしてまた自分の興味関心ワールドがエクスプロラトリアムの仲間達とずんずんクロスしていくのを目の当たりにすると、「ぜんぶ本もってくればよかった」なんて。でも嬉しい発見は、言語が日本語から英語になるだけで、コンテンツは存在するということ。もちろん単にレッジョという切り口で切ったら興味ある人はたくさんいるのだろうけど、インフォーマルエデュケーションでコンストラクティビズムではなくコンストラクショニズムを実践し、テクノロジーやアートを用いて創造的な学びについて追求したい人達のなかで、レッジョについても精通しているという存在がうれしかった。

Hundred Languages of Children:
The Reggio Emilia Approach to Early Childhood Education





このアイテムの詳細を見る


In The Spirit Of The Studio:
Learning From The Atelier Of Reggio Emilia
(Early Childhood Education)





このアイテムの詳細を見る


これらの本のタイトルも素敵です。
他にも、
"Dialogue with Places"
"Children in Dialogue between Color and Light"
"LIGHT: Children's thoughts, images, and exploration"など、
とてもうつくしいタイトルだと思う。

最後に、久しぶりに聞いたレッジョエミリアの詩。
前も引用したけれど、カレンがBeautiful poem!と言いながら言及していたのでここでまた紹介。良い実践って、世界共通に響くんだな。

「こども達100の言葉」
冗談じゃない、100のものはここにある。(以下は英語で!)

The Hundred Language

No way. The hundred is there.

The child
is made of one hundred.
The child has
a hundred languages
a hundred hands
a hundred thoughts
a hundred ways of thinking
of playing, of speaking.

A hundred always a hundred
ways of listening
of marveling, of loving
a hundred joys
for singing and understanding
a hundred worlds
to discover
a hundred worlds
to invent
a hundred worlds
to dream.

The child has
a hundred languages
(and a hundred hundred hundred more)
but they steal ninety-nine.
The school and the culture
separate the head from the body.
They tell the child:
to think without hands
to do without head
to listen and not to speak
to understand without joy
to love and to marvel
only at Easter and at Christmas.

They tell the child:
to discover the world already there
and of the hundred
they steal ninety-nine.

They tell the child:
that work and play
reality and fantasy
science and imagination
sky and earth
reason and dream
are things
that do not belong together.

And thus they tell the child
that the hundred is not there.
The child says:
No way. The hundred is there.


もちろんレッジョエミリアの実践は、イタリアのその都市の社会と文化に深く根付いているもので、これをそのままアメリカに持ってきても成立するはずはないのだけど、それをふまえた上でアメリカの研究者、実践者達がこれをどうアレンジして取り込んでいくのかとても興味があります。

青空ランチ

2010-03-15 10:20:51 | エクスプロラトリアム

土曜日、めちゃくちゃいいお天気。朝から研修でずーっと屋内にいた私たち。
(エクスプロラトリアムのラーニングスタジオにいると、
外がどんなお天気なのかまったくわかりません)
せめてランチの時間くらいは、、、と外に出てみました。
ボストン、テキサス、ソルトレイクシティから来ているミュージアム関係者達、
しばしの日光浴を楽しむ。


どこからともなく、マイクの愛犬ルーカスもやってきて ↑
ははは、この嬉しそうな表情からお分かりの通り、
「なにか食べものは~?」と探しにきたのですね(笑)


人間の食べるものは与えないというルールのもと育てられているので、
カレンに「No!」と一言注意をされるといっさい手を出しませんでした。
ルーク、きみはかしこい犬だなぁ。

3日間にわたる濃い研修も無事に終了(私はへとへとで、しまいには熱を出しました、今日の日曜日は家でおとなしくしてます)。

今回来ていた機関は、
MIT Media Lab(おなじみ、ミッチェルの研究チーム。)
Texas Austin Children's Museum(ここは今回初めて知りました)
The Leonardo(2011年。ソルトレイクシティに新設される期待のテクノロジー&アートミュージアム)

全米のインフォーマルエデュケーション関係者に向けて、マイクの呼びかけで始まったこの試み。古くからつきあいがあり何も言わずとも分かり合える機関(例えばMITメディアラボ)と、今回初めてエクスプロラトリアムに来ていろいろ感化され学んでいく機関。3日間、朝から晩まで同じ時間を過ごし、6つの実験的ワークショップを行い、ドキュメントし、ふりかえり、分析し、また実験する。エクスプロラトリアムというフィールドでそれができるのはすばらしい経験だと思う。この3日間のうちにマイクとカレンが研修者達の胸のうちに蒔いた「種」のようなもの、これからそれぞれのメンバーが持ち帰ってどんな芽を出すことでしょう。

来週はまた違う3つの州から新しいメンバーがやってきます。

--


くんくん、なんか落ちてないかなぁ・・・