川淵三郎がたったの1日で五輪組織委員会会長から滑り落ちてしまった。正確に言えばまだ内定もしていなかった。どうも解せないのは、これだけの大事になっているのに、森喜朗が官邸に根回しもせずに勝手に後継指名したことだ。次は君がやれよ、はい、わかったでことが進むと考えたのだろうか。
それよりもさらに解せないのは、川淵が正式発表をする前に自宅前に押し寄せたマスコミに、べらべらとしゃべって森喜朗に相談役として残って欲しいなどと森院政を示唆したことである。そもそもちゃんとした手順を踏んで官邸にも事前に了承をもらっていれば、川淵だろうと誰であろうと問題なかったはずである。
この場面はどこかで見たことがある。森喜朗が総理大臣になったときだ。自民党の長老だけで密室談義して村上正邦が「森さんでいいんじゃないの」という一声で次期総理を決めたことがあった。今回もこれと同様に後継指名できると考えていたのだろう。やれやれである。
山本一郎は川淵三郎がやらかす確率を85%と予想したが、正式に就任する前にやらかしてしまった。川淵三郎は期待を裏切らなかったわけだ。これだけものの見事にやらかす爺さんもすごいと思う。