サザンプトンはレンタル終了後の買い取りオプションを希望したが、クロップがそれを拒否したとメデイアに出ている。それを日本のメデイアは南野はクロップに期待されていて、リバプールからサザンプトンに半年間の修行にいくようなものだと書かれているが、本当にそうだろうか。
クロップという監督は選手の悪口を言わない。放出する選手に対してもいいことしか言わない。人間的にすぐれた人格者なんだろう。しかしそれとチームのマネジメントは別問題である。「リバプール・エコー」に出ていたクロップのコメントでは、次のように述べている。
「タクミを期限付き移籍させる上で理にかなったクラブが多くないなかで、サウサンプトンは違った。彼に欠けている唯一のことは継続して試合に出ることであり、このクラブではそれが難しかった。私たちはタクミのポテンシャルを目にしてきた。彼は新たな思考と自信を手にして戻ってくる」。
なんだかんだ言っても、クロップにとって南野はリバプールで試合に使うにはレベルが低いということなのだ。半年間のレンタルといっても残り4か月の15試合程度で、毎試合先発できるかどうかも分からないし、たとえ継続して出場できたとしても急に南野がレベルアップするわけではない。
南野とジョッタの動きを比べると、南野は他の選手のスペースとかぶったり、余計に戻っていて欲しいスペースにいなかったり、敵のDFを引き連れて味方にスペースを作るなどができない。スキルは決して他の選手に劣らないが、ポジショニングが下手である。
ジョッタは周囲との連携がうまい。これは天性のものなのだろう。サラー、マネのようなワールドクラスの選手ではないが、ポジショニングのうまさでゴールできるタイプの選手である。こういう選手をクロップは欲しいのだろう。
仮に南野がサザンプトンで成功できるのであれば、下手にリバプールに戻らずにそのままサザンプトンにいるほうがいい。レアルマドリードに戻り苦戦してアーセナルに移籍したウーデゴールの二の舞はご免だろう。