サッカールーの何でもござれ パート2

シドニー在住者のサッカーについてのざれごとです。

You are not beautiful

2021-02-10 09:10:58 | 日記

マジョリティにいれば誰でも安心するし、マイノリティは差別される。だからマイノリティは固まって住んで行動するようになる。シドニーでは中国人もインド人も特定の地域に密集して固まって住む傾向がある。たとえば中国人が多い公立の小学校では生徒の90%が中国人で、インド人の多い地域の小学校では90%がインド人になる。みんな差別されたくないからだ。

 

筆者の知り合いの娘(A子と呼ぶ)は日本人とタイ人のハーフでインド人の多い小学校の5年生である。インド人の親友(B子)がいたが、B子の親はいいハイスクールにB子を行かせたいために、5年生ながら私立の有名校に転入させた。こちらのハイスクールは中高一貫の6年生で、ハイスクールは公立の一部を除けば入学試験はない。

 

公立のハイスクールでは地域差があり、貧乏人の多い地域ではレベルが低く不良が多くなる。これはどこの国でも同じだろう。このためB子の親は有名私立に5年生からいれて、そのままハイスクールに持ちあがりで行かせるのがいいと判断した。私立は授業料は高い。5年生でも年間150万円はかかる。このため金持ちの子女しか集まらない。

 

私立の特徴は白人が極端に多いことだ。アジア人、インド人の優秀な子女は入学試験のある公立校に入れる。そういう公立校は極端にレベルの高い進学校となり、生徒の99%はアジア人だけになる。レベルは高いが移民だけの学校になる。白人はこれを嫌い、金持ちは子供を私立に行かせる。

 

さてB子は新学期早々にいじめにあった。こちらでは1月末が新学期である。白人のクラスメートから「Your skin's colour is different, you are not beautiful」と言われて大ショックを受けた。子供は分別がないので罪の意識もなく直接的に表現、行動するが、5年生にもなればそこそこ分別が付くはずだが、さすがにこれはひどい。親の教育の仕方がよく分かる。他人の気持ちを慮るというしつけをされていない。

 

わずか2週間の間にB子はいじめを受け続けて、最後にはストレスで救急車で病院に搬送された。事態を悟ったB子の親は、元にいた公立校に転校させた。日本のいじめと違い、人種差別でいじめを受けたB子が不憫でならない、小学校5年生の幼い女の子である。

 

B子が今後オーストラリアで生きていけば、どこかしかで差別を受ける。これは仕方がないことで、もっと逞しくなっていかねばならない。しかし5年生の娘をわざわざいじめにさらした親の責任でもあると思う。オーストラリアはまだまだ人種差別の残る国なのである。