最近私は、知的財産に関することに関心をもち、毎週講座などを受けているのですが、今日の「野ブタ。をプロデュース」では、発明品とその知的所有権、それから、どのように売り込むかという戦略について考えさせられ、非常に面白かったです。
このドラマの本筋とは外れますが、そこに焦点をあてて書いてみます。
まず、ドラマですが、
何気なく彰(山下智久)が作った野ブタのマスコットがかわいくて、それを修二が持ち歩いていると、それを見た他の女の子が欲しがり、人気が出たために、3人はそれをたくさん作って売ろうと考え出す。そして、それは爆発的に売れる。
ところが、そのうち模造品が出回り、そちらのほうが安いために本物が売れなくなってしまう。
ということが起きます。
このようなことは、現実社会にもよく起こっていることですね。実社会では、オリジナル商品を売り出す場合は、その発明品の形やデザインの意匠登録、「野ブタ」などの名前があれば商標登録をして、自分の所有権をはっきりさせておく必要があるでしょう。そうしておけば、それを侵害された場合は、訴えることができ、損害賠償も請求できるということになります。
しかし、小さい企業や商店が商標登録などする場合、そのための経費が非常にかかるので、ついついそれをしないということがあります。そうすると、後で真似をしたほうが先に登録してしまったりすると所有権はそっちのものになってしまって、本当の発明者が逆に販売停止にされたりしてしまうことになります。
ドラマでは、偽造品と同じデザインをあきらめ、今度は別の新しいデザインを考えればいいのだということになり、新商品を発明し、いきなりこれを売り出します。しかし、誰も買おうとはしない。すでに飽きてしまっているのでした。
こんなことも現実社会にもよくあるようです。零細企業や個人は商標登録や意匠登録をするのに費用がかかるために登録しないで、人から真似をされてしまう。その場合は、新しいものを考えればいいんだと泣き寝入りしてしまうことも多いようです。また、自分の発明を登録してあったとしても、それが他者とぶつかった場合、どちらが本物か、どちらに権利があるかの係争になったときに、くりかえし行なわれる裁判費用をかけ続けることができないため、結局はあきらめて、権利を他者のものにさせてしまうことも多いようです。
ところで、発明品(オリジナル商品)を売り出すには、やはり方法があるようです。ただ、いきなり店に並べれば買っていくというものではないようです。
例えば、何かの景品にするなどという方法もよくとられるようです。まずは、無料で配布されるような方法をとる。保険会社の加入者にプレゼントするとか、預金した人に渡すとか、何かの会員に限って上げたりすることが多いようです。ある高価な品物を買った人にその商品に関連付随する安価な新発明品をつけてさしあげるということもあるでしょう。
そうすると、それらを使っている人や置いている所の様子を人々が見て、関心をもち、その後、購入したいと思ったりし、そのタイミングに合わせて、店頭に売り出すと、爆発的に売れることになる。
テレビドラマで、最初の野ブタのマスコットが成功したのはそれと同じですね。
そして、二つ目の商品が意図に反して売れなかった場合、やはりさっさとあきらめるのも次への道であり、信子の判断は適切と言えます。
テレビドラマの中で、もうひとつの面白かった現象は、教師が誰も読み手のない自分の文集を段ボール箱に大切にしまってあったことですが、これを捨てたことによって人の目に触れて人気が出たということです。
知的財産は隠し持っていても意味がないのですね。誰かがそれを発見し、その価値が判る人に活用されることによって、世のなかに出まわるようになり、多くの人の役に立つものです。誰かがたのしそうに読んでいるのを見て、他の人も読んでみると面白いということで、多くの人に活用されるようになります。
そして、その後、公園の土の中に埋められていた宝箱の中に野ブタの最初のマスコットが入っているのを信子は発見しました。ひと時の人気も落ちて、人に偽造もされて、自分たちには何も残らなかったかのように思えたマスコットですが、信子は「誰かの宝物になったんだからそれでいい」という結論をだします。
そうです。発明にはそのような考えかたもあります。何もかも自分だけの知的所有権を主張して、儲けようとするのではなく、無料で発明を世の中に提供するということも、発明者の判断です。儲けがあったとか誰の権利だとかいうことではなく、ある人によってそのものが発明され、世の中の人のためになったというその事実は、変わりようがありません。
発明者にとっては、自分の発明品を宝物にしたり、自分の著作物を愛読してくれる人が世のなかにいることが一番の幸せです。
そして、最後に彰が「野ブタ(信子)をプロデュースすることがいやになった」と言っていました。人の人気者にするのではなく、自分のものにしたいと言い出したのです。これこそが、本当の価値を見出したことです。自分が買いたくもないものを人に売ろうとしたところで、売れるはずがないのです。ある人が自分のものにしたいと思うものこそ、人もそのように思うものでしょう。
本当に良くできているドラマだなあと思いました。
このドラマの本筋とは外れますが、そこに焦点をあてて書いてみます。
まず、ドラマですが、
何気なく彰(山下智久)が作った野ブタのマスコットがかわいくて、それを修二が持ち歩いていると、それを見た他の女の子が欲しがり、人気が出たために、3人はそれをたくさん作って売ろうと考え出す。そして、それは爆発的に売れる。
ところが、そのうち模造品が出回り、そちらのほうが安いために本物が売れなくなってしまう。
ということが起きます。
このようなことは、現実社会にもよく起こっていることですね。実社会では、オリジナル商品を売り出す場合は、その発明品の形やデザインの意匠登録、「野ブタ」などの名前があれば商標登録をして、自分の所有権をはっきりさせておく必要があるでしょう。そうしておけば、それを侵害された場合は、訴えることができ、損害賠償も請求できるということになります。
しかし、小さい企業や商店が商標登録などする場合、そのための経費が非常にかかるので、ついついそれをしないということがあります。そうすると、後で真似をしたほうが先に登録してしまったりすると所有権はそっちのものになってしまって、本当の発明者が逆に販売停止にされたりしてしまうことになります。
ドラマでは、偽造品と同じデザインをあきらめ、今度は別の新しいデザインを考えればいいのだということになり、新商品を発明し、いきなりこれを売り出します。しかし、誰も買おうとはしない。すでに飽きてしまっているのでした。
こんなことも現実社会にもよくあるようです。零細企業や個人は商標登録や意匠登録をするのに費用がかかるために登録しないで、人から真似をされてしまう。その場合は、新しいものを考えればいいんだと泣き寝入りしてしまうことも多いようです。また、自分の発明を登録してあったとしても、それが他者とぶつかった場合、どちらが本物か、どちらに権利があるかの係争になったときに、くりかえし行なわれる裁判費用をかけ続けることができないため、結局はあきらめて、権利を他者のものにさせてしまうことも多いようです。
ところで、発明品(オリジナル商品)を売り出すには、やはり方法があるようです。ただ、いきなり店に並べれば買っていくというものではないようです。
例えば、何かの景品にするなどという方法もよくとられるようです。まずは、無料で配布されるような方法をとる。保険会社の加入者にプレゼントするとか、預金した人に渡すとか、何かの会員に限って上げたりすることが多いようです。ある高価な品物を買った人にその商品に関連付随する安価な新発明品をつけてさしあげるということもあるでしょう。
そうすると、それらを使っている人や置いている所の様子を人々が見て、関心をもち、その後、購入したいと思ったりし、そのタイミングに合わせて、店頭に売り出すと、爆発的に売れることになる。
テレビドラマで、最初の野ブタのマスコットが成功したのはそれと同じですね。
そして、二つ目の商品が意図に反して売れなかった場合、やはりさっさとあきらめるのも次への道であり、信子の判断は適切と言えます。
テレビドラマの中で、もうひとつの面白かった現象は、教師が誰も読み手のない自分の文集を段ボール箱に大切にしまってあったことですが、これを捨てたことによって人の目に触れて人気が出たということです。
知的財産は隠し持っていても意味がないのですね。誰かがそれを発見し、その価値が判る人に活用されることによって、世のなかに出まわるようになり、多くの人の役に立つものです。誰かがたのしそうに読んでいるのを見て、他の人も読んでみると面白いということで、多くの人に活用されるようになります。
そして、その後、公園の土の中に埋められていた宝箱の中に野ブタの最初のマスコットが入っているのを信子は発見しました。ひと時の人気も落ちて、人に偽造もされて、自分たちには何も残らなかったかのように思えたマスコットですが、信子は「誰かの宝物になったんだからそれでいい」という結論をだします。
そうです。発明にはそのような考えかたもあります。何もかも自分だけの知的所有権を主張して、儲けようとするのではなく、無料で発明を世の中に提供するということも、発明者の判断です。儲けがあったとか誰の権利だとかいうことではなく、ある人によってそのものが発明され、世の中の人のためになったというその事実は、変わりようがありません。
発明者にとっては、自分の発明品を宝物にしたり、自分の著作物を愛読してくれる人が世のなかにいることが一番の幸せです。
そして、最後に彰が「野ブタ(信子)をプロデュースすることがいやになった」と言っていました。人の人気者にするのではなく、自分のものにしたいと言い出したのです。これこそが、本当の価値を見出したことです。自分が買いたくもないものを人に売ろうとしたところで、売れるはずがないのです。ある人が自分のものにしたいと思うものこそ、人もそのように思うものでしょう。
本当に良くできているドラマだなあと思いました。
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