山本飛鳥の“頑張れコリドラス!”

とりあえず、いろんなことにチャレンジしたいと思います。

NHK“「樹木希林」を生きる”

2018-09-27 00:25:44 | テレビドラマ・映画
今、録画してあった番組を見終わったところだ。

NHKドキュメンタリー“「樹木希林」を生きる”

最後のほうは、樹木希林さんの見たこともない姿だった。

映画は演じている。

数日前に見た、「ぴたんこカンカン」の録画でも、番組として面白おかしく演出しているものだった。

そういうものの中に、もちろん樹木希林さんの人間としての魅力や味がたくさんかもし出されていたのだが、

今日のドキュメンタリーでは、もっと真剣な、というか、まるで演じていない真の姿の希林さんが映されていた。

NHKのディレクターが、ただ1人でカメラを持って密着し撮影している。
映画撮影の場面に同行し、行き帰りの希林さん運転の車に乗せてもらい、撮影を繰り返している。
そこに、これといった切り札が発見できぬまま、時が過ぎて行く。

何を撮影したいのか?何を撮ろうとしているのか? 樹木希林さんもいらだちを見せる。
じゃあ、何を見せたらいいのか、この撮影にどう応えたらいいのか、わからない。
取材をするほうも、自分の家庭のことを相談したりとわけのわからない展開。
現実はそのようなもの。

撮り始めた側は、希林さんの命が終わりに近づいていることなど知らなかった。
かねてから、その魅力に惹かれていたので、人間像を撮りたかったのだろう。
すっと取材を申し込んでいたが、断られて続けていたものの、昨年急に受けてもらえたそうだ。

樹木希林さんは、癌が全身に再発し、残された月日が短いことを悟っていた。
そして、何カ月もの撮影が過ぎた頃、本人がこの取材者のみに診断の結果を見せるという行動に出た。

このドキュメンタリーを、どうやって手ごたえのあるものにしたらいいか、本人が考えての行動であった。
真剣な判断力というのか。

そして、段々体力が弱まり、在宅医療を受けるに至る。
娘はイギリスから時々来る程度。
樹木希林さんは、自立して毅然としている。強い人だ。

・・・・・・・・・・

ドキュメンタリーというのは、最初からどういうテーマで何を訴えようと狙いを決めて撮影するものも多いが、
何も決めずただカメラを回しているというのが、そもそものドキュメンタリーだという。

そうやって撮影したあとで、何かが見えてくるというものだ。

今回のドキュメンタリーは後者の部類である。

もしかしたら、最初は樹木希林さんの面白おかしい味のある人間像を撮ろうと思っていたのかもしれない。
でも、そうは成らなかった。
これまでの希林さんの魅力は、誰もが知っているものだっただろう。
それだったら、ぴったんこカンカンと同じで終わる。

樹木希林さんが、人生の最後に何を成し遂げようとしていたのか。
4つの映画に、浅田美代子さん主演の映画。そして、このドキュメンタリー。

意欲は有るけど、身体がついていかない、人間の終末。
そんなもどかしさのなかではあるが、、
ほぼ、成し遂げたんじゃないかなと思う。

頼りなげなディレクターだったけど、彼も成長するんだろう。





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