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「赤頭巾ちゃん気をつけて」に関連して

2012-07-01 23:48:58 | 学生時代の日記
18歳のときに読んだはずの「赤頭巾ちゃん気をつけて」の中身について、まるで記憶がないと書いていたが、今回読み直してみて、かすかに記憶のある部分があった。
一応そのことを書いておこう。
それは、薫君が足の爪をはがしたところが悪化して、急患で見てもらったときの女医さんが、白衣の下に何も着ていなくて、その隙間からきれいな形の乳房が見えたという場面で、その乳房の片方のほうがもう片方よりも大きいという部分である。
それから、もう1つは、薫君が女の子に話している部分で、アラビアでひとこぶラクダに乗った話である。どっちも、その場面の前後などはまるで覚えておらず、なんでそこだけを覚えていたのかも不思議である。
当時、庄司薫の作品を読んだ証拠としては、私の日記に「いやったらしい」という言葉が使われている文があり、これは庄司薫の口調を真似しているに違いなかった。

私は、○○君と会う約束をキャンセルされた日に、「赤頭巾ちゃん気をつけて」を図書館で借りてきて読んだわけだが、この中で、薫君は結局のところ、据え膳を食わない紳士的な男の子に終始している。そして、音楽にしろ勉強にしろ、いろいろなことに関心を持ち、同姓の友だちもたくさんいて、いわば教養のある均整のとれた人間として成長している。
私は、そこに当時友人であった○○君の姿も重ねていたと思う。

しかし、彼は、薫君とは違って、高校時代には文系の科目をすべて捨てて理系科目に絞って、私立の難関大学に現役で入学していた。噂に聞くと、受験に関係のない文系科目は赤点に近かったそうであるし、修学旅行にも行かないとか、友人ともつき合わないとかいう話だった。そんな姿は薫君とは違い、あんまり望ましいとは言えない状況であろう。
しかし、大学に入った後の○○君は、空手はやるは、ワンダーフォーゲルはやるはで、高校時代とは打って変わって様々な勉強以外の活動を始め、仲間との付き合いも盛んだった。
目標を決めたらそれに向かって着々と進む人間であり、高校時代は大学に入ることだけに目標を絞っていたのだろうが、入ってからは、たくましい肉体を作ることなどにも力を注いでいたようである。つまり、自分自身を理想の人間像に成長させていくことに関して、計画的で熱心な男子だったという印象がある。
それから、善良さにおいては、薫君とかなり似ている部分があると思った。基本的に親切であり、勉強でわからないところなどがあって質問でもすれば、必ず快く教えてくれるとか、誰かれの差別をしないで優しく接するとか、そういう持って生まれた誠実な人間像があるのだ。

だから、会う約束をキャンセルされたところで、彼に何か悪意があったりするわけではなく、友人をないがしろにして何にも思わないような人間でもないことは、私にはわかっていたに違いなかった。

まあ、当時、彼の恋人になれなかったのは私としては残念なことだったかもしれないが、そのあともしばらくぶりに再会したこともあるし、一応今現在もほとんど連絡さえ取らないけれど、中学時代からの友人ということになっている。

ただ、もう今現在は格差がありすぎて、別の世界に生きる人間となってしまっているはずである。金銭感覚なども全く違うだろうし、そういうのを実感するのは嫌なので、必要もなければ、会わない方がよさそうだ。

ところで、庄司薫氏は多才な人であると思う。小説ももっと書くことはできたはずだが、小説家にはならないで、別の道を選んだということだろう。


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