山本飛鳥の“頑張れコリドラス!”

とりあえず、いろんなことにチャレンジしたいと思います。

失言問題

2007-07-20 19:15:47 | 未分類過去
自民党の大臣がつぎつぎに失言を起こしていることが問題になっている。

まず、柳沢厚生労働相の「女性は生む機械」。これはけっして「女性は子供を産むだけの機械で、人間ではありません」などと言ったわけではない。「女性を機械にたとえると機械の数は限られているのだから~」ということだ。しかし、女を機械にたとえるなど必要もない比喩であり、「女性は産む機械だ」と思っているとも受取れる発言だったということで、不快な思いをした女性が多いのだそうだ。

次に、久間防衛相の「原爆はしょうがない」発言。けっして許されない原爆投下を容認したかのような発言ということだ。
原爆の被害は計り知れないものである。多くの人々が一瞬にして尊い命を失い、後々まで続く苦しみをもたらされた。それはあってはならなかったことであり、今後もけっしてあってはならないことである。
原爆をとどめとして日本が降伏し、やっと戦争が終わったという気持ちがどこかにあるにしても、やはり原爆を戦争終結の道具にしてはいけなかった。それにしてはあまりにも犠牲が大きすぎ罪のない庶民に地獄をもたらすものだった。
もしそれを「しょうがない」ものとしたら、今後も平和のためには原爆を使ってもしょうがない=使っても良いということになってしまう。
どんな理由があろうと、どんな凶悪な国に対してであろうと、人間に向って原爆を使ってはいけないのだから、これは絶対に言ってはならないことばである。

そして、今日の麻生外務大臣の「どっちの値段が高いかはアルツハイマーでもわかる」発言。アルツハイマーという病気の人をバカにした発言であるということだ。これも比喩として使ったというが、わざわざアルツハイマーの人を持ち出す必要などないわけだ。

これらの言葉は気分のいいものではない。確かに失言だ。言葉には充分注意しなくてはならない。

過去においては、田中真紀子が「小渕さんがお陀仏さんになった」などという失言をしたこともある。これも亡くなった方に対して不謹慎きわまりない言葉だろう。

最近では、宮崎県知事の「タミフル」発言もある。「タミフルをたらふく飲んだから異常言動が起こるかもしれない」とかいった。これもタミフルで亡くなった人がいるのだから、冗談で言うにはふさわしくないということだ。

今回の麻生さんの失言時のビデオを見ていると、その場で多くの人が声を上げて笑っているのがわかる。冗談が受けているということだ。
しかし、これが映像や音声として残るとそうはいかない。その場で消える話し言葉でありながら、活字と同じように永遠に記録され残ってしまうのだ。
だから、本当に十分な注意が必要だ。

だが、これほどまでにいろいろな政治家の失言が多いということは、人間というのは本来失言の多いものなのではなかろうかと思ってしまう。つい面白おかしくしようとか、話を盛り上げようとか思って調子付いてしまったり、心の片隅の本音の一部が出てしまったりすることもある。

もし「失言」をすべて無くすとしたら、それはその場の発言をいっさいしないことである。すべて、あらかじめよく吟味して原稿に書いて、さらにそれを第三者に見てもらって適切であるかどうかを確認してもらい、そうして用意した文章を読み上げることである。
聞かれたことも直ぐには答えず、後ほど答えると言って保留にするか、あるいは「前向きに考えます」とか「善処します」とか「遺憾です」とか「対策を考えます」などと抽象的で意味のはっきりしない無難なコメントを言うことである。
または、「え~あ~う~」などと言いながらよくよく考えながら、聞いている人が眠ってしまうくらいゆっくりと考えながら吟味して話すことである。

そうなったら、また一昔前の、何を言っているのかわからない政治家のようになってしまうのではないか。
それはもっといやなことだ。最近の政治家はやっと自分の言葉で、普通の人間らしい意味のわかる言葉を話すようになってきたと思っていたが、それがまたわけのわからないような表現になってしまったら、わかりにくいしつまらない。

少なくともそのようにはならないでもらいたい。

あんまり周囲が失言にこだわりたたきすぎると、政治家は本音をしゃべらなくなってしまうだろう。あるいは、本音をしゃべらない政治家だけが生き残ることになるかもしれない。




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