山本飛鳥の“頑張れコリドラス!”

とりあえず、いろんなことにチャレンジしたいと思います。
と思っていたけど、もうそんな年齢じゃなくなってきた。

「緑の手」(桐生典子)

2006-02-03 00:27:27 | 読書
この作家のことは、まったく知らないが、図書館で「太陽の季節」を借りるついでに、もう一冊現代小説を借りようと思って借りてきた。
棚のなかの題名にひかれて適当に選び出したのが「やわらかな針」という単行本であり、その中の最初に載っているのが「緑の手」である。

読後感を一言で言えば、「あんまり気持ちのいい小説じゃない」という感じ。
近藤比沙美という女性の目を通して従姉妹の津坂公子について描かれているものであるが、公子は植物を育てるのが好きであるとともに、自らが植物的な女であり、男を引きよせ、男を癒し、成熟ホルモンを発し、繁殖するというイメージを与える。
かんたんにいってしまえば、植物と女は似ている部分がある、あるいは女は植物にたとえられるというところであるが、女の性質や生殖機能から植物を連想するのは、妙になまなましいというか、まあ、私の趣味ではない、の一言である。
おそらく自分自身が津坂公子のようなタイプの女が嫌いだからであろう。
また、その女の脇にいるだけの比沙美という女は、まったくどうということもない女である。

本には何の解説もついていないので、評価も背景も何も判らないのであるが、この作者については、1958年生まれ、青山学院大学卒業、フリーライターを経て、作家となった、とのことである。この作品は1998年に「小説すばる」に掲載されたようだ。作者40歳のときの作品ということになろうか。中年女性の書いた作品。

作者の年齢は私よりわずかに年上であり、同世代であるといえる。
ちゃんとした大学を出て、自分の思うような分野で仕事をして、その道で生きている人なんだなと思う。
高校の同級生で、青学に進学した人というのは、英語などの勉強が良くできて、自分とは全く違うタイプの女子だった。当時はそういう人たちとはあんまり親しくしたことがなかったなあなどと、関係ないことを思ったりした。

* * * * *

日曜日に図書館で、「白夜行」と「けものみち」を探したら、全部貸し出し中でなかった。
やはり、ドラマで放送中のものは人気があるようだ。
高校生の娘の友人が「白夜行」の原作を読んだそうで、娘が分厚く字の小さい本だと言っていた。テレビドラマを見ているだけだと内容が把握できない部分があって、原作をよんでみたいなあと思う。

「博士の愛した数式」も原作を読んでから見ると良いと聞いた。書店ではすごい売れ行きだそうだ。そういうことを聞くと、あまのじゃくの私は、売上に貢献するのがいやになって、絶対に買うまいと思ってしまう。

しかし、どうせ読むなら読み応えのある小説を読みたいものである。




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