パピとママ映画のblog

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ちょっと今から仕事やめてくる★★★・5

2017年05月28日 | アクション映画ータ行
「八日目の蝉」「ソロモンの偽証」の成島出監督が、北川恵海の同名ベストセラーを映画化。ブラック企業で心身共に疲弊した新米サラリーマンが、謎めいた男との出会いを通して立ち直り、人生を見つめ直していく姿を描く。主演は「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」の福士蒼汰と「夏美のホタル」の工藤阿須加。共演に黒木華、小池栄子、吉田鋼太郎。
あらすじ:ブラック企業で働く青山隆は上司のパワハラに苦しめられ、極度の疲労から危うく駅のホームで電車にはねられそうになる。そのとき彼を救ったのは幼なじみだというヤマモトだった。しかし青山はどうしてもヤマモトのことを思い出せない。それでも、陽気なヤマモトと過ごすうちに本来の明るさを取り戻し、仕事でも成果をあげるようになる青山だったが…。

<感想>人は何のために、誰のために働くのか?・・・初めは脚本だけでもと考えていたそうで、ですが、かつて2人の親友を自殺で亡くしたという成島出監督が、「今、まさに主人公の青山のような状況に置かれている人たちを救いたい」ということで、メガホンを取ることを決意したそうです。主人公青山の“生きる”ことへのポジティヴなメッセージが込められている渾身の映画であります。

かなり題材がヘビーであり、主人公青山を演じた工藤阿須加の暗く陰気で、地味なネクタイの青山を、自然体な演技で熱演。それに、青山を勇気ずけて希望を持たせてやるヤマモトには、現在、旬の男である福士蒼汰が演じていて、それも関西弁を勉強したようで上手かったです。どちらもとても真面目に演じていた。

本当に今時の作品で、大学を卒業しても就職が決まらずに、やっとのことで就職をした会社の営業マンの青山。暴君さながらの上司には営業成績が悪いと毎朝怒鳴られ、毎日残業手当も付かないのに、遅くまで仕事をして、パワハラと長時間労働の毎日に、自分を見失っていく。

青山は、仕事で疲れ切ってアパートへ寝るだけに帰るような生活が続き、会社の帰りに疲れが出てフラフラとホームで線路に落ちそうになるところを、同級生と名乗るヤマモトに助けられる。その後、強引に居酒屋へ誘われて、悩みがあるなら聞いてやるよと、酒を呑む。
そんなことが、数日続き、営業マンならネクタイも明るくハデな方がいいと、いつも笑顔で挨拶からと教えられ、本来の明るさを取り戻していき、初めての大口契約も取れるようになるのだが。

その幼馴染のヤマモトは、派手なアロハシャツを着て、風来坊のような感じで、後を付けると働いていないのか、夕暮れになると霊園行きのバスに乗って帰っていく。バスの終点はお墓がたくさんあるところ。もしかして、ヤマモトは幽霊なのかもしれないと思ってしまう。ネットや友達に電話をして彼のことを聞いてみると、3年前に自殺していたことを知る。

それに、会社の上司の吉田鋼太郎の虐めがすごい。とにかく、毎朝、会社へ行く度に人前で罵倒されて、挙句にお前は給料泥棒なのかと怒鳴り散らして、土下座を強いる。これでは会社へ行くのが嫌になってしまう。

中には、毎月のように、営業成績トップの女子社員の黒木華が、最近ネクタイも明るくていい感じだと言ってくれ、唯一会社の中では声をかけて優しく接してくれる。ところが、実は、彼女は青山が初めて大口の契約を取ってきたのを妬み、発注書のデーターを改ざんして、青山の契約を自分のものにしてしまうという。本当は嫌な感じの女だったのだ。

実際にこんな仕打ちを受けている人は大勢いるのだろうし。心が荒んで、やる気が出てこない、会社なんて辞めてしまおうと思っている人も多いはず。だが、働かないと、衣食住に困ってしまう。未来だって、結婚なんて夢のまた夢で、このまま独身で、生きていくための最小限のお金だけ稼いでと、思う人もいるだろう。ですが、ここでヤマモトが「希望を持って」と、何度も救いの言葉を伝えます。

でも、青山には両親が田舎で農家をしており、段ボール箱に野菜とか果物をたくさん送ってくれる優しい母親がいる。森口瑤子の母親が似合っていて良かった。心が荒んでいる息子へ、電話をかけて勇気づけてくれるし、散らかし放題の部屋を綺麗に片づけて、住みよい部屋にすればと思ったのだが。
主人公の青山が、会社の屋上から飛び降り自殺を図ろうとするところへ、ヤマモトが来て、またもや助けてくれるのだ。青山を生かしてくれる、何故に、その答えが、後半の部分で明かされます。

小池栄子が扮する孤児院院長から、ヤマモトが双子であったことなど、ヤマモトの秘密を聞かされ場面のカットバックが、ちょっと説明過多な気もしたが、青山に親切にしてくれたヤマモトは、幽霊ではなかったってことと、実は、バヌアツという南国の島で、子供たちに勉強を教えているのだった。
バヌアツとは、ポートビラ, シェファ州, にありリゾート地でもある。ラストのコブクロの歌で「心」がとても心に残り、まさか、泣けるとは思わなかったです。

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