パピとママ映画のblog

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光をくれた人 ★★★★

2017年05月27日 | アクション映画ーハ行
「ブルーバレンタイン」「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命」のデレク・シアンフランス監督がマイケル・ファスベンダーとアリシア・ヴィカンダーを主演に迎え、M・L・ステッドマンのベストセラー小説『海を照らす光』を映画化した感動ドラマ。小さな孤島で灯台守をする夫婦が、島に偶然流れ着いた赤ん坊によって絶望から救われていくさまと、彼らを待ち受ける悲痛な運命の行方を綴る。共演はレイチェル・ワイズ。

あらすじ:1918年、オーストラリア。第一次世界大戦の過酷な戦場から帰還したトム・シェアボーン。心に深い傷を負った彼は、絶海に浮かぶ無人の孤島、ヤヌス島の灯台守となる。3ヵ月後、正式採用の契約を結ぶために町に戻った彼は、地元の名士の娘イザベルに一目惚れし、ほどなく2人は結婚する。孤独で不便な孤島での結婚生活だったが、愛する2人にとっては何者にも邪魔されない幸せな日々だった。ところがイザベルは2度の流産という悲劇に見舞われ、深い悲しみに沈んでしまう。そんな時、1人の男の死体と泣き叫ぶ女の子の赤ちゃんを乗せたボートが島に流れ着く。町に報告しようとするトムを必死で説得し、赤ちゃんを自分たちの子として育てることにしたイザベルだったが…。

<感想>マイケル・ファスベンダーとアリシア・ヴィカンダーのラブストーリー。物語としては、観客を泣かせることに特化したメロドラマでもあるが、映像の美しさは時として灯台守の話だけに、穏やかな海もあれば、荒々しい嵐の日もある。

二人の抑制の効いた、複雑なニュアンスに富んだ演技、特にアリシアの表情によって、魅力的な歪みを表現して見せるほど素晴らしい。女優だったら絶対にやりがいのある役柄だろうし、演技力も効果的に見せられる美味しい役どころである。

そして、トムのマイケル・ファスベンダーの苦悩の表情、子供が2度の流産に見舞われ、嘆き悲しむ妻を見て愛しているだけに自分の力ではどうにもならないことを知る。そこへ、天からの贈り物のように、海から小船に乗って流れ着いた赤ん坊。

父親と思われる男の遺体が傍に横たわっており、本当だったら、本土に報告しなければならないものを、妻の喜ぶ顔と知らせないで自分たちの子供として育てようとトムを説得するイザベル。妻に懇願され、トムもその言葉につい魔がさしてしまい、名前をルーシーと名付けて、そのまま自分たちの娘として育て始める。

父親と思しき男の死体を、島の丘に埋め、トムはどうしても心の中に「罪」という悔いが残る。本土の警察に知れたら大事になるのに、内密にして自分たちの子供として役場に届けを出し、洗礼も受ける。
イザベルの両親も、孫の誕生に大喜びで、暫くは幸せな暮らしが続く。妻のイザベルも、2度の流産でふさぎ込んでいたが、突然の贈り物に手放すきはないのだ。届を出せば、きっと赤ん坊は施設へ送られることだろうと考え、イザベルの心情のことを思ってのことでもあり、だが、いつまでも幸せが続くとは限らない。

ルーシーの洗礼の日に、教会の裏にあるお墓の前で、嘆き悲しむ一人の女性を見つける夫のトム。墓石には、海で遭難して亡くなった夫と娘の名前が記されていた。トムは、その女性が娘の本当の母親、ハナ(レイチェル・ワイズ)だと感じ取る。ハナへ手紙をしたためて、赤ん坊のことを知らせるのだった。

それから4年後に、ルーシーを連れて本土へ行った時に、イザベルが抱いている娘を見て、もしかして自分の子供ではないかと疑うのだが、それに、トムがまたもや、赤ん坊と一緒に船にあったフクロウのガラガラを小包で送るのだった。それを見たハナは、自分の子供が生きていることを核心して、警察へ捜索願いを出す。ハナの父親は、街一番の金持ちであり、高額の懸賞金を付けて孫を探すのだ。

その事実をトムはイザベルを説得して、本当の母親へ娘のルーシーを返そうと相談するも、嫌だと物凄い剣幕でトムをののしり、大騒ぎになってしまう。そこへ、警察がやってきて、娘のルーシーを連れていってしまう。

それに、夫のトムは、ハナのドイツ人の夫を殺した罪で逮捕されてしまう。ハナの夫の遺体を掘り、確実にトムが殺したことになってしまうのだ。イザベルは、何の罪にも問われず逮捕されない。
娘のルーシーは、4歳の年頃で育ての母親であるイザベルを恋しがり、産みの母親であるハナに懐かないのだ。そして、ルーシーが家出をして、島のある灯台へと一人で浜辺を歩き、夜になって砂浜で発見された。

産みの母親であるハナも、自分に懐かない娘に対して、どうすればいいのか、ドイツ人の夫が生前に自分が罵倒されても、人を許す心があれば自分も救われるという考えの人だった。ハナは、そのことを想いながら、トムのこともイザベルのことも許してあげようとする。
イザベルも、結局は最愛の娘・ルーシーを取り上げられてしまい、罪にはならなかったものの、トムがもしかして死刑になるかもしれないと聞き、移送される時に真実を話すのであった。
小舟で流されて来た時に、トムのいう通りに本土へ連絡していれば、実母のハナの手にその赤ん坊は無事引き渡されたと思うのだが、運命とは皮肉なもので、傷心の妻のためにすべてを自分が、全部の罪を背負ったトムの心情が痛いほどに解るから、なおの事、最後には泣けてくる。
それでも、娘のルーシーが孫にあたる息子を抱いて、トムのところへやって来るところで終わるのが、憎い構成ですよね。
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