
『トレインスポッティング』の原作者でもある作家、アーヴィン・ウェルシュの小説を実写化したクライムコメディー。頭脳明晰(めいせき)ながらも、酒や麻薬に溺れ、さまざまな不正行為を働く刑事が、留学生殺人の捜査に乗り出したことから思わぬ事態に遭遇する。『つぐない』『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』などのジェームズ・マカヴォイが、下劣を絵に描いたような主人公を怪演。次々と繰り出されるブラックでシニカルな笑いに加え、ジェイミー・ベルやジム・ブロードベントといった実力派たちの共演にも魅了される。

あらすじ:スコットランド警察の刑事、ブルース・ロバートソン(ジェームズ・マカヴォイ)。優秀な頭脳を誇り、活力あふれる彼だったが、その裏ではアルコールとドラッグの依存症に陥り、売春や不倫に手を出し、残業の不正申告を欠かさないという、刑事の風上にも置けない人物だった。そんな中、日本人の留学生が殺されるという事件が発生。目撃者ゼロという、この難事件を解決すれば出世コースに乗れると張り切るブルースだが、捜査を進めれば進めるほど自身の問題アリな過去も噴出するようになり、精神的に追い詰められていく。
<感想>今作もスコットランドの文学界の革命児とさる、アーヴィン・ウェルシュのの原作である。「トランス」にも出演していたジェームズ・マカヴォイが、悪徳刑事に扮したクライム・コメディ。
物語は、日本人留学生が殺される事件が起こった。捜査を指揮するのが、スコットランド警察の刑事ブルース、出世を目指し、同僚たちを陥れる裏工作の得意な男だが、ポルノ、売春、不倫、アルコール、コカイン中毒とまさに歩く危険地帯のような存在である。こんな危ないヤツを演じるのがジェームズ・マカヴォイ。

これだけ救いようのない男というのも珍しい。しかも、彼が休暇旅行に出ている間に、同僚の女刑事アマンダが捜査を進め、女性の目撃者がいるらしいと分かったことから、ブルースは辛い自分の過去に向き合わなければならなくなり、破滅へとまっしぐらに突き進むことになる。
マカヴォイくん本人は、この主人公はシェークスピアのリチャード三世やイアーゴのような人物なのだとのたまう。警官のくせにコカインにハマっていて、そのせいで、酷い幻覚に悩まされている。思い込みが激しく、自分が世の中を支配している気でいるのだ。自分の力を過信していて、他人を見下している。

性や人種で人を差別し、同性愛者と女性と軽蔑している偏屈な男なのだ。だが、日ごろから、ユーモアを欠かさないようにしているので、思わず観客は笑ってしまうこともあるけれど、本当はとても笑えない状況なのである。
ですが、やがて彼のことが判ってくると、事実はそれまでに描かれていたこととは違い、彼は病気なんだとね、心を病んでいて、シェイクスピアの世界では生きられても、現実の世界では歓迎されないような存在なんだと。

悪徳警官というと、思い出されるのが「アウトレイジ」の小日向文世さんがぱっと浮かぶのだが、本作でのジェームズ・マカヴォイ扮するブルースは、それらの方々よりもうちょっと姑息なワルなのだ。ギャングと裏で手を組み、金や薬を横取りして流し、親友の財布から金を抜いた入り、親友の嫁にエロ電話をかけたり、子供に中指突き立てたりと、あまりにも下品でセコイ悪徳デカであるのだ。

刺されてもおかしくないほど悪いことをしでかしているのに、その度に「それはヒドイ」とにやけて誤魔化してしまう。自分が犯した過ちや、罪悪感もたいしたことのないように思わせる。ですが、そんな彼にもある苦悩で苦しみぬいていることが、はっきりいって同乗の余地なし。最後が天井からロープで首吊り自殺とは、薬でラリっていたのか、それとも反省での結末なのか定かではない終わり方であった。
2014年DVD鑑賞作品・・・46
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あらすじ:スコットランド警察の刑事、ブルース・ロバートソン(ジェームズ・マカヴォイ)。優秀な頭脳を誇り、活力あふれる彼だったが、その裏ではアルコールとドラッグの依存症に陥り、売春や不倫に手を出し、残業の不正申告を欠かさないという、刑事の風上にも置けない人物だった。そんな中、日本人の留学生が殺されるという事件が発生。目撃者ゼロという、この難事件を解決すれば出世コースに乗れると張り切るブルースだが、捜査を進めれば進めるほど自身の問題アリな過去も噴出するようになり、精神的に追い詰められていく。

物語は、日本人留学生が殺される事件が起こった。捜査を指揮するのが、スコットランド警察の刑事ブルース、出世を目指し、同僚たちを陥れる裏工作の得意な男だが、ポルノ、売春、不倫、アルコール、コカイン中毒とまさに歩く危険地帯のような存在である。こんな危ないヤツを演じるのがジェームズ・マカヴォイ。

これだけ救いようのない男というのも珍しい。しかも、彼が休暇旅行に出ている間に、同僚の女刑事アマンダが捜査を進め、女性の目撃者がいるらしいと分かったことから、ブルースは辛い自分の過去に向き合わなければならなくなり、破滅へとまっしぐらに突き進むことになる。
マカヴォイくん本人は、この主人公はシェークスピアのリチャード三世やイアーゴのような人物なのだとのたまう。警官のくせにコカインにハマっていて、そのせいで、酷い幻覚に悩まされている。思い込みが激しく、自分が世の中を支配している気でいるのだ。自分の力を過信していて、他人を見下している。

性や人種で人を差別し、同性愛者と女性と軽蔑している偏屈な男なのだ。だが、日ごろから、ユーモアを欠かさないようにしているので、思わず観客は笑ってしまうこともあるけれど、本当はとても笑えない状況なのである。
ですが、やがて彼のことが判ってくると、事実はそれまでに描かれていたこととは違い、彼は病気なんだとね、心を病んでいて、シェイクスピアの世界では生きられても、現実の世界では歓迎されないような存在なんだと。

悪徳警官というと、思い出されるのが「アウトレイジ」の小日向文世さんがぱっと浮かぶのだが、本作でのジェームズ・マカヴォイ扮するブルースは、それらの方々よりもうちょっと姑息なワルなのだ。ギャングと裏で手を組み、金や薬を横取りして流し、親友の財布から金を抜いた入り、親友の嫁にエロ電話をかけたり、子供に中指突き立てたりと、あまりにも下品でセコイ悪徳デカであるのだ。

刺されてもおかしくないほど悪いことをしでかしているのに、その度に「それはヒドイ」とにやけて誤魔化してしまう。自分が犯した過ちや、罪悪感もたいしたことのないように思わせる。ですが、そんな彼にもある苦悩で苦しみぬいていることが、はっきりいって同乗の余地なし。最後が天井からロープで首吊り自殺とは、薬でラリっていたのか、それとも反省での結末なのか定かではない終わり方であった。
2014年DVD鑑賞作品・・・46
