パピとママ映画のblog

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ユリゴコロ ★★★

2017年10月07日 | アクション映画ーヤ行

沼田まほかるのベストセラー・ミステリーを吉高由里子主演で映画化。生まれながらに“人間の死”が拠りどころのヒロインのおぞましくも切ない半生と、その殺人履歴が綴られたノートを見つけた青年の運命が狂わされていくさまを描く。共演は松坂桃李、松山ケンイチ、木村多江。監督は「君に届け」「心が叫びたがってるんだ。」の熊澤尚人。
あらすじ:亮介はカフェを営み平穏な日々を送っていたが突然、男手一つで育ててくれた父が余命わずかと診断され、婚約者の千絵がこつ然と姿を消してしまう。そんな時、実家の押し入れで『ユリゴコロ』と書かれた一冊のノートを見つける。そこには、人を殺すことに心の拠りどころを感じてしまう美紗子と名乗る女が、自らの殺人の記録と、洋介との運命的な出会いによって救われたことなどの衝撃的な告白が綴られていた。美紗子とは誰なのか、そもそもこれは事実かそれとも父の創作か、激しく動揺する亮介だったが…。

<感想>人殺しの私を、愛してくれる人がいた。一冊のノートに記された殺人者の記憶。人を殺し、死の瞬間に触れることが“生”の拠り所となる。絶望的な喪失をかてに生きる女性の物語。その女性、美沙子を演じていたのが、あの喋り方が突拍子な声の吉高由里子が扮して、殺人鬼となって自分の心を満たしていたとは。彼女には不似合いな役柄であり、よくぞ演じてくれたと思っていたが、そんなにホラーっぽいところはなく、みつ子(佐津川愛美)のリストカットの“快感”が感染したような少女時代の美紗子。彼女の臭気迫る殺人シーン、血みどろなシーンも吉高由里子が平然とやってのけるので、あまり変人、狂人とは見えなかったのだが、要するに淡々とした平気な顔つきで殺人を犯すので。

それよりも、殺人鬼の母親から生まれたとされる亮介を、松坂桃李が扮していて、父親が隠していた母親のだろうノートを見て、衝撃を受けるところ。「ユリゴコロ」と題されたノートには、人を殺めることでしか自分の生きる世界と繋がれない女、美沙子の衝撃な告白が綴られていて、つい引き込まれて読んでしまう。まさか、自分の産みの母親のノートだとは知らないで。

美沙子とは、幼いころに偶然目撃した“人間の死”が、生きることの「ユリゴコロ」=拠り所となってしまった美沙子。彼女は自傷行為を繰り返す親友のみつ子を死に向かわせたり、自分に近寄る男性に手をかけることで、自身の空虚な心を「ユリゴコロ」で満たしてきたのだ。

父親、若き頃の松山ケンイチ扮する洋介、過去のある出来事として(女の子の麦わら帽子が側溝に落ちて、それを拾おうとして側溝の鉄板を上げる洋介、すると帽子を取ろうとする兄の男の子の首のところへ、美沙子が手を添えて助けるふりをして鉄板を落としてしまい少年は死んでしまう)と言ういきさつがあり、洋介は衝撃を受けてしまう。その罪の意識を背負い続ける洋介。

美沙子はその後、売春婦となり道端で客を引く。そこへ洋介が現れ、そのどこまでも深い優しさに触れた彼女は、洋介と過ごす日々を通じて“愛”という別な感情で心を満たしていく。
そして、洋介と美沙子は結婚をして、夫の子供ではない男の子供を妊娠して、亮介が生まれ、暫くは子育てで穏やかな幸せな人生を送っていた2人に、さらなる悲劇が忍びよっていた。その美佐子自身の半生を綴ったノートを残し、現在は行方不明なのだが。

そこからが、実に豹変した美沙子、美容整形で似ても似つかない木村多江に変身して、名前も細谷と変えて、息子の亮介の前に現れ、婚約者の千絵を探すべく、千絵がヤクザの愛人であったこと、千絵はその男に拉致監禁されている。その部屋へ千絵を助けにいく母親の木村多江。昔の人殺しに戻り、まさかのヤクザ数人を殺してしまうという、ここはちょっと眉唾もんでしたね。
それに、亮介の松坂桃李さんの取ってつけたような車の運転も、狂ってる感じを出しているように思えて違和感がありました。

父親も、声だけが松山ケンイチのような、ミステリーを入り口として、狂おしい愛と生が過去と現在を股にかけて入り乱れ、物語は驚愕の真実にたどり着くという。生きることの意味、人を愛することとは何なのか?・・・など、3人の人生が突きつける命題に激しくこころを揺さぶられます。
ですが、やっぱり最後には、美沙子も父洋介の愛の深さに、過去の殺人鬼としての自分を見失っていたのを心入れ替えて、洋介との長い旅路へと。最後は人間の愛でしたね。

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