パピとママ映画のblog

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やっぱり契約破棄していいですか!?★★

2019年10月28日 | アクション映画ーヤ行

「イン・ザ・ベッドルーム」「フィクサー」のトム・ウィルキンソンがリストラ寸前の殺し屋を演じる英国製ブラック・コメディ。自殺願望のある作家志望の青年が、ノルマが達成できない殺し屋と自分を標的に殺しの契約を結ぶが、その直後に運命の女性と出会い、殺し屋から必死で逃げるハメになるドタバタ劇をユーモラスかつ毒気たっぷりに描く。共演に「ダンケルク」のアナイリン・バーナード。監督は長編デビューのトム・エドマンズ。

あらすじ:小説家として全く芽が出ず、人生に絶望した青年ウィリアムは、7回も自殺を試みるも全て失敗してしまう。そこで彼は、7回目のときに出会った老紳士レスリーの力を借りることに。レスリーは英国暗殺者組合に所属するプロの殺し屋だったが、ノルマを達成できずにクビ寸前だった。さっそくレスリーと面会したウィリアムは、一週間以内に暗殺できなければ返金するという契約書に、ターゲットを自分に設定してサインする。ところがその直後、彼の小説を出版したいと女性編集者のエリーから連絡が。2人で打ち合わせをするうちに、すっかり心惹かれるウィリアム。そこでレスリーに契約破棄を申し出るが、どうしてもノルマを達成したいレスリーは聞く耳を持たず、ウィリアムは契約期間の一週間をプロの殺し屋相手に逃げ切らねばらならなくなるのだったが…。

<感想>最後に笑うのはどっちだ!? Wシチュエーション痛快エンターテインメント!。そこそこに設定は面白いのに、その面白エピソードは同時に、間の抜けたゆるさがあり何故かハジケず、展開するにつれて、だんだんとつまらなくなってくるというのは、この手の殺し屋ブラックコメディのお話がミエミエなのが悪いのだ。

それでも、キャラや演出が面白ければ退屈しないのだが、本作ではその辺も普通でつまらなかった。死の描写に湿度や重みが感じられないのは、喜劇とはいえ、やはり致命的だと感じてしまうし、インコが出ているのに、物語にほんとんど関与してこないのも何だかもったいない。

でも、皮肉やユーモアが全編に漂うし、作家を目指す若者と、殺し屋組合に加入している老年期の人物が、ともに困窮した生活をしているのも何だか。

主人公の若者は自殺願望に取りつかれている設定といっても、それは生きる理由を見つけるため。方や殺し屋のオジサンもノルマを達成できず、引退の危機に追い込まれている。殺し屋にしても冷酷非情ではなくて、仕事を楽しんでいるようにみえた。

殺し屋のオジサンには、36年連れ添った妻がいるし、その妻も自分は働いていないので、夫の仕事をどの程度理解しているのか分からないが、「あなたならやれるわよ、大丈夫。あなたの腕は本物よ」なんておだてられて、殺し屋の仕事も普通の仕事みたいに扱われるところも、しっかりとお笑いになってました。

中盤に至っては、出版社の女性エミリーに惹かれてしまい、これは生きることを、人生を肯定するコメディだったのだ。途中で死にたくないと断りの電話をしても、お金は返さなくてもいいからと言ってもダメ。金がなくなれば死に方すらままにならないと、言う状況は、自由な気風や夢をさらに奪われてしまったイギリス社会の暗さの投影なのか。

映像の質は決して低くはないし、良く言えばまったりとした魅力もあるが、サスペンスやアクションなどの見せ場の迫力が乏しいし、印象に残るシーンがないのも残念である。

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