パピとママ映画のblog

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アイリッシュマン★★★・5

2020年02月02日 | アクション映画ーア行

「タクシードライバー」「レイジング・ブル」など数々の名作を生み出してきた巨匠マーティン・スコセッシとロバート・デ・ニーロが、「カジノ」以来22年ぶり9度目のタッグを組み、第2次世界大戦後のアメリカ裏社会を生きた無法者たちの人生を、ひとりの殺し屋の目を通して描いた力作。脚本は「シンドラーのリスト」「ギャング・オブ・ニューヨーク」のスティーブン・ザイリアン。Netflixで2019年11月27日から配信。日本では第32回東京国際映画祭のクロージング作品としても上映。

あらすじ:伝説的マフィアのラッセル・バッファリーノに仕えた実在の殺し屋で、1975年に失踪した全米トラック運転組合委員長ジミー・ホッファをはじめ、多くの殺人事件に関与したとされるフランク・“アイリッシュマン”・シーランをデ・ニーロが演じるほか、ジミー・ホッファ役のアル・パチーノ、ラッセル・バッファリーノ役のジョー・ペシと、ハリウッドのレジェンド級俳優が豪華共演する。

<感想>巨匠マーティン・スコセッシが新境地を拓いたマフィアものの秀作である。主人公は“アイリッシュマン”のフランクを演じているロバート・デ・ニーロが、老人ホームでの回想劇から始まる。本当だったら、警察に捕まって死刑宣告ならび、永久に刑務所暮らしだろうに、今まで何人を殺して来ただろうか。数え切れないくらい、気に入らなければ、特にイタリアンマフィアであるはハーベイ・カイテルが影のボスであり、その子分がラッセルというジョー・ペシが演じている。

とにかく、昔の話なのでみんなCG加工で若いです。精肉(牛肉の塊)を運ぶトラックの運転手として働いているフランクが、肉塊を横流しながら生計を立てていた。それが、ある時、トラックに積んである肉の塊が盗まれるという事件が発生する。会社から訴えられるフランクは、有能な弁護士ビル(レイ・ロマノ)を雇い、彼の手腕により無罪になります。

弁護士とレストランで祝杯をあげようと入った店で、イタリアンマフィアのボス、ラッセル・ファブリーノ(ジョー・ペシ)を紹介されます。ラッセルとは、前に彼の乗っていた車のエンジン・トラブルで、フランクが巧く修理をしてやるわけ。まさか、レストランでその男、ラッセルに気に入られとはね。フランクはラッセルの組織との関係が密になります。

殺しの場面があるかと思うと、教会で赤ん坊の洗礼の場面もある。暗殺の次には、教会での娘の結婚式があるのだ。実話であり、マフィアの殺し屋の人生を描いているのだ。世界一豊かな国として繁栄を誇った戦後のアメリカには、こんな日常的に暴力、殺人が行われていたのかと驚く。

クリーニング店に出資しているウィスパーズからライバル店を潰してくれと頼まれ、(殺し屋)実行します。後日、フランクは組織から呼ばれ、そのライバル店は組織と仲の良いユダヤ系マフィアが、投資をしていることを知らされて、フランクはケジメのためウィスパーズを殺めます。まるで殺し屋稼業ですよね。

それからフランクの元に組織の汚れ仕事が増えていくわけで、淡々と仕事をこなす彼は、ラッセルから全米トラック運転手組合のボスであるジミー・ホッファ(アル・パチーノ)を紹介されるのです。そして、フランクはジミーの依頼をこなし、認められ、ジミーの右腕として働くこととなります。

ジミー役のアル・パチーノは、始終ドスの利いた声を張り上げ貫禄充分の演技です。フランクのデ・ニーロは、よきパパであり、と同時に殺し屋。この男の中では、暴力と日常生活が同居している。それはアメリカ社会の裏表のあらわれになっているようだ。マフィアの一員となったフランクは、大物ボスの指示で次々と殺人を繰り返す。いきなり拳銃で殺すのだ。その拳銃は川に捨てる。川底に無数の拳銃が沈んでいた。

その後、イタリアンマフィアの念願であるアイルランド系の大統領が、誕生するのですが、しかし、それはマフィアとの縁のある人物ではなく、ジョン・F・ケネディでした。それで自動的に、弟ロバート・ケネディが司法長官に任命され、FBIを使っての捜査や盗聴を行い、ジミーを攻撃し始めるのです。

ジミー(アル・パチーノ)は、陪審員の買収などあの手この手を使って捜査をかわすのですが、その時、ケネディ大統領がダラスで狙撃されるのです。そうそう、こんな時代でしたね。

ケネディ大統領の死後、ジミーは組合年金の不正運用で詐欺罪となり、逮捕されるのです。ジミーが刑務所に入っている間、部下のフィッツ(ゲイリー・バサラバ)に年金の運用を任せますが、裏切られてしまいます。

そこでジミーはユダヤ人のドーフマンに命じて、フィッツのマフィアへの融資を止めます。怒ったラッセルは、フランクにドーフマンへの威嚇射撃を命じます。またもや、殺し屋フランクの出番ですね。なんか、ラッセルのいいように扱われている気がするのですがね。

また、別の組織のボスのトニー・プロ(スティーブン・グレアム)が恐喝により投獄され、トニーは、ジミーに年金を取り返してほしいと頼みますが、ジミーは断り、喧嘩になってしまう。

それから数年経ち、ニクソン大統領の特赦によりジミーは刑務所から出所。フィッツは全米トラック運転手組合のボスとなり、トニーと親しくしていました。ジミーは、再び全米トラック運転手組合のボスとなるために、トニーと会いますが、再び喧嘩をしてしまいます。ジミーは自分勝手であり、フランクにも融通を利かすようにと耳打ちして、絶対に返り咲きたいジミーは、組合がマフィアと関係を持っていることを公表したりして、マフィアへの融資を止めたりするのです。

そのことで怒ったラッセルは、フランクにジミーに忠告することを命じます。その時、ラッセルは、フランクに世界に3人しか持っていない指輪を渡すのです。組織と友人であるジミーとの板挟みになったフランクは、ジミーに渋々忠告します。しかし、ジミーはこの組合は俺のものだと言って聞き入れません。

結局は、ラッセルの命令でジミーを殺すようにと言われる。迷いながらも、自分は“アイリッシュマン”だと自覚して、ジミーを殺害するのですね。その後、フランクとラッセルは共に逮捕され、時は経ち、刑務所生活の中でラッセルもフランクも老人になってました。

人間の最後ということを痛感せざるを得ないですね。老人ホームで、牧師に懺悔をして自分の半生を悔やみ、祈るのです。若い時は、妻や娘たちと仲良く食事を囲んでいる風景を目にしましたが、孤独となった老人のフランクを誰も訪ねる人はいません。

ロバート・デ・ニーロ演じる、ホッファの右腕を務めていたフランク・シーランが、ライターのチャールズ・ブラントに自分の過去を語るシーンから始まります。それによって書かれたノンフィクション『I Heard You Paint House』(1999)が本作の原作となっています。

 

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