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カツベン!★★★★

2019年12月17日 | アクション映画ーカ行

「Shall we ダンス?」「それでもボクはやってない」の周防正行監督が、サイレント映画時代を舞台に一流活動弁士になることを夢見る青年を主人公にしたコメディドラマ。主人公・俊太郎役は、「スマホを落としただけなのに」「人間失格 太宰治と3人の女たち」など話題作に立て続けに出演し、本作が映画初主演となる成田凌。ヒロイン役を黒島結菜が演じるほか、永瀬正敏、高良健吾、井上真央、音尾琢真、竹野内豊ら周防組初参加のメンバー、竹中直人、渡辺えり、小日向文世ら周防組常連陣が顔をそろえる。

あらすじ:当時の人気職業であった活動弁士を夢見る俊太郎が流れ着いた小さな町の閑古鳥の鳴く映画館・靑木館。隣町にあるライバル映画館に人材も取られ、客足もまばらな靑木館にいるのは、人使いの荒い館主夫婦、傲慢で自信過剰な弁士、酔っぱらってばかりの弁士、気難しい職人気質な映写技師とクセの強い人材ばかり。雑用ばかりを任される毎日を送る俊太郎の前に、幼なじみの初恋相手、大金を狙う泥棒、泥棒とニセ活動弁士を追う警察などが現れ、俊太郎はさまざまな騒動に巻き込まれていく。

<感想>映画=活動写真がモノクロ(白黒)で、サイレントだった時代を舞台にし、“活動弁士”(映画にセリフや説明を付ける職業)という日本独自の、伝統芸の語り手たちへの遥かなるオマージュである、活動弁士が語る映画はサイレントでもなく、トーキーでもない独自のジャンルとして確立されていたということだ。

主人公の俊太郎に扮した成田凌や、スター気取りの弁士・茂木を演じる高良健吾が繰り出す軽妙な活弁にまず聞き惚れるが、この作品の魅力はそれだけじゃない。

ヒロイン役を黒島結菜が演じる俊太郎の幼馴染・梅子との恋の行方も気になります。

そして、ニセ弁士を追う刑事に竹野内豊との追跡劇やライバル映画館との攻防戦などもあり、笑いにアクション、人情ドラマといった面白い要素がてんこ盛り状態の内容。

主人公の俊太郎は活動弁士に憧れたのに、ひょんなことから泥棒の片棒をかつがされて、自分が山岡秋馨のモノマネをして弁士をしている最中に、仲間が活動を見に来ている家に、泥棒に入りお宝や金品を盗むというわけ。

意を決して一味から抜け出した彼は、その時に泥棒をした安田のトランクに入った札束を持っていたことに気づく。小さな街の寂れた映画館で働き始めるが、任されたのは雑用ばっかりだった。それでも、弁士・茂木を演じる高良健吾が繰り出す軽妙な活弁を勉強し、山岡秋馨もいたが酒を飲んで寝てばかり。

豪華共演陣の快演も楽しいし、周防監督の凝り方は相当なもので、弁士が語るサイレントの映像もちゃんとオリジナルで作っている。城田優や上白石萌音らが出演した劇中のモノクロ無声映画にも心を奪われる。

とにかく、当然かもしれないが、監督の奥さんである草刈民代や、上白石萌音を使ったサイレント映像は贅沢だし、それに気づいた時にはとても得をした気分になった。

驚いたのが、俊太郎に扮した成田凌の弁士の巧いことと言ったらない。女性客にモテモテで、嬉しいやら困ったやら、泥棒時代の安田が来て金を返せとドツかれるしで、この辺はテンヤワンヤの大騒ぎ。

本作品を観ると、活動弁士のパフォーマンスが優れた話芸として非常に面白いものであることがわかる。だから単純な映像でも彼らの話芸によって傑作になり、悲劇にもなり喜劇にもなるところが秀逸であり、周防監督の思い入れが伝わって来るようでした。

まぁ、それでも全体のストーリーはドタバタ劇だが、音声も音楽も生で聞けたこの時代の映画は、また特別な面白さがあったと想像できます。観ていて、とても楽しかった。本当に映画本来の楽しさにあふれているのだ。

 

2019年劇場鑑賞作品・・・182  アクション・アドベンチャーランキング

 

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