パピとママ映画のblog

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ライズ・オブ・シードラゴン 謎の鉄の爪★★★★★

2014年08月17日 | アクション映画ーラ行
王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件』の、主人公ディー判事の若き日を描くアクションアドベンチャー。水軍の兵10万人を全滅させた怪事件と海の神・龍王の存在をめぐり、ディー判事が真相の究明に取り掛かる。監督は、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズなどのツイ・ハーク。主演は『ハーバー・クライシス<湾岸危機>Black & White Episode 1』などのマーク・チャオ。ツイ・ハークらしい映像美や派手なアクションに魅了される。

あらすじ:西暦665年、唐朝の時代。第3代皇帝・高宗と皇后の則天武后が派遣した水軍艦隊が、正体不明の何かによって壊滅させられてしまい、海の神・龍王が原因だといううわさが広まる。ちょうどそのころ、ディー判事(マーク・チャオ)が洛陽に赴任。龍王にささげる生けにえにされる若く美しい花魁(おいらん)・イン(Angelababy)の誘拐事件に関わったディー判事は、水軍壊滅と龍王の因果関係と事件の真相を突き止めるべく行動を起こす。
<感想>カンフー映画と巨大怪獣映画を合体させたような奇跡の作品。といっても、タイトルからみると判らないと思うが、以前にアンディ・ラウ主演で「王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件」(10)の主人公ディーの若き日を描いた作品でもある。中国版シャーロック・ホームズのような、ディー・レンチュの活躍を描いたアクション・アドベンチャー。

監督は今回もツイ・ハークで、ヤング判事ディーを演じているのは、「モンガに散る」に主演したマーク・チャオ。謎の巨大怪獣に襲われるだけでなく、空飛ぶギロチンで武装した暗殺集団や半魚人など魅力的なキャラクターたちが登場するゴージャスな作りになっている。

そして、バケモノの生贄にされそうになる美しい花魁には、アンジェラベイビーが演じて、その恋人ユエンには韓国のキム・ポムが、ご両人とも美男美女で花魁との恋も化物になってしまうユエンを見抜いてしまう花魁との哀しい悲恋もの。アンジェラさんって、本当に美しい女優さんですね。

大理寺の司法長官ユーチには、中国のウィリアム・フォンが、何だか石井竜也に化粧しているところとか、衣装の派手さがそっくりでした。それに皇帝が病に伏して力を見せる皇后の則天武后には、前回の「王朝の陰謀~」でも扮してていたカリーナ・ラウがと、ベテランが脇を固めている。

ガイ・リッチー版のホームズを意識しての前作「王朝の陰謀~」だったが、そのテイストは今作では少し薄いのが残念。それでも、なんでも盛り込めるディー判事の連作で、好きなように彼らしい映画マジックを展開している。
前作同様に、時代考証などなきに等しいホラ話の世界ですが、ミステリー的面白みも人物の魅力も作り込まれ、途中まででも十分すぎるほど面白いのに、驚愕のクライマックスが待っているとは。

最後の海での決戦などでは昔の「白鯨」のクライマックスみたいでした。推理力や洞察力よりも身体能力と戦闘能力がものをいう展開となっていて、海に棲むモンスターが大暴れするのに、餌の魚に毒薬を仕込んで食べさせるのに必死ですから。

それに、敵は調停に恨みを持つ東島の一味で、呪いの虫“蠱”(ムカデのような虫)を繁殖させて朝廷の人々に、献上茶で飲ませて体内に入れるために、お茶屋の息子ユエンを拉致して、呪いの虫“蠱”を飲ませて半漁人に変貌させられるという、まさに人体実験。海の怪物もその呪いの虫“蠱”で変貌したと思われる。その解毒剤には、童貞のおしっこだというから笑ってしまう。

謎の孤島で大冒険、切り立った崖を登り引力重力完全無視のワイヤーアクションが炸裂のジャンル・クロスオーバー状態には眼を見張ります。そして、それがたまらなく面白いし楽しいのだから。奥行よりも飛び出しにこだわった画面構成にもこだわっているのに、2D上映なのが惜しまれます。
ここまで空想を広げて極彩色の活劇絵本に徹底し、最新技術を駆使されると感銘を受けますね。まさか、白い馬が海の中を泳いで走っていく映像に驚きを隠せません。昔の中国を描くこの監督には、しゃれた都会感覚があるようです。

これは3D映像で観たかったですね。ワイヤーアクションに、CGの凄さに口をあんぐりして、ツイ・ハークのずば抜けた画面作りセンスを思い知らされます。
惜しげもなく繰り広げられる映像アイデアに陶酔し、アクションと語りのスピード感が完全に一致するという至福の映画体感となっているのも良かったです。
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王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件