パピとママ映画のblog

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ジュリアン★★

2019年04月10日 | アクション映画ーサ行

ヴェネチア国際映画祭で監督賞に輝いた衝撃のサスペンス・ドラマ。グザヴィエ・ルグラン監督がアカデミー賞短編賞にノミネートされた自作「すべてを失う前に」を基に、記念すべき長編デビューを飾った。離婚した両親の間で苦悩する少年を主人公に、両親の不和の行方を緊張感ある筆致で描き出す。出演は両親役には短編に引き続きレア・ドリュッケールとドゥニ・メノーシェ。息子のジュリアンにはトマ・ジオリア。

あらすじ:両親が離婚し、母と姉と3人で暮らすことになった少年ジュリアン。しかし父アントワーヌにも共同親権が認められ、隔週で週末を父と過ごさなければならなくなる。するとアントワーヌは、ジュリアンから母の連絡先を聞き出そうとする。母がアントワーヌに会いたくないと知るジュリアンは、アントワーヌに母の居場所を突き止められないよう必死で抵抗するのだったが…。

<感想>ジュリアンは母親を守るため、必死で嘘をつく。家族は、衝撃の結末を迎えた。ドメスティック・バイオレンスをテーマにした作品なのだが、深刻なホームドラマというよりも、むしろホラー映画のようだった。主人公のジュリアンを演じたトーマス・ジオリアに拍手したい。

とにもかくも、息が止まるほどの衝撃を受け、鑑賞後はしばらく立ち上がれなかった。勿論、驚かすことが目的の娯楽作品ではない。全世界の小学校で上映会をして、未来のDVの芽を摘む役目を果たして欲しい作品でもある。

冒頭での離婚調停のシーンでは、夫婦の内情は不明だが、幼い息子ジュリアンの単独親権を求める妻と承服しかねる夫。当然のごとくそれぞれが弁護士を立てて争うのだが、「あの男が恐い」というジュリアンの陳述が巧く行くわけもなく、共同親権が言い渡される。

妻子に未練たっぷりの夫のアントワーヌが、母子の新しい住所を聞き出そうと脅したりすかしたりする。ジュリアンはアントワーヌを拒否し怖がりながら、母のためにとぼけたり嘘をついたりの抵抗を試みるのだが、そういったやり取りがだらだらと続くのだ。しかも、完全に彼を拒絶しているはずの母親のミリアムの対応が、いかにも曖昧でイライラさせる。こうも結末が分かりそうな展開なのに、映画の内容がDVということなので、期待がだんだん薄れて来るのだ。

そこからが徐々に夫の妻に対する執着が明らかになっていく。しかもそれは身近で結構ありそうなたぐいのものなのだ。未成熟で感情を抑えきれずに不満を暴力に変えてしまう人間は、程度の差はあれど多く存在するだろうと思います。

血なまぐさい事件になって初めて、鈍感であった社会を責めるケースが後を絶たない。ルグラン監督はそうした背景を受け止めて、どうにかしたいという思いがあったのだろう。しかし、道徳的な切り口の退屈さは見当たらない。

スタンリー・キューブリックの「シャイニング」や、チャールズ・ロートンの「狩人の夜」から着想を得たという通り、サスペンスやスリラーの手法が隅々までに活かされていた。

大柄で野暮な父親に、母親の行方を問い詰められるジュリアンの恐怖は計り知れない。最後の15分は、究極の臨場感が観る者を襲ってくる。執拗に鳴らされる玄関のチャイム、男が上がってくるエレベーターの音、通報する隣人、武器を手にしたらしい男、バスルームに籠る母子を電話越しに励ます警察官。

ジュリアンには、18歳の姉がいるのだが、その姉の恋人が主催するパーティがとってつけたようにあるが、これもまた何の意味も持たないと思えるのだ。

最後はアントワーヌが猟銃を持って決着をつけようと来る。母子に会うために深夜の住まいに押し掛け、ドアを蹴り続けたり、猟銃を発砲したりの騒ぎで、当然ながらアパートの隣人の通報で、警察が駆けつけて逮捕されてしまうという結末になってしまう。リアルこそがホラーだと確信した作品でした。

 

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