遠藤豊吉 編・著
日本の詩=10 『せんそう・へいわ』
遠藤豊吉の視点で、テーマごとに選ばれた<日本の詩>10冊を読了した。
遠藤豊吉の視点で、テーマごとに選ばれた<日本の詩>10冊を読了した。
最後の一冊は、<戦争と平和>がテーマとなっている。
編者は、特別攻撃隊員として、戦場を体験された方である。
私自身も戦争体験者だと自負しているけれど、真の戦争体験者とは言い難い面もある。終戦を迎えたのが12歳であり、田舎に住んでいて、戦争の直接的な被害を被ることもなかったので。
それでも、子どもながらにも、戦争を肯定的に捉えることはできなかったし、今も、戦争ほど、不幸なことはないと思っている。
悲劇でない戦争はあり得ない。
人間の叡智で避けられることなのに、今なお地球上に繰り広げられる戦争の絶えないのが悲しい。
掲載されている15篇の詩は、すべて、戦争と平和に関するものであり、多くの人に読まれるといいなと思う。
『日本の詩』1〜10 は、1978年に小峰書店から出版されたものである。今は、同じ本を入手するのは困難かもしれないが、それぞれの詩は、個人の詩集で読むことができる。
私のブログを読んでくださる方の参考になればと思い、作者と、その詩の題名を記すことにした。
峠 三吉 (1917〜1953) 仮繃帯所にて
鳥見迅彦 (1910〜1990) 野うさぎ
与謝野晶子 (1878〜1942) 君死にたまふことなかれ
天野 忠 (1909〜1993) 米
原 民喜 (1905〜1951) 水ヲ下サイ
石垣りん (1920〜2004) 挨拶 原爆の写真によせて
中野重治 (1902〜1979) 雨の降る品川駅
黒田三郎 (1919〜1980) 母よ誰が
茨城のり子 (1926〜2006) わたしが一番きれいだったとき
阪本越郎 (1906〜1969) 帰郷
井上 靖 (1907〜1991) 友
山之口貘 (1903〜1963) 鮪に鰯
金子光晴 (1895〜1975) 戦争
金井 直 (1926〜1997) ひぐらしのうた
堀口大学 (1892〜1981) 灰の水曜日
以上、16篇。著名な詩人の詩ばかり。
すべての巻の装幀・画は、早川良雄。