朝から小雨の降る日であった。
3度の食後、配膳車へ食膳を返すために廊下へ出たほかは、自室に籠りっきりの一日。
今日は24節気の「雨水」にあたるという。
「氷雪が溶け水となり、雪が雨に変わること。草木の芽生えが始まり農耕の備えを始める目安となる。」と、歳時記にはある。
施設へは歳時記を持参していないので、ネットで雨水の句を読んだ。
好みの句は少ないものだ。
上野さち子先生の句にであった。
雨水てふ佳き日ありけり母微笑
自室にいるときは、静かに降る雨には気づきにくい。
時折、ベランダに出て、小糠雨を差し出した掌に感じたり、深呼吸したり、水平線の霞んだ穏やかな海を眺めたりした。
3度の食後、配膳車へ食膳を返すために廊下へ出たほかは、自室に籠りっきりの一日。
私に与えられた持ち時間を、好きなように使えることのありがたさ、楽しさを味わえる一日であった。
一週間のなかで、土曜日は新聞の記事が一番多い。b版の特集もあって。毎土曜日に比べても、今日は読みごたえのある記事が、格別多かった。充足感を覚えるほど。
過日読んだ『北帰行』の作者・外岡秀俊についての特集もあり、「傍観者からの手紙」「ドラゴン・オプション」の紹介もあって、読んでみたいと思ったが、いずれも<絶版、電子版あり>となっている。
本は、やはりページをくりつつ、紙面で読みたい。残念である。
しかし、他の作者のもので、読んでみたい本があり、Amazonへ2冊注文。