ぶらぶら人生

心の呟き

『弱いから折れないのさ』

2020-02-07 | 身辺雑記
 岡部伊都子さんの2冊目を、昨日読了。
 表紙を見た途端に、<あっ、これは星野さんの絵? 題字も似ている>と思った。

 私の書棚には、星野富弘さんの本が5、6冊はある。
 しばらく手にとっていないが、絵も字も間違いなく星野富弘さんのものだ。
 確かめると、<題字・カバー画・扉画 星野富弘>とある。
 花は「母子草」。
 岡部伊都子さんは親交のある著名な方たちが多い。星野富弘さんもそのお一人である。
 
 この本は、2001年に刊行された随筆集である。
 1997年から2001年にかけて、新聞や雑誌などに発表された随筆をまとめられたものである。

 岡部伊都子著『弱いから折れないのさ』

  
  
  

 カバー裏には、星野富弘さんの文字で、「弱いから折れないのさ」を含む詩が載せてある。

 この随筆集『弱いから折れないのさ』の中身は、先日読んだ『遺言のつもりで』で語られた内容と通底するものである。

 作者の年譜[遺言のつもりで]には<病歴>の欄が設けてある。
 病弱であったことは知っていたが、本当に多病の人であったのだと驚く。
 それでも85歳の長寿であった。
 生涯、諸病を病みつつ、病弱を言い訳にすることなく、自分の信念を筆に託された作者に対し、畏敬の念を深くするばかりだ。

 岡部伊都子さんは、常に弱い立場にある人の側に立って、不合理を正そうとする真の強さを持った人である。本当の優しさとは=強靭さである、とさえ思った。
 例えば、非人道的としか言えない戦争に対して、韓国を始め諸外国の人に対して犯した罪に対して、沖縄問題に対して、頼患者に対して、過ちの歴史や現実の諸問題に対し、堂々と立ち向かい、自らの信念を貫きつつ、矜恃を持って生きられ作者である。
 ただ筆の力で訴えるだけでなく、弱い立場の人たちに、絶えず寄り添われた。
 どれだけ心救われた人がいたことだろう。真に頭が下がる。

 (言葉足らずの紹介になってしまった。私のいい加減な生き方を恥じつつ擱筆。)
コメント
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