ぶらぶら人生

心の呟き

2の字の沢山並ぶ日

2020-02-02 | 散歩道
 今日は2月2日。
 2並びの日。
 <2020(令和2)年・2月2日>
 これは珍しい!
 さらに2が増えるのは、今月の22日。

 それがどうしたの? 
 と聞かれれば、偶然の(必然ともいえる)字並びが面白くない?
 と答えるしかない。

 上記のこととは全く関係ないが、本ばかり読んでいて疲れたので、午後、散歩に出かけた。
 ところが、どうも気分がすぐれない。
 
 大気が霞んでいて、高島が影絵のようにしか見えなかった。
 また、私の眼そのものも、幕で覆われている感じ。
 そればかりでなく、体調もいつもと異なる感じで危なっかしい。
 ふと、水分不足では? と、思案する。
 朝からの行動を思い出すと、水分をあまり摂っていない。
 これは危ない! 脱水症になりかねない、と思い、慌てて引き返す。

 途中、満開の白梅を眺め、海の見えるところまでは歩いた。
 Tさんに教えてもらった<松島>は、どれだろう? と海上を眺めたが、結局よく分からなかった。
 

 

 

 
 

 
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『子規の音』

2020-02-02 | 身辺雑記
    森まゆみ著
     『子規の音』

  

 1月29日に読了しながら、感想を書くのが遅くなってしまった。
 その後、本棚から、<日本文学大系10>『正岡子規 伊藤左千夫 長塚節 集』(筑摩書房)を取り出し、正岡子規の、作品の一部を読んだりしているうちに、感想を記すのが遅れてしまった。
 全集の方は、簡単に読み終えられる内容ではないので、それは今後の楽しみにしておくことにして、上掲の本についての読後感を簡単にまとめておこうと思う。

 『子規の音』とは、変わった題名である。
 しかし、作者に言われてみれば、人口に膾炙した「柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺」にも音があり、確かに音の詠み込まれた俳句が多い。
 少なくとも、明治から大正、私の知る昭和ににかけての時代を思い出してみると、生活の周辺は、今よりはるかに自然の静寂に取り囲まれており、心に響く、さまざまな音が存在していた。(現代社会では、人工的な無機質な音が多く、心に快適に響く音は、子規の時代に比べずっと少なくなっているのだろう。)

 正岡子規は、就中、鋭い視覚や聴覚を生かして、詩的表現をなした人である。
 題名に肯ける。

 この本は、作者の視点で、実に詳細に綴られた正岡子規伝である。
 子規の一生(1867<慶應3>年〜1902<明治35>年)を、私も共に歩んでいるような気分で読んだ。
 子規に関係のある文学者など、多数の人物も登場する。私の知識の中では、個々バラバラに存在していた人々が、子規との関連において捉えられるようになった。夏目漱石との友人関係は知っていたが、例えば山田美妙が全く同世代であることなど、全く意識していなかった。

 正岡子規は35歳という短い生涯であったのに、今では考えられないほど、文学の多岐にわたって道を究めている。俳句や短歌、小説や評論などなど。スポーツでは、野球好きであったことが周知されている。多才の人であったのだろう。
 友人や同志の人にも恵まれた人であった。

 子規は若くして結核を病んだ。
 (子規とほぼ同時代の樋口一葉も、子規に和歌を学んだ長塚節も、結核による早世であった。)
 それでも普通の人と同じように、あるいはそれ以上に行動派であり、しばしば旅にも出かけている。
 結核を病む人として遠慮する気配もないようであったし、他人が避ける様子も見られない。
 結核を病むことが、それほど恐れられていなかった時代なのかどうか?
 サナトリウムでの療養や隔離療養されるのが一般的となったのは、いつの頃からであろう?
 子規の場合、人との交流に距離間が感じられない。
 21歳で喀血し、日清戦争に記者として参加したあと、ついにひどい病状となるまで、普通人と変わらない生活ぶりであったように思われる。
 その後、脊椎カリエスを患い、凄絶な晩年を過ごすようになっても、子規の文学活動は衰えなかった。想像を絶する生き方である。そこに多くの人の真似がたい生き方がある。

 500ページを超える大作中、一番楽しく読んだのは、松尾芭蕉の『奥の細道』のコースを子規も旅し、作者の森まゆみさんも、そのコースを辿る話の書かれた箇所である。
 芭蕉、子規、森さんの旅に、私自身の旅の思い出も重ねて、読み進めたのであった。

 いつか子規の作品を念入りに読みたいと思っていたが、『子規の音』は、その思いをさらに強めてくれる本であった。
 子規については、まだまだ書きたいことが沢山ある。が、今日はここまで。

 
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