「ゆわさる別室 」の別室

日々BGMな音楽付き見聞録(現在たれぱんだとキイロイトリ暴走中)~sulphurous monkeys~

平成十四年六月十四日伏魔劇場覚書(其の弐)

2002-06-22 | SHOCK live1/2


………………「其の壱」からのつづき。

〔6〕恐らく今回最大の改訂はストーリー構成上の各キャラクター配分だと思う(再三申し上げるが以下も展開内容に触れるため、未見の方御注意を)。


 公演Tourの中で「車では遅い(?)ので、バイクで行こう」と提案し2ケツを誘うのが、今回KOICHI自身である、という趣向。免許のないTSUBASAが躊躇するのだが、JunとKOICHIが「バイクの良さ」を教えて説得する。恒例?のアドリブギャグシーン。ヘルメット(原付用みたいな半球状のやつ)をかむり「ヘッドライト(自爆)」なKOICHIが台に馬乗りにうつ伏せてまたがり、腕=ハンドルを背側に上げて“人間バイク”に扮し、JunがTSUBASAを煽る。「さあ!乗ってみろ、鍵穴はお前次第だ」(…ぎりぎりなネタのような気がする・爆)ためらうTSUBASA。※ちなみにJunはバイクの座席を「サドル」と称していた。横で突然アドリブを振られて困惑する亀(梨)氏。TSUBASA曰く「こんなサドルは、やだ」…結構いっぱいいっぱいな人々(笑)。

〔7〕「追憶のハイウエイ」?バイク走行(FIVE側壁登場)。Junは渡り、後から渡るタンデムの2人が谷底へ転落。…心理的展開は、今回の方がKOICHIとTSUBASAの二者に焦点が絞られており判りやすいと思う(事故→TSUBASA足動かず→自責の念に駆られながらもKOICHIがそれでもShow must go onでNYを目指す→残されるTSUBASAの落伍感、落胆と失意)。このシーンで、次の展開を「そうか」と予感する。

 ストーリーが読める、ということは「三秒に一度の衝撃」と矛盾するかもしれないが、作品として納得できてきた、ということでもある。もちろん「再演」だから練られている(Act・Themeリストともにパンフレットに既に掲載)ともいえるのだろう(個人的には「驚かせりゃ何でもあり、ってなもんでもなかろう」な派なんで…)。

※Millennium SHOCK(2000)の場合、「四天王」4人分の配役の必要上AKIRAのような「向こう見ずな転落役」がいた。昨年度のSHOCKの転落シーンも(「悪魔」の存在は新しかったとはいえ)その延長上にあるような気がしていたのだ。

〔8〕負傷にも関わらずShow must go onの舞台「ジャパネスク」。こちらも前回と異なる。台詞の多い「ハムレット」はない。全体的に火炎・仮面ときて殺陣立ち回りの、動的身体表現を専らとするSHOWで攻める。とにかくこのシーン、殺陣の皆さんとKOICHI先生は休むことなく疾走する(早替りで入れ替わっているがそう見える)ところが見もの。(ちなみにヤマタノオロチ調の怪物は舞台右袖にハケると自分の席からは隠れて見えないなどという椿事も。)
 
 五条橋をイメージしたと思われる階段のセットが回り、田中氏(牛若?)笛で登場の後、長刀弁慶のKOICHI、途中から剣劇へ。ざんざん斬りまくり斬られまくり(なんか火縄もどきで撃たれたりするのは時代考証的にはOKなのだろうか?でも許す(笑))の末、KOICHI先生階段上に果てると思うとカルミナプラーナ(またも恒例)で運ばれて見栄を切る?のであった。

 ※観劇していて、ハムレット等の台詞芝居は(そこに何らかの展開上必然的な意味を置くのであれば必要としても)舞台上の演者の肉体的な「動き」のスピードがどうしても遅くなるものだ、と改めて思い出す。殊にMillennium Shockで東山=父王の貫禄を目撃してしまった自分は、昨年度ShockのKOICHI二役に「まだ、細いかな」という正直な印象を拭いきれないという感覚があったので、今回の「殺陣中心」は見せ方として正解かも、と個人的な感想。

 堂本光一氏の「動く」キャラクターによるところもあるだろう。元々市川雷蔵好きな近所の年配の某御婦人の意見によると、細く腰高ながらの立ち回り(ついでに黒ぶちメガネで背広だと、金髪で無ければ一見すごく普通の人に見える点)で、ぴかいち君が気になる(もちろんdancingな殺陣であるから比較対象外としての個人的意見である)のだそーだ。ほおお。光一氏本人も結構好きで案外やってみたいんじゃないのかなあ?「薄桜記」(1959、大映)みたいなグレイトヒロイックな御最期(この手のやつって好きな人はかなり好きかと思います・笑)。こういう時のKOICHI先生は、体力的には非常に大変だとは思うが、素人目にも見ていて「実に楽しそう」に見えるのであった(そのことについてはまた後述の予定)。

かくして「満身創痍」ながらも「Show must go on」、な本編のテーマともあいまった象徴的意味の展開をジャパネスクに見た感あり(いちおうKOICHIも事故ってるということで。これについてもまた後述する予定)。



  …………………〔9〕へつづく。

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