一日寝かせたカレーを食べる

休日の月曜、妻がカレーを作った。
昔のテレビコマーシャルではないが、年末から正月にかけて和風の食事が続くと、なんとなくカレーが食べたくなる。
子供のいる家庭では夕食の定番メニューなのだろうが、夫婦二人の我が家では夕食にカレーが出ることはめったにない。
たまに出たとしても、それは妻が真鍮のスパイスクラッシャーで香辛料を粉砕する所からはじまるエスニック料理であって、（それはそれで美味いのだが）言うところの「カレー」とはちょっと違う。
で、今回作ったのは、牛肉とジャガイモとニンジンを炒めたタマネギと市販のルウで煮込んだ、いわゆる普通の「カレー」だ。
仕上げにガラムマサラを少し加えて、香りと辛味を足してあるが、基本的には「ハウスジャワカレー中辛」である。
当日は、昼食用に買って残しておいた、肉屋のコロッケをご飯に埋めて食べた。
まったく悪くない。
そして昨夜は、炊きたての白ご飯のみ。
一日寝かせたカレーを味わう幸せは、日本人なら誰にでもわかるはずだ。
ただ一つ問題なのは、夕食がカレーだと食前のビールしか酒が飲めないこと。
まあ、たまにはそれも悪くない。
カレー粉に入っている香辛料には、胃腸薬の原料になる漢方薬と同じ物が何種類も含まれているそうだ。
年末年始に酷使した胃腸や肝臓のために、正月明けのこの時期、カレーを食べるのは理にかなっている。
カレーは七草粥と同じくらい偉いのだ。