「食物の吸収をよくする発酵化学の開発は、食料増産と同じ結果をもたらすのである!」
てな台詞が、高橋留美子の初期の短編にあった。
ま、食糧増産はともかく管理人自らが身を投じた果敢なる人体実験によって、酒量増量は疑う余地もなく実証されている!
おお、今回はサイエンスティックじゃ!
というわけで、まずは発酵食品の王者「近江の鮒ずし」ど~ん!このみっしりと詰まった卵をちまちまほぐしながらちびちび酒を飲む。
湖国に生まれてよかったと、しみじみ思う雪の夜。
卵を食べきったら枠(身の部分ね)を椀に入れて熱湯を注ぐととろりと軟らかくなって、極上の箸洗いに。
似五郎さん、ありがとう!
続いては発酵食品の定番「味噌漬け豆腐」
浅漬けはご飯のおかずにもいいけど、ほとんど味噌と同化したような古漬けは酒の肴以外の何物でもない。
箸の先に少しくっつけてぺろっ!
倍化した大豆の旨みと味噌の甘みが舌上にじゅわ~と広がったところで、キリッとした燗酒をきゅっ!
日本人に生まれてよかったと、しみじみ思う週末の夜。
お次は、残った山葵を刻んで濁醪糟に漬けこんだ自家製の「山葵漬け」
麹の香りが酒を呼び、とろんと弛緩した心身を鮮烈な辛みがピリッと引き締める!
この珍味を楽しめるのも海無し県だからこそ。
その心は、新鮮な魚がなかなか手に入らないからお造りに山葵を使いきれない(苦笑)
ま、金に糸目をつけなければ何とでもなるんやけどね(^^;
ちなみに鯉や鮒のお造りは、どろ酢で食べるのが管理人の好み。
さて、どん尻に控えしは、日本を代表する発酵食品漬物の女王「すぐき」。
年末に仕入れたのはまだ漬かりが浅くてイマイチ味が乗ってなかったんだけど、年を越して旨みがグンとアップ。
すぐきについてはなんにも語ることはおまへん。
あえてひと言語るとしたら・・・
「すぐきで酒飲むんめっちゃ好きや~」
以上
京都の隣に生まれてよかったと、しみじみ思う冬の夜。
そしてこのそうそうたる発酵食品群に敢然と立ち向かうのが
「雨垂れ石を穿つ」
きき酒会で試した時には常温だったせいかそれほど印象に残らなかったんだけど、燗をつけると香りがふわ~と立って旨みがぶわ~と膨らんで「なんじゃこりゃ、うまいやんけ!」
まさに燗映えする酒の典型。
で、冬のお気に入りの一本に。
そうそういつもは買えんけどね(貧笑)
週末の夜、浮世の寒風にさらされて冷え切った心身を温かく癒してくれる発酵食品の皆さん。
旨い酒と美味い肴があれば、大寒波もまた楽し。
これで赤いベベ着た姐ちゃんが酌なんかしてくれたら言うことないんやけどね(^^)