みーばい亭ブログ

言いたい放題! 飲み放題!

緑の鎮魂歌

2012-07-29 13:08:48 | 生き物の話
押井守監督の出世作『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』は、日本アニメの名作として、現在でも各方面で高い評価を受けているが、その内容は『うる星やつら』とは、まったく別物である。
実際、原作者の高橋留美子が、試写会場で激怒したというエピソードも残っている。
そこまで押井演出が強烈なインパクトを与えたせいで、その後、シリーズが迷走してしまうことになる。
『ビューティフル・ドリーマー』の作画を担当した、やまざきかずおが監督を務めた4作目『うる星やつら4 ラム・ザ・フォーエバー』も、意思を持った街が紛れこんだ宇宙人ラムを異分子として排除しようとする・・、押井ワールドの影響をもろに受けた、難解で陰鬱な映画になってしまっていた。
能天気なドタバタが身上の原作の、どこをどう弄ったらここまで暗い映画ができるのか・・・、まったく80年代はユニークな時代だった。

さて、みーばい亭のリビングに鎮座する『磯水槽』。
しつこいようだが『磯』水槽だ。
『磯水槽』なのだから、タンクメイトは管理人のホームグランドである、若狭から越前にかけての磯で採集した生物ばかりのはずなのだが・・・。

イシワケイソギンチャクのサルラックが突然死した。

太平洋岸の某干潟で採集したシオフキの殻に付着していた、1㎝にも満たない小さな刺胞動物を水槽に放り込んだのが、昨年の春。
その後、みるみる巨大化し、一時は妖怪アマクサアメフラシと共に、磯水槽のメインキャラとして一世を風靡した。
干潟の生き物なのに・・・だ。
成長限界に達してからは、強い自己主張を示すこともなく、水槽の片隅で伸びたり縮んだりしながら、なんとなく風景として馴染んでいたのだが、突然捩れたように縮まって動かなくなり、そのまま生体反応が消えうせた。
念のため一晩様子を見てから取り出した時には、すでに体が崩れて溶け落ちる一歩手前の様子を呈していた。
原因はまったく分からない。
イソギンチャク類は一般に長寿と言われているが、成長の早さから慮ると、これがイシワケイソギンチャクの寿命だったのかもしれない。

話は越前海岸に飛ぶ。
表層の水温が真夏並みの28℃に達しているというのに、場所によってはアオサが緑濃く茂っている。
先月は灰色に腐っていた苔石も、綺麗な緑に復活している。
何年通っても磯は不思議な世界だ。
そんな不思議な世界をほんの少しだけ真似てみた『磯水槽』

もしかしたら磯の意思が水槽から「異分子」を排除しようとしたのではないだろうか?
思いがけず緑豊かになった水槽を眺めていたら、・・・なんとなくそんな気がしてきた。



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夏の夜の夢

2012-07-22 19:44:48 | 日々の戯れ

頃やよろしく、週末の夜。
裏庭のユスラウメの枝で、一頭のアブラゼミの羽化がはじまった。

裏庭ビオトープ化計画に着手したのが、2005年の夏。
土を入れ落葉を鋤き込み、土壌を改良したうえで、1メートルほどのユスラウメの若木を植え付けたのが、2006年の2月。
あれから6年。
この木で育った最初のアブラゼミなのだろう。
その羽化に立ち会えたことは、この上ない僥倖だった。
まだまだ一里塚に過ぎないが、小さな達成感を味わった夏の夜。

日本昆虫協会理事の木村義志氏が、自著「机の上で飼える小さな生き物」の中で、セミの羽化について述べられている一文を、生き物好きの読者諸氏に紹介しておく。

「世の中には退屈でも経験しておいてよかったと思うものと、その時は面白くてもあとで時間の無駄をしたと悔やむものがあるが、セミの羽化は明らかに前者である」





子供の頃、知識不足から羽化途中のセミに手を出して、何頭も死なせてしまった苦い思い出がある。
粛々と進む羽化の最中に、何度もフラッシュを焚くという無粋な行為が、羽化に影響を与えないか内心冷や汗ものだったが、明け方には無事に翅も乾き、体も固まったようだったので、一安心。

これから始まる数週間の成虫時代に、幸あらんことを。

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初蝉!

2012-07-16 20:46:04 | 日々の戯れ
梅雨模様から一転の猛暑・・・だが、
みーばい亭は、ようやく部屋に器材を並べて、レギュレータとBCDのチェックを済ませた所(^^)
うっとこの夏入りは今週末からかな?

そんな中、今シーズン初めてのセミが部屋に飛び込んできた。
裏山で鳴きはじめたニイニイゼミ。
みーばい亭局中法度には、室内に飛び込んできた昆虫は、「陸寄居虫ノ餌ニ為ル事申付べク候也」と、書かれているのだが、オカヤド槽には鶏の脂とか、フライドポテトとか、睡蓮の葉っぱとか色々入っているし、見ればメス個体で、産卵を終えていないのなら殺すには忍びない。
今回は特例として見逃してやるか。

速魚を見習って、いつか恩返しに来いよ。
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むしめづる姫

2012-07-14 23:08:05 | 日々の戯れ
「風の谷のナウシカ」の原典が、オデュッセイアに登場するパイアキアの王女ナウシカであることは良く知られているが、単行本1巻の表紙裏には、ナウシカから堤中納言物語(宮崎駿は今昔物語と書いているが)に登場する虫愛づる姫君を連想し、ナウシカと虫愛づる姫君が自身の中で同一人物となったことから「風の谷のナウシカ」が誕生した・・と云うような事が書かれている。

この虫愛づる姫君、他にもさまざまな場所で引用されているので、御存じの方も多いだろう。
夢枕獏の人気シリーズ「陰陽師」にも、この姫君が登場する一編がある。
ここでは、従三位橘実之の娘露子姫と云うことになっているが、その性格は堤中納言物語の虫愛づる姫君をほぼ踏襲している。
つまり、人目を惹く美貌の持ち主ながら、年頃になっても眉を抜かず歯も染めず、子供のままの好奇心を持ち続け、烏毛虫(カワムシ=芋虫、毛虫の類)を飼い、観察し、羽化させることを無上の喜びとする、愛すべき姫君である。
私など平安時代に生きていたら一も二もなく結婚を申し込むところだが、当時としては非常識極まりない変人であって、もちろん嫁の貰い手もなかったとか・・・。
そんな娘の将来を案じた父親は、播磨の陰陽師蘆屋道満に相談を持ちかける。
道満は蟲毒の法を用いて、呪祖の掛かった烏毛虫を作り露子姫にあてがう。
際限なく成長する不気味な烏毛虫を見れば、虫への情熱も冷めるだろうという腹だったのだが、露子姫は意に介せず烏毛虫を飼い続ける。
牛ほどに育った烏毛虫が蛹になるに至って、橘実之が安倍晴明に泣き付いてくる・・・。
そんな話だ。
道満が蟲毒で作った烏毛虫から何が生まれるかは、飼っていた人の心が決めると言う。

「誰でも、人はその心の中に鬼を棲まわせている」
「だからこそ、人は、人を大事にするのさ」
「その鬼が自分の心の中から顔を出さぬよう、人は自分を大事にする」
「鬼が、人の心の中から顔を出さぬよう、自分と同様に人の事も大事にする」

やがて羽化したのは、一点の穢れもない美しい翅を持った式神だった。
心の底から生き物を愛する少女が育てたのだから、当然の結果だろう。
だから、私は生き物好きの人間は無条件で信用してしまうのだ。
そして・・・、生き物嫌いの人間を信用しないのだ。
不快害虫などという意味の分からないレッテルを貼って、身近な生き物を排除する人間が大嫌いなのだ。
ヤドちゃんカワイー・・とか書きながら、虫が嫌いと平然とのたまう、生き物嫌いのオカヤド飼いを大量生産した、株式会社トミー(現タカラトミー)を、未だに許せないのだ。

「鬼は、人の心の中にいる。しかし、その鬼が見えぬからこそ、人は人を恐れ、人を敬いもし、おしたい申しあげたりするのさ。この鬼が、本当に見えてしまったら、人の世は味気なかろう」

近頃、近隣が騒がしい。
虫愛づる心を持たぬ連中が育てた烏毛虫から孵ったのが、例のクソガキどもなのだろうが、私に云わせれば、自ら鬼だとか鬼女だとか称して悦に入っている板民も、胡乱な情報を無責任に二次発信、三次発信しているブロガーも、皆同類である。

「鬼と女とは人に見えぬぞよき・・・。」

心に棲む鬼を衆目に曝け出すことに、何の逡巡もない人間達がおぞましく渦巻くネット社会。
いつから人の世は、こんなにも味気なくなったのだろう?
彼らが育てる烏毛虫からは、いったい何が生まれてくるのだろう?

いと・・・あさまし。

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雑食かっ!

2012-07-13 21:42:16 | 生き物の話
今日、ヒグラシの初鳴きを聞いた。

梅雨も終盤に入ってクリルがすっかり湿気てしまった。
ちょっと酸化したら食わないオカヤドカリはもちろん、磯の甲殻軍団や刺胞ペアも、ソッポを向くくらいだから、よっぽど不味いのだろう。

そんな中で唯一気を吐いているのが、筋金入りのスカベンジャー「アラムシロ」。



貝としては素早い方なのだが、十脚を有する甲殻軍団には餌の取り合いで勝てるわけもなく、今までひもじい思いをしていたのだろう。
湿気たクリルはまだまだあるから、しばらくは腹一杯食べておくれ・・・って、そこに居るのはブドウガイやん!



アンタ雑食やったんか!
おいおい、6/9の記事に「がんばれ!草食系男子」って書いた管理人の立場はどうなる・・・。

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緑が池

2012-07-08 19:06:39 | 生き物の話
計画停電の案内が回ってきた。

まあ、言いたいことは色々あるが、我が身第一で責任を取る覚悟も器量もない連中が政リ事や経済の中枢を担っている国に住む不幸と諦めるしかないか・・・。
社会の混乱や経済の停滞はいいとして(よくないが)、さしあたって心配なのが、冷凍保存している秘蔵の食材と磯水槽の生き物たちの安否である。
さて、どうしたものか・・・。
それにしても、「食べる」という生物としての根幹的な部分から、生き物飼育と云う他愛ない趣味まで、電気なしには成り立たないという事実を改めて突き付けられると背筋が寒くなる。
進化の方向が間違っている気もするが、文明は後戻りできないのだから仕方がない・・のだろうか?

ところで・・、
ほんまに電力足らんのか?
報道を見る限りでは、良からぬ作為が感じられるのだが・・・。
などと、世間に渦巻く不安や不満や不信を尻目に、気楽に泳ぎ、気楽に殖えているのが庭のメダカたち。
太陽と雨の恵みだけで、今年生まれの仔メダカたちも順調に育っている。
とはいっても、水草の剪定や底さらいなど、最低限の「手」は掛けているから、野生ではなく、あくまで「飼育個体」である。
電力フリーでストレスフリーの飼育槽。

節電の夏に、メダカ池から学ぶ事は多いかもしれない。
コメント

梅雨緑

2012-07-01 11:21:43 | 生き物の話
夥しい情報が溢れ、発酵し、腐敗しまくっている、ネット時代においては、その選択能力、言い換えれば嘘を嘘として見抜く能力の鍛錬が求められている。
鍛錬と言えば大仰だが、要は自分自身の知識の幅を広げておく・・、これに尽きるのではないかと思う。
ネット上においての情報選択とは、あくまで自分自身の知識や考えを補強するための行為であって、複数の情報の中から、それに近い情報、つまり自分が正しいと思う情報を選び出す行為に過ぎないわけで・・、その為にまず自身にある程度の「予備知識」仕込んでおくことが必要だということ。
ま、卵が先か鶏が先か論だが(^^;

オカヤドカリ飼育情報においても、アホ業者が曲解して垂れ流した「ポップコーンが好き」という情報は、多くのヤドちゃん飼育者に選択されて一世を風靡したが、某サイト・オーナーが発信した「ゴキブリの死骸が好き」という情報は、コアなオカヤドカリ愛好家の支持を得るに留まっている(爆死)
オカヤドカリを無機質な「おもちゃ」として定着させ、生き物嫌いのヤド飼いさんを大量生産した呪いは、8年が過ぎた今も健在ということか。
恐るべし「ハーミーズクラブ」。

そういえば、今朝の新聞の書評に面白い話が載っていた。
ノミや蚊など、人体に直接害を与える昆虫は、江戸以前から駆除が試みられていたが、ゴキブリが害虫として駆除の対象になったのはここ40年くらいの事だとか。
言われてみれば、ゴキブリに大した害はない。
アレルギー物質や細菌を媒介すると言っても、それはカタツムリでも蛾でもサワガニでも同じな訳で、駆除理由としてはこじつけの感がある。
日本人にゴキブリを嫌悪する感情を植え付けたのは、虫駆除業者の商業的戦略によるものなのだそうだ。
ゴキブリもいい迷惑である。
ちなみにゴキブリ駆除は年間500億を超える市場だとか・・・やれやれ。

さて、「ゴキブリが好き」情報は、駆除業者の陰謀によって、大多数の読者の「考え」に適合できず一般化しなかったが、「オカヤドカリは緑色が好き」という情報は、ヤドちゃん飼育者にも受け入れやすかったのか、結構引用され定着しているようだ。
ちなみに、大元のソースはこちらである。
http://ppd.jsf.or.jp/jikken/jikken/13/howto01.htm

緑色は癒し効果があるとか目に優しいとか・・、世間一般の好感度が高い色のようだ。
管理人は、冬枯れの野山でも、紺碧の外洋でも、それなりに癒されるのだが、この時期特有の水気をたっぷり含んだ緑景も、もちろん悪くない。
どこかで鳴いているヒキガエルやホトトギスの姿を思い描きながら、休日の午後にのんびりと飲むビールは、もっと悪くない(笑)


上の画像は緑藻石に群がるヤドカリたち。
そろそろ水温が上がって、管理人のメイン・フィールドの磯でも、アオサが枯れ始め、苔も腐っていて、きれいな藻石を見つけるのに苦労したが、これだけ喜んでくれれば報われる。
この勢いなら3日も持たずに丸坊主にされそうだが・・。




胡瓜の葉裏で雨宿りをしている、ハラビロカマキリ。
ベランダの壁に産みつけられた卵塊から孵った幼虫の生き残りだろう。
緑のバックに映える反り返ったお腹のシルエットが可愛らしい。
成虫はちょっとブサイクだが・・・。




こちらは水槽内に産みつけられた謎の卵塊。
さて、鬼が出るか蛇が出るか・・。
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