みーばい亭ブログ

言いたい放題! 飲み放題!

片口!

2009-02-13 23:02:13 | 新・ほろ酔いキッチン
何年か前に夢枕獏の「陰陽師」がブームになったのをご記憶だろう。
妻が野村萬斎贔屓ということもあって、我が家の書棚に何冊か並んでいる。
この物語は、まず主人公の二人、安倍清明と源博雅が、一条安倍屋敷の濡れ縁で「野山を切り取った」ような、庭を眺めながら盃をかわす場面から始まることが多い。
四季折々の景色と四季折々の肴を友にほろほろと酒を飲む場面は何度読み返しても、心がほっこりと和む。
彼らが飲んでいるのはどんな酒なのだろう?
時には胡の国から渡ってきた「葡萄の酒」などを飲んでいることもあるが、普通に考えれば「米の酒」と思われる。
この時代、まだ蒸留技術は伝わっていないだろうから醸造酒、つまり「日本酒」なのだろうが、もちろん現代風の「清酒」ではない。
当然、パンイーストやクエン酸などを添加しているわけもない。
想像するに、酒(日本酒)の原点である、菩提仕込み、つまり米と麹と水だけで醸された「濁酒」なのだろう。
お米の国の正しい「酒」である。
昨年から我が家でも菩提仕込みを参考にして、自己流で酒を仕込んでいる。
添加物まみれの屑酒を蔓延させた上、理不尽にも心ある左党たちが本物の酒を仕込むことを禁じたアホ行政への、ささやかな抵抗である。
まあ、それはともかく・・。
順次沸き上がった濁酒を賞味しているのだが、せっかく貴重なお米を使って丁寧に仕込んだ酒だから、敬意を表してそれなりの酒器で愉しみたい。
というわけで、地元信楽焼の片口とぐい呑みを奮発してしまった。
景気の冷え込みで何かと委縮しがちなご時世だが、こんな時だからこそ思い切った散財で財布を軽くするのもいいだろう。

「野山を切り取った」・・というより、野山そのものの裏庭を眺めながら、手にしっくりと馴染む片口で酒を注ぎつつほろほろと飲む幸せ。
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月の清しゃ

2009-02-09 21:25:46 | 生き物の話
満月大潮初日の8日、小さいほうの「琴」が久しぶりに貝殻を交換。
続いて先月から脱皮モードに入っていた大きいほうの「ジュニア」が地上に生還。
水槽の砂の上に産み落とされてタッパーで孵化、まったく「海」を知らずに育った彼らだが、体内時計は月齢と確実にリンクしているようだ。
わずか数ミリの小さな体の中にも、数億年に及ぶ進化の記憶がしっかりと刻み付けられているのだろう。
このまま宇宙の理に沿って素直に育って欲しいものだが、時にワケのわからん行動パターンをとる親たちを見ていると先行きが不安になる(笑)
素直で可愛いのは今だけなんだろうなァ・・。

タイトルの「月の清しゃ」とは、八重山に伝わるわらべ唄「チョーガ節」をアレンジした佳曲。
マピローマの月夜に、水槽のオカヤドカリたちを眺めながら膝の三線で「月が美しいのは十三夜、娘が美しいのは一七歳・・」と綴られるファムレウタを爪弾いていると、いつしか海の温かいあの島へとマブイが飛ぶ。
海を知らない小さなナキオカヤドカリたちにも、いつかあの風景を見せてやれるといいのだが・・。

※マピローマ=真昼間、転じて昼間の様に明るい月夜をあらわす
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ナキオカヤドカリ・イヤー

2009-02-08 11:23:09 | 生き物の話
「オカヤドカリの寿命は20年から30年」というのが、業者の通販サイトから末端の愛好者ブログまであちらこちらで見かける「通説」なのだが、元々の情報ソースは海外サイトの記述だったと記憶している。
当然オカヤドカリの種類が違うわけで、日本国内で流通するオカヤドカリにそのまま適用するには疑問がある・・とはいうものの、大型のオカヤドカリ(Coenobita cavipes)やムラサキオカヤドカリ(Coenobita purpureus)が、20年以上の寿命を持つのは確実。(オオナキオカヤドカリ(Coenobita brevimanus)については「確実」と言い切るだけの情報を持っていないが、オカヤドカリ(Coenobita cavipes)に準じて良い思う)
ただし、ナキオカヤドカリ(Coenobita rugosus)はそれほど長命ではなく、せいぜい10年から15年程度の寿命ではないかと考えている。
素人の仮説に過ぎないがそれなりの根拠はある。
その胡乱な根拠に基ずく胡乱な仮説に基ずいて「ナキオカヤドカリ・イヤー」を算出してみると、ナキオカヤドカリの1年がヒトの7年に相当することになる。(世間ではドッグ・イヤーともいうが(笑))
もちろん、ヒトとナキオカヤドカリの成長曲線が同じなわけはないが、この仮説で換算すると、2年で14歳だから、「上陸した仔ヤドカリは2年で性成熟する」という(学術的)定説とも合致するではないか!
ということは、それほど的を外してはいないだろう。

・・・と、前フリが長くなったが、昨年の夏、我が家で産まれたナキオカヤドカリがこのたび生後半年を迎えた。
みーばい亭説のナキオカヤドカリ・イヤーで換算すると3歳半。
可愛い盛りである。
ちなみに、我が家に来て8年目になる父親は、2000年の夏生まれと推定されるので、ヒトでいうと約60歳。
風貌からすると、こちらも妙に納得できたりして(笑)
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磯屑近況

2009-02-02 20:55:02 | 生き物の話

磯水槽に来て三ヶ月、元気かどうかよく分からないが、一応それなりに暮らしている。
最初のうちはイカ肉など動物性の餌にも多少興味をしめしたが、基本的に菜食主義のようで、乾燥アオサ、塩蔵ワカメ、塩モズクなどで、満足している模様。
フコイダンたっぷりのヘルシー・メニューだから、コレステロールや中性脂肪値は低いことだろう。(笑)
背中に植えていた海藻は、ヤドカリたちにすっかりむしられてしまって丸裸。
今はせっせとサンゴ砂を乗せているのだが、ちょっとでも動くとバラバラと落ちてしまって、一からやり直し・・、なんとも不憫である。
これなら、底砂に潜り込んだほうが早いと思うのだが、彼には彼なりのこだわりがあるんだろうなぁ。
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