何年か前に夢枕獏の「陰陽師」がブームになったのをご記憶だろう。
妻が野村萬斎贔屓ということもあって、我が家の書棚に何冊か並んでいる。
この物語は、まず主人公の二人、安倍清明と源博雅が、一条安倍屋敷の濡れ縁で「野山を切り取った」ような、庭を眺めながら盃をかわす場面から始まることが多い。
四季折々の景色と四季折々の肴を友にほろほろと酒を飲む場面は何度読み返しても、心がほっこりと和む。
彼らが飲んでいるのはどんな酒なのだろう?
時には胡の国から渡ってきた「葡萄の酒」などを飲んでいることもあるが、普通に考えれば「米の酒」と思われる。
この時代、まだ蒸留技術は伝わっていないだろうから醸造酒、つまり「日本酒」なのだろうが、もちろん現代風の「清酒」ではない。
当然、パンイーストやクエン酸などを添加しているわけもない。
想像するに、酒(日本酒)の原点である、菩提仕込み、つまり米と麹と水だけで醸された「濁酒」なのだろう。
お米の国の正しい「酒」である。
昨年から我が家でも菩提仕込みを参考にして、自己流で酒を仕込んでいる。
添加物まみれの屑酒を蔓延させた上、理不尽にも心ある左党たちが本物の酒を仕込むことを禁じたアホ行政への、ささやかな抵抗である。
まあ、それはともかく・・。
順次沸き上がった濁酒を賞味しているのだが、せっかく貴重なお米を使って丁寧に仕込んだ酒だから、敬意を表してそれなりの酒器で愉しみたい。
というわけで、地元信楽焼の片口とぐい呑みを奮発してしまった。
景気の冷え込みで何かと委縮しがちなご時世だが、こんな時だからこそ思い切った散財で財布を軽くするのもいいだろう。
「野山を切り取った」・・というより、野山そのものの裏庭を眺めながら、手にしっくりと馴染む片口で酒を注ぎつつほろほろと飲む幸せ。
妻が野村萬斎贔屓ということもあって、我が家の書棚に何冊か並んでいる。
この物語は、まず主人公の二人、安倍清明と源博雅が、一条安倍屋敷の濡れ縁で「野山を切り取った」ような、庭を眺めながら盃をかわす場面から始まることが多い。
四季折々の景色と四季折々の肴を友にほろほろと酒を飲む場面は何度読み返しても、心がほっこりと和む。
彼らが飲んでいるのはどんな酒なのだろう?
時には胡の国から渡ってきた「葡萄の酒」などを飲んでいることもあるが、普通に考えれば「米の酒」と思われる。
この時代、まだ蒸留技術は伝わっていないだろうから醸造酒、つまり「日本酒」なのだろうが、もちろん現代風の「清酒」ではない。
当然、パンイーストやクエン酸などを添加しているわけもない。
想像するに、酒(日本酒)の原点である、菩提仕込み、つまり米と麹と水だけで醸された「濁酒」なのだろう。
お米の国の正しい「酒」である。
昨年から我が家でも菩提仕込みを参考にして、自己流で酒を仕込んでいる。
添加物まみれの屑酒を蔓延させた上、理不尽にも心ある左党たちが本物の酒を仕込むことを禁じたアホ行政への、ささやかな抵抗である。
まあ、それはともかく・・。
順次沸き上がった濁酒を賞味しているのだが、せっかく貴重なお米を使って丁寧に仕込んだ酒だから、敬意を表してそれなりの酒器で愉しみたい。
というわけで、地元信楽焼の片口とぐい呑みを奮発してしまった。
景気の冷え込みで何かと委縮しがちなご時世だが、こんな時だからこそ思い切った散財で財布を軽くするのもいいだろう。
「野山を切り取った」・・というより、野山そのものの裏庭を眺めながら、手にしっくりと馴染む片口で酒を注ぎつつほろほろと飲む幸せ。