コアな読者にマニアックなご愛顧を頂いている、「地味~な住人シリーズ」最新版!
冒頭画像は、お馴染みクボガイの久保さん。
水槽にやってきたのが2005年だから、めでたく10周年を迎える地味~な長老。
長らく着生していたキクスズメが力尽きて3年。
着痕の生々しさはだいぶ薄れたけど、二人三脚で歩んだ印は未だ消えず。
懐かしい青春の1ページですか。
こちらは、初お目見え。
ヨコエビ(端脚目)かと思ったけど、なんとなくグソクムシ(当脚目)のような気もする。
誰か教えてくんなまし。
この手の地味~ずはあんまり長生きしないのだけど、夏から年を越して生きているツワモノ。
普段はどこに隠れているのか知らんけど、餌をまくと突然現れて、水面近くを派手に泳ぎまわるパフォーマンスを披露してくれる。
あ、地味じゃないか(^^;
そして、こちらは今は地味・・あくまで「今は」地味なカニちゃん。
夏にアオサと一緒に侵入した湧き者なんやけど、どうやら数年前水槽を修羅場と化したイワガニの一族らしい。
さて、どうしたもんか。
今は、可愛いんやけどねぇ・・・。
おまけ
初代は寿命を終えたけど、2代目、3代目がごらんのとおり。
給餌 週一・・くらい
換水 月一・・するかしないか
エアレーションなし
究極の「エコ・ペット」。・・って、ペットなのか? これ(^^;
裏山にちょくちょく顔を見せる鹿をちょいと一頭〆た・・・わけじゃないけれど、2014年12月2日に市内の山林で狩られた個体だから、もしかしたら血縁かもしれない。
もちろん新鮮なうちに刺身で堪能したのだけど、雑食動物の管理人はそうそう血の滴る生肉ばっかりも食っていられないので、半分ほどは自家製の味噌と糟を合わせた床に漬けこんで保存食にしておいたわけだ。
1月も早や後半、冬ごもり用の備蓄も底をつき、とうとう虎の子の「鹿肉の味噌糟漬け」に手をつけることになってしまった。
獣肉(ももんじ)は、臭いとか固いとか世間の誤解があるみたいだけど、脂気のない赤身なのに口中で蕩ける軟らかさ。
そのくせ、味噌にも糟にも負けない強かな味わいがある。
例えるなら、ニューエイジステッパーズのダブ・ミックスの中で、縦横に踊りまくるアリ・アップのヴォーカルみたいなものか。
この強靭なサウンドに対抗するのは、J・J・バーネルのベース・ラインみたいな腰の強さと、ヒュー・コーンウェルのヴォーカルの艶っぽさを兼ね備えた、湖西の銘酒「琵琶の長寿」の特別純米。
カンカンと熾る炭火と、冷たい純米酒のコラボレーション。
熱い魂と醒めた視線。
オリジナル・パンクの混沌の中でレゲエに触れ、ラスタファリズムに心酔し、ヨーロッパ人ゆえにラスタの思想を純化させ、挙句、乳癌治療を拒絶して48歳で世を去ったアリ・アップの半生を、カンテキ越しに元社会学部の凪さん相手に語ってしまいましたがな(^^;
今宵の酒席にその身を捧げてくれた鹿さん。
貴方にこの言葉を捧げます。
生き残るのは必ずしも幸運なことではない!
御世ぬ春風 誘わりてぃ出ぢる
深山鶯ぬ ふきる秀らさ
と、琉球でなら唄われるんやろうけど、あいにくヤマトは厳冬真っ只中。
さすがに裏山の食料も尽きたのか、めったに人前に出ない鶯もたまに姿を見せるけど、目下食うのに精一杯で、「ふきる」余裕などは無いようで(笑)
とはいえ、春は着実に近付いているようで、店頭には早くもカマスゴやソラマメが並んでいた。
見たからには素通りできるわけもなく・・(^^;
カマスゴは塩揉みして千鳥酢をぶっかけた千六本に埋めて南蛮漬け風酢の物に。
ソラマメは莢ごと焼いて岩塩をぱらり。
あとは・・・と。
中羽イワシの梅煮に搨菜の炒め物。
主菜は鯨刺し。
この脈絡のない多彩な肴に合わせる酒は・・・。
表面張力いっぱいいっぱいの「越乃寒梅」。
かつてのプレミアム酒ということで、「辛口偏重薀蓄垂流自称酒仙親父」あたりには毛嫌いする向きもあるが、綺麗で美味い酒であることは万人のお墨付き。
今時の切れすぎて乾き物しか受けつけない超辛口とか、肴その物を拒絶するような大吟醸とか、「アロマテック」とか「リッチ&フルボディ」とか葡萄酒用語を使って肴を指定する純米酒とか・・、
まあ、それはそれでそれなりに楽しんでいるんやけど、揚げ物や造りには「ウォッシュ」、微妙な塩梅の炊き物や椀物にはしっくり「マッチング」と、相手を選ばない「越後端麗辛口系」の酒っていうのは、気の張らない「普段飲み」の酒としては申し分のない個性を有しているわけで、バブル期においても、京風料理を出す居酒屋で重宝されていたのは必然といえるだろう。
昭和と共にバブルもはじけて四半世紀。
当時のワン・ショットの値段で一升瓶が購える現代。
肴を選ばない越乃寒梅は、普段飲みの酒として、我があばら家にも常備されている。
越乃寒梅も紆余曲折の末、本来の立ち位置に落ち着いたということなんだろう。
さて、夜空の月は朔に近付きつつあるもの、時節は寒の内。
飼い主の酒席にほのかに香る春の匂いを嗅ぎつけたのか、ご老公、春真っ盛り(笑)
脱皮直後の鮮やかな体色は褪せたけど、オカダンゴムシやクズの枯葉をたっぷり食べて、脱皮で削げ落ちた肉置きもすっかり元通りに回復した宇輪に「お代官アクション」(笑)
念のために、覗いてみたけど幸い懐妊には至らず。
がんばるのはええんやけど、そういうことは夏にやってね。
冬は後の始末が大変なんやから・・・飼い主が(^^;
クラシック音楽には浅学菲才の身なので「狂想曲」の本来意味するところなどは知る由もないのだが、フリーフォームの馬鹿騒ぎ曲という額面通りの意味で捉えるならば、The Pop Groupの「Y」などはまさに「狂想曲」である。
未だに聴けば、目が座って凶暴な気分になる名曲「We Are Time」のリフにのって、ゆらりと現れたのが水槽暮らし10年を超える最長老「魔貝」ことヒメヨウラクガイのブラックジャック1号。
おおっ!久しぶり。生きてたんか・・・と、素直に喜べないのは、彼の登場が常に「死」の匂いをまとっているからであって、案の定、今回も古株のケアシホンヤドカリを偲んで酒を飲むことになった。
ヤドカリ社会(?)では、生きているうちは仲良く・・とまではいかないまでも、お互い距離を置いて無関心に暮らしているのだが、死んでしまえば「ただのメシ」である。
カルシウムの殻に包まれた新鮮なタンパク質を享受するのは、言わずと知れた磯水槽の竜虎たち。
もちろん、空き家になった宿貝の所有権をめぐってもひと騒ぎ。
そんな騒ぎを横目に、マイペースな草食系のクボガイさん。
こちらもそろそろ10年の大御所である。
めっちゃ地味やけど(^^;
今日も平和だワカメが美味い!
そして、ツワモノどもがメシのあと。
やれやれ、新年早々騒がしいことで・・・。
こぼれ松葉が 肖り者よ
枯れて落ちても夫婦連れ
というわけで、2015年もほろほろと「正月」やっております。
みなさま、あけましておめでとうございます。
本年も、よろしくお願いいたします。
相も変わらず、ヤドカリだらけの水槽を眺めつつ・・・。