みーばい亭ブログ

言いたい放題! 飲み放題!

春の琴

2014-04-26 22:11:03 | 生き物の話

琴で~す!超~おひさしぶり~・・・
と、いつもの調子でやらかすと、ドン引きするお客様もおられそうなので、今回は素でやりますか(^^;

一応、紹介しておきますと、
名前は「琴」
種類は「ナキオカヤドカリ(Coenobita rugosus)」
性別は「♀」
孵化したのが2008年8月11日
はじめて貝殻に入ったのが2008年9月6日
上陸したのが2008年9月14日 
飼育下で生まれて、個体識別されてネット上で紹介された最初のオカヤドカリ(だと思う)。
父親はみーばい亭オカヤドカリ槽で、長年「暴君」として君臨した黒いナキオカヤドカリ「メイ」。
母親は赤い鉗脚と歩脚、それに黄色い腹部を持った伝説の美形ヤドカリ「クメ」。
母親ほど鮮やかではないが、赤い鉗脚と歩脚を持って生まれた別嬪さんである。
もうすぐ6歳の誕生日を迎える2014年4月26日現在、前甲長13mm。

そして、2012年12月11日
自然の摂理に反して、寒波厳しい師走の夜になぜか放幼。
本人は処女懐胎だと主張するが(ウソ)、1歳年下の異母弟と交配したものと思われる。
管理人の骨身を惜しまない献身のおかげで(かなり間引いたが)厳寒期の2013年1月11日から19日にかけて22匹のグラウコトエが上陸。
そして、2014年4月26日現在、飼育槽で目視できるのが7匹。
まあ、こんなもんか。
TL2.5mm、CL1mm程度のゾエアとして生まれた子供たちも、例によって個体差は大きいとはいえ、立派なヤドカリに成長し、大きな個体は現在前甲長8mm程度。

色合いは母親似の赤い個体と父親似の黒い個体が半々くらいかな。
成長スピードもF1個体と差異はなく、近親交配の弊害は特に見られない。
今のところ、F3をとるつもりは全くないが、さてどうなりますやら。

ちなみにヤドカリは貝殻を背負うので大きさは前甲長(sl)で表すのが普通で、古くからヤドカリを紹介しているサイトオーナーの方々は繰り返し啓蒙されているのだが、ネット上で見る限り全く一般には浸透していないように思われる。
飼い主も飼育個体も短いサイクルで入れ替わっていて、きちんとした知識とスキルを身につけた愛好家が育っていないということなんだろう。
情けないことだが、死んだら採集個体を買って補充するといった、生き物好きがもっとも忌み嫌う「消費的飼育」が顕著にまかり通っているのが、オカヤドカリ飼育の実情である。
やれやれ、いつになったら「ひと夏のおもちゃ」から、「飼育動物」に昇格できるのか?

うっとこも早いとこ水槽を空けてヒバカリを迎えたいんですけどねぇ(^^;

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またまた花見酒!

2014-04-20 22:48:54 | 新・ほろ酔いキッチン

爬虫綱カメ目ヘビクビガメ科マタマタ属に分類される カメの一種   
広辞苑・・・には載ってなかったなぁ。
あ、酔っ払いの戯言ですのでお構いなく(^^;

さて、家の周りの、めぼしい花はすでに散ってしまったが、灯台下暗し。
テーブルの上の盆桜が、今が盛りと咲き誇っている。
というわけで、今宵も花見酒!
酒はもちろん玉栄で仕込んだ「初桜 特別純米 2年物」を、やや熱めの燗で。
満を持しての真打ち登場である。

合わせるアテは、まず「鮒の子まぶし」。
のっけから大物じゃ!

続いて、湖国の定番「えび豆」。

そして「花山椒のしょうゆ炊き」。

春らしさ満開の「花見酒の友」三品!

さらに朝市で仕入れてきた「鯉の筒煮」に「鰻の肝焼き」と主役級が脇を固める。
いや~贅沢贅沢。
湖の恵みでほろほろ飲んで、ほろほろ酔って。
とどめは凪さん手製の「桜餅」


我が青春は悔いだらけ・・、なれど
今宵ゆく春に悔いはなし!

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酒飲みの動物学

2014-04-19 21:49:50 | 新・ほろ酔いキッチン

手元に「ブタの動物学(田中智夫 東京大学出版会)」という本がある。
一応、一般書なのだが「獣医学や畜産学を学んだ読者は・・・」などという記述があったりするから、あまり素人向けではないと思しい。
それでも気まぐれに開いてみると、「世界的なダイエット・ブームでラード用の品種の肩身が狭い」とか「鼻で人間の大人一人持ち上げられる」とか「頚椎の数はキリンと同じ」とか、酒席のネタになりそうな雑学知識が満載だし、「子豚は鼻と鼻をぷちゅっとくっつけて挨拶する」、「おなかがすいてミルクが飲めないときは仲間の尻尾や耳をちゅうちゅう吸う」などといった、ほっこり和むような習性も紹介されていて、けっこう面白かった。
そんな中に、アメリカのコーンベルト地帯で過剰生産のため出荷できないトウモロコシを有効利用するために改良された品種がある、という記述があった。
とりあえずトウモロコシだけで肥育できることが優先で、肉質は二の次だとか。
いかにもアメリカらしい話である。
元々豚肉の関税率は牛肉ほど高くはないとはいえ、例の交渉の結果次第では、どさくさに紛れてこの手の豚肉が大量に日本に流入してくることになりかねない。
さて、どうなりますやらTPP。

閑話休題(ま、それはそれとして)

我が家は、西の牛肉圏にありながら、食卓に上るのは圧倒的に豚肉が多い。
多分に経済的な事情もあって、グラム100円程度の輸入肉なんかもよく利用しているのだが、手前味噌ながら我が家の豚肉料理はそれほど悪くない。
その秘密がお米。
このブログでも時折紹介しているが、うちではヤドカリやイソギンチャクのほかに常滑焼の甕で酵母菌なんかも飼育している。
餌には麹菌の酵素で澱粉を糖化させた白米を与えているのだが、毎年けっこうな量の食べ残しが出る。
この食べ残しの搾り粕に豚肉を漬け込んでおくと、輸入肉独特の脂の臭みが消えて、しっとりジューシーで軟らかくなるのだ!
しかも2週間でも3週間でも保存がきくので、普段のおかずにたいへん便利。
トンカツでもトンペイでも何にでも使えるが、キャベツや白菜などありあわせの野菜と一緒に伊賀焼の土鍋で蒸しあげて、ポン酢で食べるのが管理人の好みである。
なんといっても日本は開闢以来ず~っとお米の国なのだ。
年季の入った米文化をなめたらあかんで。
かかってこんかい、アメリカ豚!
ちなみに国産の高級豚だと、脂がジュルジュルに溶けてしまうのでご注意を(笑)

さて、搾り汁のほうも、煮物なんかに重宝するのだが、とても使いきれないので、仕方なくそのまま飲用に回したりして(^^;
暖かくなったから、いつまでも置いとけないしね。
軒下の香々も糠床の樽から出して冷蔵庫に避難させたし、しばらくこのセットで過ごしますか。
家計にも優しいし(^^;


そういえば、明日は第三日曜か・・。
久しぶりに朝市に出かけて、レア酒でも物色しようかな。
今回は「初桜」の安井酒造さんとか。
楽しみ楽しみ。
え?言うてることが全然違うやん・・て?
「酒飲みの動物学」などという著作を上梓される方がおられましたら、この点の記載をお忘れなきよう。
 「酒飲みは舌の根が乾かない!」

 

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今宵も花見酒!

2014-04-12 22:53:49 | 新・ほろ酔いキッチン

ホテル前の路上で「太陽が黄色いぜ・・」と、つぶやいたのは遠い昔日の話なのだが、ここ最近も妙に景色が気だるげに黄色く見える。
朝鮮連翹、西洋芥子菜、西洋蒲公英、それに人工林の杉花粉に化学物質をたっぷり含んだ黄砂。
そういう季節なのか・・・。
ニッポンの春やねぇ(苦笑)

さて、今週は筍(朝掘り!)に鯉と嬉しい頂き物が続いたので、平日の定番「ご飯にお香々」のシンプルな食卓が、思いがけず豪勢になった。
目の前に「木の芽和え」とか「若竹煮」とか「筒煮」とかが並ぶわけだから、当然酒量も増えるわけで(^^:
この気だるさは肝臓が疲れてるせいなのかな? って俺が黄色いんかよ(爆死)

と、いうわけでこの週末は休肝日・・・のはずもなく、はらはらと散る山桜桃梅とこれから盛りを迎えようとするジューンベリーの「咲きて散る」風情を楽しみながら、今宵もほろほろ花見酒。

まずはカンテキに火を熾し、ソラマメを黒焼きにしてアチアチと莢をむき、岩塩をぱらりとふってパクっ!
一番搾りをグビっ!
ズーパー!

続いて塩鯖の中落ちとカマを焼く。
予定外だが、けっこう良いのが安く出ていたもので。
五月の祭りが近くなると一気に高くなるしね。
ほぐした身を二杯酢であえて炒りごまをふりかけたりすると、それなりの一品になるんやけど、後が詰まってるもんで、今日はそのままつきだしに。
このあたりで、こないだ伏見で買ってきた齊藤酒造の「英勲 純米大吟醸を」花冷えでくいっと食前酒に。
え?一番搾りが食前酒とちゃうんかって?
え~と、それは「先生、バナナはおやつに入るんですか?」と、同じくらい難しい問題なんで、こんどシラフの時にゆっくり話し合いましょう(^^;

さて、気を取り直して・・。
三枚におろした塩鯖の半身は、さっと千鳥酢にくぐらせて生(き)鮨に。
塩〆はすんでるから、らくちんらくちん。
とり残しの花柚をギュッと絞ってかけ回し、端っこを生姜醤油にちらっと浸けてパクっ!
あ・・、俺のお口が・・メルトダウン、と、不謹慎で意味不明な歌がこみ上げてくる。
次の一口に進むためには、とろっとろの脂を一旦ウオッシュする必要があるから、ここは端麗辛口系しか考えられないということで、ガラス盃に注いだ冷やの八海山をグビっ!
ハライソ!
残りの半身は鯖鮨に押して明日のお楽しみ。

そうこうしてカンテキの火がいい塩梅にいこってきたところで、満を持して本日の主役登場!
「散る桜、春の魚は、桜鯛」と、遠山左衛門少尉景元が今際の際に言い残したと伝えられる(ウソ)、春魚桜鯛!
今食わずしていつ食うのだ!
はあはあふうふう思わず鼻息が荒くなる。

まずは、あまり焦がさないように表面だけ焼しめて、洗米の上に乗っけて土鍋で炊き上げる!
でかい!入りきらん(^^;
とにかく無理やり押し込んで火にかけといて、
炊きあがるまでの間に2尾めを焼き上げて、熱々をほぐほぐはふはふ!

あ、あかん。
酒が止まらん。
早いこと〆飯行かんと。

頃合いよく蒸らし上がった鯛飯にほぐした鯛の身を混ぜ込んで、織部の平目椀によそい、庭から採ってきた木の芽をたっぷり。

頂きます。
パクっ!
もぐもぐ。
八海山をグビっ!

あれ?しまっとらへんがな(酔死)

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花見酒!

2014-04-06 10:50:51 | 新・ほろ酔いキッチン

サクラサク

と、言いたいところだけど、これは裏庭の山桜桃梅。
毎年言ってるけど、桜、桃、梅がいっぺんに楽しめるお得な花木が今年もけなげに咲いてくれた。
一袋98円の鶏糞をちょびっと施肥してるだけなんやけどねぇ・・(^^;

まあ、息が詰まるような人波に押されてまで、白々しいソメイヨシノを見に行くこともないわけで、本日は裏庭独り占めの贅沢花見酒!
まずは明るいうちからゆったりと湯につかり、火照った肌を黄昏の風に嬲らせつつ、一番搾りをごっくん!
湯上りのビールはたまりまへん!

で、ひと心地ついたところで宴の支度。

今夜の主役は、先週小浜の市場で買ってきた「小鯛の笹漬け」。
ま、これはそのままテーブルに出して、薬味の山葵をおろすだけだから楽ちん。

合わせる酒は、当然福井の銘酒「黒龍」を熱めのぬる燗で。
矛盾してるみたいやけど、酒飲みの同志諸氏ならお分かりかと(笑)

続いて凪さんの力作「海老の蓮根はさみ揚げ」。

養殖のウシエビだけど、よさそげなのが出てたので。
ポン酢もいいけど、芥子酢醤油で食べるのが管理人の好み。


こちらは「蒸した小芋をつぶして丸めて揚げたん」を田楽味噌で。
付け味噌には濁醪粕と味醂、主役の笹漬けとの同調と黒龍との相性を考えて、スクカラスの漬け汁をほんの少し、さらにコーレーグースを一滴!
これで、酒杯を運ぶスピードが3割はアップする(爆)
さらにスクカラスの唐揚げを添えてみたりして。
これでさらに3割アップ(酔死)
今夜は泡盛じゃないので念のため(^^;


さらに旬のアサリを酒蒸しにして、庭の山椒の木に萌えはじめた木の芽をたっぷり!
スーパーのアサリなんで、どこの産かわからないけど、半日越前の海水で砂出ししといたので、日本海仲間ということで(笑)

今夜も気持ちよく、ほろほろ酔い酔い。
矢でも鉄砲でもPM2.5でも持ってこいってんだ!

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オカヤドカリの飼い方 転載のお知らせ

2014-04-06 10:47:56 | 生き物の話

移管- 管轄をかえること。ある官庁から他の官庁に管轄を移すこと
広辞苑第六版より引用
ちょっと違うな~

移設-施設・機関などをほかの場所へ移して設置すること。
広辞苑第六版より引用
これも違う

転載-既刊の印刷物の文章・写真などを他の印刷物に移し載せること。
広辞苑第六版より引用
まあ、これでいいか。

と、いうわけで「オカヤドカリの飼い方 転載のお知らせ」でございます。

無料のアクセス解析のサービスが切れて久しいのでよくわからないのですが、多分誰も見ていないと思われるみーばい亭サイトの中で、オカヤドカリ飼育コンテンツだけは、局地的というか極地的というかピンポイントにご愛顧いただいているようで、まあ、ありがたいことでございます。
然るに、サイト自体ドッグイヤーで換算すると100年くらい前に開設した代物なので、当然携帯やスマホには対応していないわけで、ま、それはそれでいいのですが、大した記事ではないとはいえ、結構それなりに無い知恵を絞り時間を浪費して書き上げた記事がネット上に無断転載されているのを見るのはあまり気分がいいのもではないわけで、かといってみーばい亭サイトをリニューアルする気力も暇もないわけで、あんな場末のホームページの改装に行政が予算を出してくれるわけもないわけで、どっかのNGOとかNPO団体とかが援助の手を差し伸べてくれるかと期待しつつ無為に何年も放置してきたわけなのですが、もちろんそんな奇特な団体が存在するわけもなく・・・。
と、いうわけで、苦肉の策として、このたびオカヤドカリの飼育関係の記事をブログに転載することに相成りました次第でございます。
新規に別ブログを立ち上げようかとも思ったのですが、いくつもブログを管理するのも面倒なので、ここに新カテゴリーを立ててとりあえず放り込んでおきました。
10年も前にアップした記事ですが、当時は個人的な飼育情報として公開した記事が、(筆者の主観ですが)現在ではけっこう普遍的な内容になっているようなので、一部加筆修正しただけで、そのままコピペして転載してあります。
ま、情報や記録のコピペや使い回しは時流なんでいいかな・・っと(笑)
ついでに新規のお客様もアクセスしやすいようにブログ村とやらにも登録してみましたが、別にアクセス数が増えることもないようで・・(笑)
ま、はなはだ前時代的ではありますが、新進気鋭のオカヤドカリ・マエストロが登場するまでの間、オカヤドカリの飼育情報として、せいぜいご利用くださいませ。

管理人 波風拝

 

 

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オカヤドカリの飼い方 【目次】

2014-04-06 10:44:42 | オカヤドカリの飼い方

このカテゴリーの記事は、2005年から「みーばい亭サイト」で公開中のコンテンツ「オカヤドカリを飼う!」を、加筆修正して再掲載したものです。

下記の目次から各記事にリンクしています。
リンク先記事末尾の「目次へ戻る」から、このページに戻れます。

オカヤドカリ飼育情報として、せいぜいご利用ください。


このコンテンツに掲載されている記事は、専門的な研究に基づいたものではなく、あくまで管理人個人の観察、知識の範疇で作成したものです。
これらの情報の利用により、不利益が生じることがありましても、当方は一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。

また、掲載記事、画像等の無断転載及び引用は、最低限のマナーとしてご遠慮くださいますようお願いします。
特に営利目的による情報の盗用は固くお断りします


オカヤドカリの飼い方 【目次】

はじめに

飼育容器
砂(床材)
貝殻
保温器具(ヒーター)
水入れ
シェルター
温度計と湿度計
その他 あれば便利なもの

日常の管理

餌の話

脱皮について

オカヤドカリの繁殖

 

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オカヤドカリの飼い方 【はじめに】

2014-04-06 10:36:10 | オカヤドカリの飼い方

〈 はじめに 〉
  オカヤドカリは、大変丈夫な生き物です。
洗面器に放り込んで、時々水をかけてやれば、1~2ヶ月は生きているでしょう。
しかし、それでは生き物を飼っているとは言えません。
ゆっくりと殺しているだけです。
「生き物を飼う」と言うことは「生き物を育てる」ことと同義だと思います。
オカヤドカリはきちんと飼えば、脱皮を繰り返し、どんどん大きくなり、冬を越して何年も生き続けます。
もちろん長生きさせるためには、それなりの飼育環境をととのえる必要があります。
この頁では、多くの方々から頂いた情報やアドバイス、それに自分自身の経験に基づいた「オカヤドカリの飼い方」を、まとめてみました。
自分自身、現在の飼育方法が完全に正しいとは思っていませんが、実際みーばい亭のオカヤドカリたちは、何度も冬を越して生き続け、毎年繁殖行動にも及んでどんどん殖えていますので、それほど大筋ははずれていないと思います。
このコンテンツが、皆さんのお宅のオカヤドカリを少しでも長生きさせるための、ご参考になれば幸いです。

※当サイトで飼育方法を紹介している「オカヤドカリ」とは、ペット用として最も一般的に流通している、国産の「ナキオカヤドカリ (Coenobita rugosus)」と「ムラサキオカヤドカリ(Coenobita purpureus)」をさします。
その他にも、内陸性の「オカヤドカリ(Coenobita cavipes)」と、ごくまれにではありますがオカヤドカリと同じような環境に生息する「オオナキオカヤドカリ(Coenobita brevimanus)」が、店頭で販売されていることがあります。
この2種については、「ナキオカヤドカリ(Coenobita rugosus)」「ムラサキオカヤドカリ (Coenobita purpureus)」とは生息環境や生態が若干異なりますので、飼育に当たっては注意が必要です。


 

〈オカヤドカリは天然記念物〉
 オカヤドカリは昭和45年11月12日、「愛玩用に捕獲が進み激減の恐れがある」という名目で、地域を定めず種そのものが天然記念物に指定されています。
つまり、日本国内に生息しているオカヤドカリは、たとえ飼育個体であっても、すべてが天然記念物なのです。
指定にあたっては
①日本特有の動物で著名なもの及びその棲息地
②特有の産ではないが、日本著名の動物としてその保存を必要とするもの及びその棲息地
の、二つの基準が適用されています。
これは日本固有種とされているムラサキオカヤドカリ (Coenobita purpureus)と、その他のオカヤドカリ類をまとめて指定対象としているからでしょう。
ちなみに「天然記念物」とは、文化財保護法によって4区分された文化財(有形文化財、無形文化財、民俗文化財、記念物)の一つであり、人的活動の所産である「文化財」と同列に並ぶ「自然界の記念物」のことです。
我々日本人は、この貴重な天然記念物「オカヤドカリ」を大切に守っていく義務があるのです。  
 

〈オカヤドカリとは?〉 
  オカヤドカリとは、主な生活圏を海中から陸上に移したヤドカリの総称です。
分類学的には節足動物門 甲殻亜門 軟甲綱 真軟甲亜綱 十脚目 異尾下目 ヤドカリ上科 オカヤドカリ科に属する生き物で、日本では南西諸島、小笠原諸島などに、オカヤドカリ(Coenobita cavipes)、ムラサキオカヤドカリ(Coenobita purpureus)、ナキオカヤドカリ(Coenobita rugosus)、コムラサキオカヤドカリ(Coenobita violascens)、オオナキオカヤドカリ(Coenobita brevimanus)、サキシマオカヤドカリ(Coenobita perlatus)の6種のオカヤドカリ属と、ヤシガニ属のヤシガニ(Birgus latro)、合わせて7種類が生息が確認されています。(サキシマオカヤドカリについては無効分散の可能性が高い)
また、大阪自然史博物館の古い収蔵標本の中から小笠原諸島で採集されたオオトゲオカヤドカリ(Coenobita spinosus)のオス1個体が見つかったという報告がありますが、その後、国内で生きたオオトゲオカヤドカリが発見されたという話は聞きませんので、これも例外的な無効分散個体だと思われます。
地球上に1500種以上いるといわれているヤドカリの中で、オカヤドカリ類はわずか十数種が確認されているだけですから、きわめて特殊な生活様式をもった貴重な生き物なのです。
オカヤドカリの分布域は熱帯地方から、亜熱帯地方に限られ、日本はその分布域のほぼ北限にあたります。
日本固有種のムラサキオカヤドカリ(Coenobita purpureus)はいうに及ばず、ナキオカヤドカリ(Coenobita rugosus)やオカヤドカリ(Coenobita cavipes)も、貴重な北限の個体群なのです。
 
〈最後まで責任を持って飼おう!〉
  生物には同じ種類であっても地域格差というものが存在します。
観光目的の無秩序なゲンジボタルの放虫や、遊漁目的の湖産アユの放流によってこの地域格差が混乱し、生態系に影響を与えているという報道を目にされた方も多いと思います。
オカヤドカリの場合、幼生を海中に放出し海を介してある程度広域に分散しますので、そういう影響は少ないと思われますが、例えば石垣島産のナキオカヤドカリと奄美大島産のナキオカヤドカリでは遺伝子レベルで何らかの地域格差が存在する可能性も否定できません。
海中に棲んでいたオカヤドカリの祖先が、陸上に進出したのは今から2200万年前と言われています。
石垣島のナキオカヤドカリと奄美大島のナキオカヤドカリが交雑すると言う事は、2200万年にも及ぶ進化の歴史が一瞬で書き変えられてしまうと言う事です。
自然界の秩序を無用に乱さないために、飼育個体は絶対に捨てないでください。
よく、飼っている生き物を捨てることを「自然に帰してあげた」とか「逃がしてあげた」とか言って自分の行為を正当化しようとする人がいますが、あまりにも無責任で自分勝手だとしか言いようがありません。
生き物を捨てることは単なる責任放棄にとどまらず、重大な自然破壊でもあるのです。
オカヤドカリの寿命は大変長く、10年以上生きるのは確実で、海外のサイトには20年~30年という記述もあります。
飼うからにはそれなりの覚悟を持って最後まで飼い続けるのが飼い主としての責任ですし、それができないのなら最初から飼うべきではありません。  
 
〈まず生息環境を考えてみる〉
 オカヤドカリと一口に言っても、その生息環境は種類によって異なります。
大きく次の3タイプに分けることができるでしょう。

①海岸近くに生息し海水への依存度が高い種類
②内陸に進出し基本的に真水だけでも生きられる種類
③その中間的な種類

ペット用として流通する国産種では、オカヤドカリ(Coenobita cavipes)やオオナキオカヤドカリ(Coenobita brevimanus)が②、そしてもっとも一般的な、ナキオカヤドカリ(Coenobita rugosus)とムラサキオカヤドカリ(Coenobita purpureus)は③に当たります。
ナキオカヤドカリやムラサキオカヤドカリを飼育する場合、そのあたりを考慮して飼育環境を設定することが大切です。
もちろん、海水には種々のミネラル成分が含まれていますので、内陸性のオカヤドカリやオオナキオカヤドカリに対しても、積極的に与えるべきです。

オカヤドカリの飼育とは、南国の温暖な気候と、新鮮な海水がいつでも利用できる海辺の環境を、人工的に作り出すことです。
 
〈オカヤドカリは夜行性〉 
  オカヤドカリは主に夜間に活動します。
これはオカヤドカリの呼吸方法を考えれば当然のことといえます。
オカヤドカリは鰓呼吸と腹部での皮膚呼吸によって空気中から必要な酸素を取り入れています。
つまり呼吸のためには、鰓と腹部の体表を常に湿らせておく必要があるのです。
日中、南国の強い陽射しの中を歩いていれば、あっという間に体が乾燥して呼吸ができなくなってしまいます。
実際、港や護岸などのコンクリートの上で、陽射しから逃げ遅れて乾燥死したと思われるオカヤドカリの死骸を見かけることは珍しくありません。
また、日中は(人間や人間によって生息地に持ち込まれたイタチやマングースを別にすれば)オカヤドカリの最大の天敵である鳥の活動時間です。
明るい中を、のこのこ出歩いていれば、たちまち餌食になってしまうでしょう。
太陽や鳥から逃れるために、オカヤドカリは夜間活動せざる得ないのです。
陽射しの弱い冬場や雨の日は、昼間から出歩いているオカヤドカリを見かけることもありますが、昼間のオカヤドカリは、どことなく不安げで居心地が悪そうに見えます。



オカヤドカリが多数生息する浜辺も、日中その姿を見ることはまれ


〈オカヤドカリは陰性の生き物〉
 オカヤドカリは英語で「Land hermit crab」と呼ばれています。
陸に住む隠者のカニと言った意味でしょうか。
これは、オカヤドカリの生態を考えると、実にぴったりのネーミングと言えます。
オカヤドカリは日が暮れて気温が下がり湿度が高くなると、餌を探して活動を開始しますが、それ以外の時間は物陰や石の下、砂の中などに隠れてじっとしています。
これは飼育下においても同様で、一日のほとんどの時間は、飼育容器の隅やシェルターの中で動かずにじっとしているでしょう。
何日も動かないこともあります。
極端な例ですが、我が家には4ヶ月間砂に潜りっぱなしで姿を見せなかった個体もいます。
飼っていてこれほどつまらない生き物もありません。
水に浸けたり、霧を吹きかけたりすれば一時的によく動きますが、これは刺激を受けて暴れているだけです
オカヤドカリは触って遊ぶためのペットではなくて、あくまでそっと観察して楽しむための飼育動物です。
そのあたりを、よく理解しておかないと、すぐに飽きてしまうことになりかねません。
これからオカヤドカリを飼おうとして情報を集めておられる方は、自分がなぜオカヤドカリを飼おうとしているのか、オカヤドカリに何を期待しているのかを、もう一度よく考えてみてください。
最初に述べましたがオカヤドカリは貴重な天然記念物です。。
気軽に手を出して無意に死なせてしまう事だけは絶対にやめてください。 



 

ムラサキオカヤドカリは貴重な日本固有種
この個体は公園の側溝のごみの下に隠れていた。
意外な場所で見かけることも多い。


オカヤドカリの飼い方
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オカヤドカリの飼い方 【飼育容器】

2014-04-06 10:27:58 | オカヤドカリの飼い方

 木登りをするなど多少立体的な行動をとることもありますが、基本的にオカヤドカリは地面を歩き回って暮らす生き物です。
昼間は寝ていることが多いのですが、夜間は活発に活動しますので、動き回れるだけの充分な広さを持った飼育容器を用意してください。
水入れやシェルターを設置して、なお活動スペースを確保するには、最低でも40cm以上の容器が必要です。
小さな容器でも上手く管理すれば長生きさせることもできますが、初心者は大き目の容器を用意された方が楽ですし、結果も良いと思います。
容器が小さいほど飼育の難易度は高くなります。  
 
〈おすすめは水槽〉
 オカヤドカリの飼育容器としては観賞魚用の水槽やプラスチックの飼育容器(プラケース)が一般的です。
特に湿度の高い環境を好む、ナキオカヤドカリやムラサキオカヤドカリを飼育するには開口部が上部だけの水槽のような容器が適しています。
小動物用の金網ケージや爬虫類用に売られている側面にスリットの入ったケージなどは、通気よりも保湿が優先されるオカヤドカリの飼育には向きません。
観賞魚用の水槽には、ガラス水槽とアクリル水槽がありますが、砂を大量に入れるオカヤドカリ飼育には、傷がつきやすいアクリル水槽よりガラス水槽をおすすめします。
もっとも普及している45cmや60cmの規格品が安価で使いやすいでしょう。
あまり大きな水槽だと、後々のメンテナンスが大変になりますので、導入にあたってはそれなりの覚悟が必要です。
水槽の場合、脱走防止のためのきっちりとしたフタがついていませんので、別に購入する必要がありますが、規格水槽なら専用サイズのフタも多く出回っていますので、その点も便利です。

〈手軽さならプラケース〉
 安価で丈夫なプラケースはもっとも手軽な飼育容器といえます。
ぴったりと締まる蓋が付いていますし、軽く扱いやすいので、子供に世話をまかせても安心です。
ただし、あまり大きな物がありませんので、飼育できる数は限られます。
長辺が40cm程度のタイプで、前甲長10mm前後の中型の個体2~3匹が限度です。

水槽やプラケースは使用する前に軽く水洗いしてほこりなどを落としておきます。
洗剤は小さな生き物にとっては、非常に毒性が強いので、絶対に使用してはいけません。

〈衣装ケース〉
また、積極的におすすめはしませんが、コンテナ型の衣装ケースという選択肢もあります。
不透明なので観察には不向きですが、何よりもその底面積の広さは魅力です。
大きさの割には軽くて丈夫なので、工夫次第で面白い飼育容器になります。
もともと、しっかりと閉まる蓋が付いていますので、一部を切り取って網戸用の網などを張るといいでしょう。
ただ、生き物を飼育する目的で製造された物ではありませんので、成型時に使用した剥離剤がそのまま付着しています。
オカヤドカリに対してどの程度の害があるのかはわかりませんが、私はぬるぬる感がなくなるまでスポンジで徹底的にこすり洗いしています。
 
〈直射日光を避ける〉
 プラケースなら、砂を入れてセッティングしてからも、移動は可能ですが、水槽の場合砂を入れてしまうと移動は困難です。
60㎝水槽には20㎏程度の砂が入りますので、持ち上げると水槽が破損することもあり大変危険です。
まず置き場をしっかりと決めてからセッティングをしてください。
置き場所としては、当然のことですが重量に耐えられる安定した台が必要です。
天板の薄い家具などの上に置くと、重みで変形して水槽が破損することもあります。
また直射日光のあたる窓際などに容器を置くことは絶対に避けてください。
トカゲやカメと違い、夜行性のオカヤドカリに日光浴はまったく必要ありません。
気密性の高い容器に直射日光を当てると、短時間で急激に温度が上昇し大変危険です。
オカヤドカリは南国の生き物ですが、極端な高温にさらされると、口から体液を吐いて死んでしまいます。

〈部屋の真ん中もNG〉
 オカヤドカリは非常に臆病で神経質な生き物です。
四方が透明なケージを部屋の真ん中に置くと、常に回りを警戒して暮らさなければなりません。
これでは生体に大変なストレスをかけることになってしまいます。
また、オカヤドカリは透明なガラス面を壁として認識できず、先に進もうとして延々とガラスを引っ掻いていることがあります。
そんな姿は見ていて、とても痛々しいものです。
飼育容器は部屋の隅に置き、できれば前面以外の3面にはスクリーンなどを貼って目隠ししてやると良いでしょう。
オカヤドカリは緑色を好むという実験結果がありますから、緑色のスクリーンを選んでやると、生体にはより優しいかもしれません。
発泡スチロールなどの断熱板をスクリーンの代わりに貼ってやると保温効果もあって一石二鳥です。
特に冬場にはおすすめです。   
 
〈詰め込み飼育はダメ〉 
  以前、ある通販業者が、「オカヤドカリは群れで暮らす生き物なので一度にたくさん飼うのが良い」という情報を流したことがありましたが、まったくのでたらめです。
確かに繁殖期の海岸には、多数のオカヤドカリが集まっていることがありますが、それはあくまで「集まり」であって、哺乳類や鳥類、あるいはミツバチなどのような、いわゆる社会性を持った「群れ」とは概念がまったく異なります。
ただ集まっているだけのオカヤドカリにとって、回りの同類は仲間ではなく、単なる「障害物」、あるいは「食べ物」、良くて「その場限りの交尾相手」にすぎません。
そのような生き物を、小さな容器に何十匹も詰め込んで飼育すればどんな事態になるかは、説明するまでもないでしょう。  
  具体的な飼育数としては、45㎝水槽で前甲長10㎜前後の中型個体が2匹、60cm水槽では5匹が限度です。
Lサイズなどという表示で売られている大型の老成個体なら、さらに飼育できる数は少なくなります。
2005年の1月に京都で、とれもろさん(ハートミットクラブ)、caveさん(偏屈の洞窟)、プアマリナさん(Decapodjournal)ら、経験豊富な愛好家の方々と同席させていただく機会があったのですが、「60cm水槽に5匹が限度」というのは、席上皆さんの一致した見解でした。

〈蓋は必需品〉
 オカヤドカリの飼育容器に蓋は必需品です。
オカヤドカリの歩脚の先端には鋭い爪があって、これを引っ掛けて高いところにも平気で登ります。
さすがにガラス面を垂直に登ることはできませんが、水槽のコーナーを接着しているシリコンや流木などのアクセサリーを利用して簡単に脱走してしまいますので、フタは常にしっかりと閉めておいてください。
プラケースには元々しっかりと閉まるフタがついていますので問題はありませんが、水槽の場合は小動物用に別売りされているメッシュの蓋を購入してください。
角材などで枠を組んで網などを張った物で充分ですので、自作するのも良いでしょう。
ただし蓋を乗せておくだけでは、簡単に押し上げて外に出てしまいます。
我が家でも、以前放幼ケースに収容していた中型のナキオカヤドカリが、重石に乗せたこぶし大の石をものともせず脱走してしまったことがありました。
現在、メインの水槽には、水を入れた2リットルのペットボトルを2本乗せていますが、さすがにこれだと、大型のムラサキオカヤドカリでも歯が立たないようです。 
  



協力して脱走をこころみるムラサキオカヤドカリのコンビ
こんな知恵(?)もあるので油断は禁物  

 


 

〈湿度が大切〉
 蓋にはもうひとつ、温度と湿度を保つという、重要な役割があります。
温度については、保温機器の項で触れますので、ここでは湿度についてのみ述べることにします。
当サイトで飼育法を紹介している、ナキオカヤドカリやムラサキオカヤドカリは特に湿気を好む種類ですから、砂上は常に70%の湿度をキープする必要があります。
夏場は充分に多湿ですから、風通しの良い網蓋で問題ありませんが、エアコンを使用する時には飼育容器にビニールシートや毛布などをかぶせて、容器内の乾燥を防ぐと共に急激に温度が変化しないように注意します。

湿度管理がもっとも大変なのは冬場です。
元々湿度が低い気候に加えて、ケージ内をヒーターで加温しますので、通気性の良いメッシュの蓋だと、たちまち乾燥してしまいます。
これを防ぐために、冬場はできるだけ容器の気密性を高める工夫が必要になります。
ガラス板やアクリル板を用意できるのであれば、それに交換すれば良いのですが、充分な厚みのアクリル板は結構高価ですし、ガラス板は割れやすく扱いが大変です。
手軽なのはメッシュのフタにビニールやラップを貼り付ける方法ですが、保湿に関してならそれで充分な効果が得られるはずです。
ホームセンターなどで手に入るブラダンなども、安価で加工しやすいのでおすすめです。
ケージ内の蒸れを嫌う愛好家もいますが、乾燥した内陸に棲む外国産の種類ならともかく、国産のナキオカヤドカリ、ムラサキオカヤドカリに限って言えば、通気をよくして乾燥させてしまうより、少々蒸れ気味でも保湿を優先した方が良い結果が得られます。
ただし、飼育容器の中は常に清潔にするように心掛けてください。
高温多湿の容器内では食べ残しやフンはすぐに腐ってアンモニアなど有害なガスを発生させます。
オカヤドカリは鰓や腹部を濡らすことによって水に溶け込んだ酸素を取り込みます。
容器内に有害なガスが多くなると、鰓や腹部にためた水に溶け込んで呼吸障害を引き起こす危険が生じます。
一日一度は換気も兼ねて、容器内の食べ残しやフンを取り除くよう習慣付けてください。
有害なガスを吸着するゼオライトや活性炭などを活用するのも効果的だと思います。   
 


 

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オカヤドカリの飼い方 【砂(床材)】

2014-04-06 10:22:23 | オカヤドカリの飼い方

飼育容器の床材としては、砂を用いるのが一般的です。
厚く敷き詰めた砂には、容器内の温度や湿度が急激に変動することを防ぐ効果があります。
また暑さや寒さ、乾燥などの環境変化から身を守るために、オカヤドカリ自身も砂に潜り込みます。
底砂は飼育環境を安定させるだけでなく、オカヤドカリにとって大切な避難場所であり休息場所なのです。

〈底砂は脱皮床でもある〉
 ナキオカヤドカリやムラサキオカヤドカリは、砂の中に巣穴を掘ってその中で脱皮をしますので、底砂は脱皮床でもあるわけです。
詳しくは脱皮の頁で説明していますが、オカヤドカリを飼育する上でもっとも気を使うのは脱皮時の管理です。
脱皮床である砂が適当でないと、大切なオカヤドカリを脱皮事故で死なせてしまう危険が大きくなります。
砂は単なるケージのアクセサリーではなく、飼育環境の基礎となる大切なアイテムなのです。
くれぐれも砂の選択は疎かにしないでください。

〈珪砂で充分〉
 そうは言っても、特別な砂を用意する必要はありません。
結論を先に言えば、ありふれた「珪砂(石英砂)」で充分です。
珪砂とは、火山性鉱物である石英が主成分の白砂のことで、国内の砂浜で見ることができる白っぽい砂はほとんどがこの珪砂です。
場所によっては、火成岩の組成の関係で砂が黒っぽく見えることもありますが、安定した鉱物性の砂であれば問題なく使用できます。
珪砂は比重が大きいので水分を含ませると自重で適度に締まるという特徴があります。
先に述べましたが、オカヤドカリは砂の中に巣穴を掘って、その中で脱皮をしますので、保水性がよく、崩れにくい巣穴を掘ることができる珪砂は、脱皮床としても優れた砂だといえます。

〈砂の厚みは15cm以上〉
 生息地での調査では、小型のナキオカヤドカリでも5㎝~13㎝の深さにまで潜りこむことが確認されています。
飼育下でも、最低10cm、できれば15㎝以上は敷き詰めてください。
60cm水槽に15cmの厚みで敷き詰めるには、およそ20kgの砂が必要になります。
取り扱うにはたいへんな量ですが、底砂が脱皮床を兼ねていることを考えれば納得できると思います。
もちろん飼育環境が許すなら、もっと多くてもかまいません。
実際に、大型の個体を飼育していると、15cmでも少なく感じるはずです。

〈砂の採取は常識的に〉
 珪砂はどこにでもあるありふれた砂ですから、海岸で採取すればいいでしょう。
本来、自分の所有する土地以外で、勝手に土砂を採取することは禁じられていますが、ダンプカーで乗り付けるのならともかく、愛好家が水槽に入れる程度の砂を持ち帰ることを、厳しくとがめられることはないと思います。
ただし採取する際は常識的で節度ある行動を取るようにしてください。
景勝地などに指定されている浜辺での採取は慎むべきです。

〈購入するなら川砂〉
 海に行く機会がない、また運搬手段のない飼い主は、ホームセンターで売られている川砂を購入すると便利です。
18kgか20kg入りが普通ですから、一袋あれば60cm水槽に必要な量はほぼ賄えます。
値段も200円程度と手頃です。
ただし、採取場所によっては泥が混じっていますので、使用前に米を砥ぐ要領で濁りが出なくなるまでよく洗ってください。
重い砂を洗うのは大変な作業ですが、ここで手を抜くと後々飼育個体の状態を落とすことになりかねません。
また、ホームセンターには川砂と共に山砂が置かれているかと思いますが、山砂は砂粒の角が立っているためオカヤドカリの外殻を傷つける危険があります。
石英などを砕いて人工的に作られた砂も同様です。
砂場用の砂も、薬品による消毒や抗菌が施されていることがありますので使わないほうが無難です。

〈海砂は洗うべきか?〉
 採取してきた海砂を洗うかどうかは、採取場所や採取状況によります。
塩分を含んだ砂はオカヤドカリには有害なので、波打ち際で採取した砂は良く洗ってください。
海から離れた場所の乾燥した砂は、雨に洗われて比較的きれいな場合があります。
洗う必要があるかどうかを判断するには、採取してきた砂を洗面器にひとつかみほど入れ、水を入れて軽く掻き回してみると良いでしょう。
私は、アクが浮いたり水がひどく濁ったりするようなら洗いますし、水が濁らなければそのまま使用しています。
洗った砂はよく水を切って乾燥させます。
大量の砂を完全に乾かすのは大変ですが、できれば天日に干してさらさらになるまで乾燥させるとより清潔に使用できるでしょう。

〈砂の湿り具合は?〉
 砂は湿らせて使用しますが、どの程度湿らせるかで悩まれる愛好家も多いと思います。
簡単に説明するのは難しいのですが、じくじくと水が滲み出すようでは濡れすぎですし、さらさらでは砂が締まらず巣穴を掘ることができません。
この巣穴を掘れるかどうかというのが、ひとつの目安になります。
海水浴場で砂山を作りトンネルを掘って遊んだ経験は誰にでもあるでしょう。
あの、崩さすにトンネルを掘ることができるギリギリの湿り具合をイメージしながら調節すると上手くいくと思います。
濡らすのではなくあくまで湿らす程度です。
しつこいようですが、くれぐれも濡らし過ぎないように注意して下さい。
 なお、砂は必ず真水で湿らせてください。
オカヤドカリは脱皮後、体表 から浸透圧を利用して水分を吸収し、身体を膨らませます。
砂を海水で湿らせると、回りの砂の塩分濃度が体液よりも高くなり、逆に水分を奪われて脱水症状を起こして死亡する危険があります。

〈砂粒は1mmくらいが扱いやすい 〉
 砂であれば、粒子が細かくても特に問題はありませんが、あまり細かすぎると洗うのが面倒です。
オカヤドカリには快適で飼い主にとってメンテナンスの容易なサイズということになると、およそ1mm程度、ゴマ粒よりやや小さ目くらいが理想的です。
それ以上だと、締まりが悪く巣穴が崩れやすくなります。
小石や粒の粗い砂が混じっているようなら、採取の際に細目のふるいにかけて粒を揃えておくと良いでしょう。  

            


  
 みーばい亭で使用している珪砂



〈サンゴ砂〉
 以前はサンゴ砂といえば、マリンアクアリウムのろ材として使用される粒の粗いものか、装飾用のパウダーくらいしか流通していませんでしたが、最近では、オカヤドカリ飼育にも使える細かいサンゴ砂が手に入りやすくなりました。
現在、愛好家の間ではこのようなサンゴ砂が主流になっているようです。
ただ、サンゴ砂は珪砂に比べると軽く締まりが悪いため、脱皮用の巣穴が崩れやすいように思えます。
生息地の南西諸島でも、多くの砂浜が珪砂にサンゴの欠片や砕けた貝殻の混じった混合砂ですし、サンゴ砂の浜でも昼間オカヤドカリが潜んでいる茂みの下などは珪砂や土の地面です。
多少、見栄えは悪くなるかもしれませんが、サンゴ砂を使用されるのなら、少し珪砂を混ぜた方が、脱皮床としては安定しますし、生息地に近い雰囲気を楽しむこともできると思います。

余談になりますが、数年前、違法に採取された砂が「宮古島の白砂」と称してインターネットのオークションサイトで販売されていたことが問題になりました。
おそらくこれは氷山の一角だと思います。
一時に比べると少なくなりましたが、ネット上には悪質な通販業者も存在します。
このような犯罪行為に加担しないために、出所のはっきりしないサンゴ砂などは購入しないようにしてください。

ちなみに愛好家の中には、洗ったサンゴ砂を乾かすために、フライパンで焼く方がおられるようですが、ご存知のようにサンゴ砂の主成分は炭酸カルシウムです。
炭酸カルシウムは加熱すると二酸化炭素と酸化カルシウムに分離します。
酸化カルシウムとは即ち生石灰です。
まあ、家庭用のガスコンロとフライパンを常識的に使用する限り、そこまでの高温に達することはないと思いますが、熱されたサンゴ砂はパチパチ弾けて危ないですし、漆喰やセメント原料を作る目的でなければ、サンゴ砂を焼くのはあまりおすすめしません(笑)


 


オカヤドカリが多数棲息する沖縄県の某海岸
サンゴのかけらがたくさん混じっているが砂自体は細かい珪砂だ  
 


沖縄県某所で採取した砂のサンプル
砂に含まれるサンゴの比率は海岸によって様々で、中にはこのようにほとんどがサンゴ砂の場所もある
これくらい粒ならオカヤドカリの床材としては使えるが、やはり細かい珪砂を混ぜた方が脱皮床としては安定するだろう 
 


 〈ゼオライトがおすすめ〉
 サンゴ砂には気体分子を吸着する性質がありますから、底砂に混ぜることによって、多少の消臭効果は期待できます。
しかし、ケージ内の消臭という目的で使用するのなら、サンゴ砂よりはるかに効果の高いスグレモノがあります。
ゼオライトです。
ゼオライトとは簡単に言えば、結晶中に分子レベルの微細孔を持つ粘土です。
天然に産出するものや人工的に合成されたものなど、多くの種類があり、様々な分野で利用されています。
園芸用に売られている珪酸塩白土も、ゼオライトの一種です。
ゼオライトには様々な効用がありますが、そのメカニズムについては私も専門記事の受け売りでしか説明できませんので、ここでは具体的な効用の一部だけを抜き出しておきます。

・水質、土壌の浄化
・重金属、不良ガスなどの除去
・ミネラル分の補給
・消臭
・保温、保湿
・静菌

実際にこれらの効用を立証する術は持ちませんが、少なくとも飼育容器内や砂の消臭には抜群の効果を発揮していますし、生体の状態も良好です。
使用量としては底砂全体の5%ほどで充分でしょう。
あまりたくさん混ぜると巣穴が崩れやすくなります。
我が家では最初、底砂の下に敷き詰めていましたが、オカヤドカリがほじくり返して、結局混ざってしまいますので、現在では適当にばら撒いています。
オカヤドカリは鰓や腹部で水を介して空気中の酸素を取り込みますので、食べ残しや糞が腐敗した際に発生するアンモニアなどの有害なガスが呼吸用の水に溶け込むと呼吸障害を起こす危険があります。
特に保温のために容器内の気密性を高める冬場は有害なガスを吸着するゼオライトの使用をおすすめします。 
  



これはネコのトイレ用
店頭にはペット用 園芸用など様々な用途のものがあるが少量だと割高  
ネコはもちろん園芸用としても重宝するので 大袋を購入した方がお得


 
〈その他の床材〉
オカヤドカリの生息環境を考えると、床材に土や腐葉土などを使うのもひとつの方法です。
我が家でも、試験的にヤシガラ土を試してみたことがありましたが、何個体もが無事に脱皮を終えましたので、床材として使用するのに特に問題はないようです。
ただ、維持管理の手間を考えると、わざわざ砂以外の床材を使うメリットはあまり無いと思います。
 



〈コラム 床材のバクテリアは有用か?〉

オカヤドカリを飼いはじめた当初は砂の臭いが気になると思いますが、しばらくするとだんだん落ち着いてくるようです。
これは床材の砂に大量のバクテリアが繁殖して、糞や食べ残しを速やかに分解するためだと思われます。
こうなると無臭とは言いませんが、臭いはあまり気にならなくなります。
この状態をキープできるのなら、大変な思いをして砂を洗う必要はないでしょうし、むしろ砂を洗ってバクテリアを流してしまうことは逆効果かもしれません。
実際に、爬虫類や両生類の愛好家の中には、糞や食べ残しの処理は床材中のバクテリアに任せて、洗ったり交換したりしなくてもビバリウムを良好な状態でキープしている方もおられます。
面倒な砂洗いから開放されるのなら、飼い主にとっては願ってもないことですが、オカヤドカリ飼育にはどうでしょうか?
洗って天日に干したきれいな砂でも、適度な湿り気と有機物が供給される飼育容器内ではすぐにバクテリアが発生します。
これは無菌室で飼育しない限り防ぎようがありません。
バクテリアが発生した砂は、食べ残しや糞はもちろんオカヤドカリの死骸でもきれいに分解してくれますから、ある意味では有用だといえます。
ただし爬虫類と大きく違うのはオカヤドカリが鰓呼吸をする生き物だということです。
バクテリアが有機物を分解する過程で発生するアンモニアや硫化水素など有害なガスが鰓内の水に溶け込むと、呼吸障害をおこす危険があります。
オカヤドカリが化学物質に弱いといわれる所以です。
特に保温のためにケージの気密性を高める冬場は、大量の有機物を大量のバクテリアがどんどん分解する・・という環境はオカヤドカリにとってたいへん危険だといえるでしょう。
そうかといって砂を無菌状態に保つことは不可能ですし、オカヤドカリが生きている限り餌も食べれば糞もします。
愛好家それぞれも考えもあり、この問題は突き詰めるとけっこう難しいことですが、結局の所大切なのは「バランス感覚」ではないかと思います。
要するに、あまり汚しすぎることもなく、あまり神経質に砂を交換することもなく、ほどほどの状態を保つということです。
具体的には、日に一度は容器内の換気を兼ねてフタを開け、目に付く食べ残しや糞はできるだけ取り除きます。
そうしておけば砂洗いは数ヶ月に一度、全体の3分の1くらいを交換するだけで充分でしょう。
もちろん脱皮モードの個体がいれば無理に洗う必要はありません。
私の経験では半年くらいまったく洗わなくても別に問題はありませんでした。
更にいえば、表面はさらさらに乾いているけれど少し掘ると巣穴が掘れるくらいに適度に湿ってしっかりと締まっている・・と、いう環境が維持できれば理想的なのではないかと思います。
砂洗いは飼い主にとっても大変な仕事ですし、オカヤドカリにとっても大きなストレスになります。
あまり神経質にならずに「ほどほどの状態」を保つこと。
これがオカヤドカリと長く付き合うコツではないでしょうか。



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