TVなんかで、「マグロ解体ショー」の映像を見るにつけ、自分でもやってみたいと以前から思っていた。 ・・が、一般庶民が家庭のキッチンでマグロをさばく機会など一生訪れるはずもなしと、大量に蓄えた叶わぬ夢の一つとして心に秘めていたのだが・・・、店先で思いがけず、手ごろなサイズのビンチョウが、長い胸鰭で手招きしているのに出くわしてしまった。
サイズはシンクとまな板のスケールから推し量ればわかると思うが、私的には積年の夢が一つ叶ったわけで、ちょっと良い気分である。
ま、手応えは「ちょっと太ったサバ」程度だったのだが(笑)
ちなみに関西では、ビンチョウなど「マダイ」や「ヒラメ」に比すれば、2段も3段も落ちる下魚であるし、私もそう思ってきたが、今回サクに落としてひいたばかりの刺身を一口食べて考えを改めた。
「美味い」のである。
あの独特の錆臭さがなくてほんのりと甘みさえ感じる。
ところが、暖房のきいたキッチンに20~30分も置いておくと、例の酸化したような鉄臭い「居酒屋マグロ」の味に堕ちてしまう。
魚自体の鮮度が、良ければもっと美味いんだろうな・・。
まだまだ、喰わずに死ねないものが身近にたくさんありそうだ。
もちろん、血合いと内臓は、ショウガをきかせて甘辛く炒りつけてつきだしに、中骨と皮の内側に残った身はスプーンで丁寧にそぎ取って「やまかけ」に、残ったサクはみーばい亭特製の利尻昆布醤油に漬け込んで「漬け」に、頭は半分に割って軽く塩をして明日「かぶと焼き」にする予定。
・・が、これはあくまで「アテ」。
今夜のみーばい亭は昨年末に時期をずらして仕込んだ「・・・・」の利酒大会!
仕込み水は近くの山で汲んできた湧水。
麹は古くからの味噌屋さんから分けてもらった生麹。
そして米は・・、一度やってみたかった「伊賀産コシヒカリ」・・だが、近江米のキヌヒカリに完敗。
コシヒカリは素直に炊いて食べましょう(^^;