今年はアメリカに限らず、ブラジルやロシアも干ばつの襲われている。更に世界第2の人口のインドでも、干ばつが起きているようである。インドの雨季は6~9月であるが、例年よりもところによっては、5割も降水量が少ないのである。
政府は「2009年よりも悪く、過去40年最悪の状況にある」と
発表している。初冬の収穫となる、豆やコメの収穫は、昨年比8%は減ると予測されている。
インドはルピー安で原油など輸入品が高騰し、経済成長が鈍化している状況で、消費を鈍らせている。順調だった経済発展も、干ばつによって鈍化することが予測されている。農産物価格の上昇は、物価を7%上げると見込まれている。
とかく政治家や経済学者たちは、食料を他の商品と同様に価格と供給量で判断する。
しかし、食料は、急に生産はできないし、気候に影響される。食料は、たくさん収穫されても必要以上には消費できない。食糧はそれでいて、必要最小限は確保しなければならない、人に必要不可欠なものである。
食料は人間にとって極めて繊細な流通商品であることを、認識しなければならない。ましてや国家が戦略物資として位置付けるのは、非人道的と言える。今年のような、予測されざる天候被害は今後、温暖化や異常気象によって珍しくなこととなるであろう。
TPPという、無関税の経済システムは、異常気象以上に食料供給に影響をもたらすであろう。