そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

金融危機がなぜ起きたか検証していない

2009-04-25 | 政治と金

ワシントンでG7(7か国財務相・中央銀行会議)が開催されている。今年度は-1.3%になるが、後半から世界経済は明るくなると見込んでいる。願望のような気がするが、その中でも日本は最低の-6%超を見込まれている。

200904244156761nこの会議の主題は、結局のところどれだけの財政出動をやるかとする、自慢話のような内容になる。日本は15兆円もの追加対策をやっています、皆さんもやってくださいということになる。世界第2位の日本の-6%超の及ぼす影響は少なくはない。自慢話にもならないと思われるが、財政出動が本当にこの危機を救うのかが問われなければならない。

財政出動は、日本の例を見るまでもなくどこかでそれを補てんすることになる。埋め合せなければならない金額と時期と方法が、国民に不安を残すことになる。いずれ回収されることを前提にした対策が、見込みで動く経済を立て直すことができるのだろうか。

先日ロンドンでG20が開催されたが、大き過ぎて意見の調整すらできない。それではG7と言うG7090424と、かつてのように世界経済の80%を担っていた実力はなく、カナダやイタリアはすでに中国やインドなどに追い越されている。これにロシアやメキシコやブラジルが加わっていない会議にどれほどの効力があるというのであろうか。

ほぼ同時にイタリアで、G8ビジネス・サミットが開催されている。ここでは、一層のグローバル化を推進すために、保護主義を強く非難している。昨年の金融危機以来、世界各国は100を超す保護政策がだされたとしている。一層の貿易自由化を促すべきとしている。WTO保護主義でないだろうか。

これらの会議は、何故金融危機が起きたかを検証していない。金融危機は、貿易自由化の促進に伴う、無制限なグローバル資本主義によって引き起こされたものである。利潤を求めて資金や商品が、際限なく飛び交うことが引き起こした現象である。国家が自国の産業と国民を守るのは当然である。それを保護主義と非難する権利が、他国にあるのだろうか?

ましてや、未来へ借金する形で乗り越えようとする打開策は、消費に依存する一時的なものでしかない。将来的に求められる産業育成、しかも地域内で循環する産業こそが求められているのである。その典型的な産業が農業などの一時産業である。

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