そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

理性や品格を失くし、平和を語ることのできない政治が当分続くのか

2017-10-23 | 国際・政治
何とも情けない自民党大勝利と言う選挙結果である。寄らば大樹の影か、権力や既存勢力の意向に沿いたい、お上に従順な日本人の在り方の表れかもしれない。この右翼の行進をよく見ると、誰もが同じサイズの同じ新品の日の丸を、同じように掲げて行進している。官製のデモ、従順の象徴、戦前をほうふつとさせるものである。
今回の総選挙の現象としては、希望の党がこの選挙を壊したともいえる結果である。希望の党は敗戦の弁として、小池百合子がパリからの中継で喋っている。小池百合子は十分勝利したといえる。ゼロの議席を50近くにしたのであるから、上々の結果である。民進党の右派を引きつれての選挙であるから、彼らにしてみれば敗北ともいえよう。反対に行動した安保関連法を肯定する姿はいじましくもあるが、議席が欲しくて理念を捨てたという自民党の攻撃の言葉は、全く正しい。
その自民党も変わるものではない。前新潟県知事の泉田裕彦であが、原発再稼働、東京電力の事故処理に強く懸念を示しておきながら、自民党公認で当選している。北海道比例の、鈴木貴子のように民主党の比例で得た議席を、党を追われながらも居残って今度は父の意向を受けた自民党の比例から議席を得ている。誰がどう見ても不規則発言を繰り返す、安倍晋三の子飼いの萩生田光一はダブルスコアーのトップ当選である。稲田朋美の場合も同様に権力側の存在は大きく、庶民の依存症の表れなのであろう。
民進党の瓦解が招いた自民党の圧勝であるが、そのあおりを食らったのが共産党と言える。小選挙区の勝てそうもない候補を何十人も下げたのであるが、そうした地域への候補をこれまで立てた理由に党の理解への浸透を掲げていたが、それががなくなり比例での議席を減らす結果になっている。
矢張り小選挙区制の下では、巨大与党は圧倒的に有利で、批判票の分散を横目に議席を増やしていった。当初の野党共闘が効力を発揮していれば、自民党の議席は半分以下になった可能性すらある。
各党の獲得率の詳細はまだ出てはいないが、投票率が52%ほどであるり、自民党への投票率は30%程度である。つまり、国民の僅か20%足らずの支持で、60%もの議席を得る制度は欠陥制度と言える。小選挙区制で国民の真意を拾うことができなくなった、大きなもの権力への依存が高まったといえる。
小沢一郎が固執した小選挙区制は、二大政党間政策論議も起きてはいない。特に野党政党の分裂、分散、集合、統合、合併、消滅が繰り返されただけである。そうした分裂などが起きる度に、自民党が大きくなり安定してくる。これまでの法則がそのまま生きている。結果非自民勢力は居場所を失う。近代国家に稀有な、実質戦後70年をほとんど一党の政治権力が支配してきたのである。
そして今回起きていることは、自民党の極端な右傾化と国粋主義化である。更には、政治的位置の相互の呼び名、右と左、保守と革新、リベラルと保守、寛容と不寛容、そうした対立概念の消失も特徴のひとつである。作為的に作り出された、北朝鮮の危機感がそれを後押しした。人工的な異次元の金融緩和がもたらした円安株高で、大企業と金満家がさらに巨大化する構造を、好景気と呼ぶことになる評価制度に国民は翻弄されている。都合の良い数字、嘘で塗り固めた数字を看破する力が庶民にはない。
モラルや理念や理性を持たず、品格を失くしたた政治家たちに、未来を語り、憲法を平和を語る理念があるのだろうか。訝っても、当分はこの政治体制続くことになるのである。


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4 コメント

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Unknown (ののさん)
2017-10-24 05:40:57

本来なら戦争の教訓を生かし、戦争に向かおうとしている政治にたった一人ででも反旗を翻そうとする勇気ある人たちがもっといてもいいはずなのに、そりゃおかしいぜさんのおっしゃる通りまるで戦前を彷彿とさせる右翼の行進の愚かさをみてると、やはり日本人は過去に学ばずにいずれ同じ過ちを犯してしまう方向に向かわざるを得ないのでしょうか。総選挙の結果に今更ながら、がっかり、人間不信に陥りそうです。
こんな巨大与党圧勝の状況で選挙制度を見直し、理性を失った強い政治家がより権力を増し、
弱者に寄り添う政治など遥か遥か遠い話になってしまいました。それどころかこのままでいくといずれ戦争が起こること、避けられないのでは?
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Unknown (タンケ)
2017-10-24 08:58:50
今回もいつもと同じ結果(どころかジミンコーメが大勝した?)なので、全く落胆させられた。いつまでたってもこんな状況が続き、失望と無力感で一杯だ。それにしても、本当なのか、この結果は?不正選挙ではなかったのか。日本人多くの民度や正義感とはこんなものなのか・・・。

今や、責任とらぬ者らが原発を進め、戦争を企み、税という名の下、貧者や弱者らからも容赦なく搾取し、のうのうと太り栄える不正で醜悪な悪魔らが支配する構造の日本である。一体本当にそんな悪魔らを支持投票する者らがそれほども多くいるのだろうか、この国には。

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Unknown (タンケ)
2017-10-24 12:51:26
この国がいっこう良くならない変わらないのは、「責任問うべきは問い、正すべきは正す」ということをしないいい加減でアマチャンの民族性に拠るのかもしれない。かつての大戦争を企んだ多くの指導者は無責任なまま戦後を生き延びている。マジメに戦いその一つしかない命を捧げたのは多くのマジメで従順な庶民らだ。

アベシンゾなど悪党そのものなのに、こんな屑が今後も権力の座に居座るとは、断腸の思いにさせられる。神が居るなら、悪党アベシンゾジミンコーメらは必ず撲滅させられるはずだ。いや、そう信じるしかない。
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根のない草の根 (ノブ)
2017-10-25 00:18:59
放射能の影響について「直ちに人体に影響はない」とコメントしたリベラル男。こんどは草の根による民主主義を作り上げていくと言う。気持ちは分かるが今の権力構造に立ち向かうには迫力に欠ける。草の根を語るならば連合の組織に頼るな。リベラルな保守とか訳の分からんことを言わんほうが良い。左翼であることに自信を持て。共産党を切り崩すぐらいの迫力で彼らとも手を組め。相手は国粋主義の右翼だ。地べたの我々は左翼でいいじゃないか。
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